謎のsapica
札幌市営地下鉄でもICカード乗車券を導入するらしく、改札にも券売機にも、なまめかしい色の対応機がお目見えした。
駅係員に聞いたところ、1月までモニター実施、1月末頃使用開始予定だそうだ。
モニター募集のページ
で、念のため聞いてみたが、SuicaやKitacaとの互換性はなく、互換性をつける予定は全くないそうである。
もう唖然とするほかはない。
この似て非なるカードは同じカード入れに入れておくとエラーとなる代物である。
互換性を持たせないなんて愚策としかいいようがない。
さらに、モニター実施まで一切宣伝をしないというのも信じがたい。先に聞いた一般使用開始予定まで2ヶ月である。
本来なら半年くらいかけてキャンペーンを繰り返し、電子マネーの特約店を獲得し、特約店ともタイアップしたイベントをするなど、前評判をさんざんあおり、それでようやくWAONなどのライバルに少しは割って入れるというものである。
#電子マネーといえば、せめて市役所の諸料金くらいはこのSapicaで払えるようになるんだろうなと、空しい期待をしているのだが。
以上は昨晩初めて知った一市民の感想であり、市の内部では色々考え、また色々制約があるのかもしれない。
しかし使用開始まで2ヶ月あまりの今、一枚のポスターも貼らず、一片のチラシすら配らず、このように普及拡大のためのやるべき事を何一つせず、しかし設備導入には税金をつぎ込んでいるというのは事実である。
費用対効果は度外視してはばからないのは、典型的お役所仕事との謗りを免れないのである。
どうせ税金だから使い放題だという意識があるのではないか? それが言いすぎだとしても、採算とかお客様の利便性とかは二の次で、それより大事なことがあると思っているであろう。
民営化してはどうか?
追記:毎日.jp:異議アリ!:来年導入、札幌・地下鉄ICカード「Sapica」 /北海道
ま、これが普通の感覚だと思うが。
| 固定リンク
「旅行・地域」カテゴリの記事
- Book:准教授高槻彰良の推察2 怪異は狭間に宿る(2022.11.25)
- フランスのコロナ対策とマスク事情(2022.09.11)
- ロストバゲッジ(追記1,2,3,4完)(2022.09.04)
- ベルギーの新パスポート(2022.06.24)
- 今日は #Galette_des_rois の日(2021.01.06)
コメント
モニターの募集に関しては、ポスターの掲示やホームページにて宣伝を行いました。
SAPICAは他のICカード乗車券と重ねてもエラーが出ないように設定されています。
SAPICAは利用金額に対し10%のポイントがつきます。
基本的にウィズユーカードが自動適応されると考えていいと思います。
ただ、10000円ウィズユーカードの場合は11500円分使えるので、ウィズユーカードの方が500円得となります。
現在はICカード乗車券としての利用のみとなり、電子マネーについては未定です。
ICカードの導入は経費削減につながります。
また、設備導入に税金をつぎ込むとありますが、どのみち機械の耐用年数の関係で新しいものを入れることになります。
そう考えた場合、その機械入れ替えのときにSAPICAを導入し、機械をICに対応させたほうがいいのです。
現在はまだモニター試験段階(11/20~1/12)なので、一般向けの宣伝はまだ早いかとおもいます。
投稿: SAPICA | 2008/11/22 23:24
SAPICAさん、情報を有り難うございます。
しかも貴重な情報ですね。それではKitacaと重ねても大丈夫ということですか。
地下鉄の改札では大丈夫でも北海道を含む全国のJRや地下鉄の改札でも大丈夫なんでしょうか?
それに10%ポイントがつくというのは、Suicaなど既存の交通カードには見られない特長ですね。PASUMOのポイント制と似ているかな?
しかし、やはり本格導入2ヶ月前でも宣伝するのはまだ早いとか、どのみち新しい機械を入れる(予算がある)ならIC対応をというあたりに、役所の思考様式を感じてしまいます。
もちろんICカードに対応させるのは正しい選択ですけど、その付加価値を活かそうとはなぜしないのでしょうか?
投稿: 町村 | 2008/11/23 10:00
① 北海道を含む全国のJRや地下鉄の改札でも大丈夫なんでしょうか?
なぜ、他の地域の物まで考えなければならないのか理解に苦しみます。少なくともJR北海道の改札機ではKitacaと重ねてもエラーになりません。これ以外の土地でどうかというのは無意味ですし、調べる意味もないです。それとも日本中で交通カードは1枚で済ませるべきと思っているのでしょうか?その場合ポイントなどの特別な付加価値はつけにくいでしょうね。
②宣伝について
SAPICAは札幌市内の地下鉄だけというかなり限定的なところで使えるカードです。当初はトラブルを避けるために定期券や乗車カードとしてしか利用法が無く、既存の客にだけアピールできればそれでいいですし、それ以外の客は元々相手にしていません。
逆に半年も1年も前からたいしたことのない機能をアピールし続けてるほうが異様です。それこそくだらない機能に金(税金)をかけてアピールするなと言いたいくらいです。
SAPICAさんのコメントのように、単に現在のカードシステムの寿命が近いことでの入れ替え以外のことではないので、WAONやらのカードと比較してどうこうというのも違うことだと思います。食い込む必要すらないのです。どうひっくり返したってWAONで電車には乗れないんですから。
ちなみにSAPICAカードは札幌市と北洋銀、北電などが出資している第三セクター「札幌総合情報センター」の所有となっていますので、地下鉄での成功後このカードを電子マネーとして市中で運用するような施策は「後から」出てくると思われます。現在は地下鉄でのモニター、1月の正式運用開始は「大きな意味での地下鉄でのモニター」ということではないでしょうか。
上げ足取りの批判ばかりですが、北海道新聞のような何でも批判するような精神が身についてるんでしょうか?
投稿: 牛 | 2008/11/24 14:53
なぜ他の地域のことも考えるかというと、札幌には札幌圏内だけで生活しているわけではない人も結構いるからですよ。
それに「大きな意味での地下鉄でのモニター」というのは意味がよく分かりませんけど、Suicaなどの先行事例がこれだけ蓄積しているんだから、後発のSAPICAはもっとスピードアップしてもよさそうだし、よその地域の利便性を思えば、そういう努力をしようとしないのは不思議でなりません。で、電子マネー機能を追及するなら、他の競合カードとの競争ということになるのは理の当然で、どの辺が揚げ足取りなんでしょうか?
そもそも札幌市交通局は足を上げようともしないという方がイメージに近いですけども。
投稿: 町村 | 2008/11/24 16:18
バスも市電も「導入を検討中」なのですね。
上で話題になっている事項もさることながら、市内で地下鉄以外の交通機関と乗り継ぐのに使えないというのでは、利用者を大幅に限定してしまうように思います。うまくいかなければ撤退、という選択肢がないのであれば、せめて市交通局で運行している市電だけでも同時導入しておけば、初期のお客さん確保に役立つ(データも増える)と思うのですが。
投稿: pede | 2008/11/24 16:31
1992年にウィズユーカード導入時、このカードが使えたエリアをご存じでしょうか。地下鉄各駅で券売機で乗車券を購入でき、プレミアムさえついていなかったこのカードが、1994年にやっと地下鉄券売機に直接通すことができるように、また、市電、市営バスで使えるようになったのです。プレミアムがつくようになったのはさらに後の話、また民営バスに乗れるようになったのは1997年です。5年間を経てこのシステムはようやく完成しました。
共通ウィズユーカードのシステムは、他のどの地域にもない、先進の仕掛けが多数あります。たとえば仙台のシステムを見てみれば乗り継ぎ割引が利くカード利かないカードにバスカードまであり、複雑ですが、札幌市はこれ一枚です。毎日ありがたみを痛感しています。
1999年から実施された非接触カードの実証実験「S.M.A.Pカード」では対象路線が東西線のみ、その後2001年に地下鉄全線、2004年には市電全線でも使えるところまで整備されました。少ないながらも地下街の店舗や自動販売機でも使用できたこのカードは、suicaシステムにも大きな影響を与えたことは疑いのないものです。残念ながらこの実験は2005年に終了しています。このカードが仮に現在も使用できるような状態だったならば、今度はほぼ確実に現在主流のsuica等との相互利用はできなかったでしょう。(カード様式も基本システムもSAPICAとは異なります)
現在見えているSAPICAのシステムはまだ「地下鉄」という一部分を見ているに過ぎないということです。「地下鉄」で使えること自体がSAPICAというカードの第一段階、大いなるモニター試験そのものだと、内部の者ではない私は考えています。SAPICAは札幌市という小さな地域の交通カードとしてではなく、少なくとも札幌圏(もしかすると全道規模?)の様々なものに使える「地域電子マネー」を目指しているものと考える方が自然なのです。
そうすると、現在の静かなスタートには納得のいくものがあります。最初は単にそろそろ引退するウィズユーカード対応初期の改札機の置き換えを勧める上での導入として地下鉄全線で使えることでまず数万人の利用客を獲得します。バス、市電の相互利用は次年度以降の予算次第で(バス1台あたり100万円以上するんですよ)使用開始。数年内にKitacaと相互利用もできるでしょう。「交通局」のカードではありませんから当然市外でも利用できますので現行の共通ウィズユーカードの比ではない利便性を得ることができます。このカードがコンビニやは市内の施設予約などに使えるようにするなどの価値をつけていけば、自ずと普及していきますよね。それこそ今後市役所の諸料金くらい支払えるようになるかもしれませんよ。宣伝するのは「SAPICAが○○で使えるようになりました!」程度で充分です。
正直たいした機能でもないのにKitacaは事前にお祭り騒ぎが過ぎました。あれほどCMしなくても鉄道利用分は自動的に移行します。ただ、JR北海道としてはJRとkitacaという電子マネーを結びつけて全道の鉄道を利用しない人にアピールしているものと考えています。
正直、SAPICAが「SAPICAはじめます!」なんてあんなCMを流すようなら「税金を無駄にするな」と苦情が殺到するでしょうね。
先も書きましたとおり、今WAONと戦う必要なんかないのです。WAONでもnanacoでも「地下鉄にはどう転んでも乗れない」のですから。多少使えるところが広がってもWAONはジャスコで、nanacoはセブンで使える企業電子マネーであるだけなので競争すら起きません。edyくらいは対抗馬になりますが、これも間違っても電車には乗れないんです。交通系の電子マネーは電車に乗れることが最大のセールスポイントなんです。
他地域の改札機でどうかという話の補足ですが、そもそもカードのID(SPからはじまる17桁)が他地域と全く重複しませんので、他地域でも重ねてエラーになることは考えられません。改札機で仮に「SP****というカードもOKですよ」となったとき初めて重ねてエラーが発生するようになるわけですから、他地域で調査の必要すらありませんという意味です。共通ウィズユーカードを九州のバスのリーダーに入れても「このカードは使えません」と出てくるのと同じことです。
少なくとも現在のSAPICAでもって「典型的お役所仕事との謗りを免れないのである。」とは思わないでいただきたいものです。
ついでに、地下鉄の運行を民間にできることならとっくに民営化してると思いますが、なぜ東京や大阪も含めて民営化してないんでしょうね?利権にしがみついてるからでしょうか。公務員批判にすらなっていないのではないですか?
長文失礼しました。
投稿: 牛 | 2008/11/24 20:27
素朴な質問すいません。
市営交通等の利用者中にしめる地下鉄「のみ」お利用者の比率はどれくらいなのですか?実数で数万人なのはわかりましたが・・・
もし宜しかったらご教示下さい。
投稿: pede | 2008/11/25 01:15
http://mainichi.jp/hokkaido/shakai/news/20081117ddlk01040308000c.html
>地下鉄の乗降客57万人のうち、バスも利用するのは12万人、JRを使うのは6万人と推計されている。
という記述がありますね。
http://www.city.sapporo.jp/st/welcomest.html
こちらでは
市営交通全体59.6万人
地下鉄 57.5万人
電車 2.1万人
その他の交通機関71.0万人
バス 30.6万人
JR 19.0万人
タクシ- ハイヤ-21.4万人
地下鉄のみを利用する方という記述はありませんが、推計として上記の毎日の記事はそうおかしな数字でもなさそうです。
投稿: 牛 | 2008/11/25 09:21
そうですか。
牛さんの説を読んで、やはり競争のない地域の話だなと、感じ入りました。
投稿: 町村 | 2008/11/25 11:26
地下鉄沿線に住んでいるとまずバスは使わないですね。特にダイヤどおりの運行が困難な冬期は、バス停2つくらい分歩いて地下鉄に乗る方も多いです。ただ新千歳空港バス沿線だと、荷物が大きいときや混雑時期には時間がかかってもJRよりも便利なことがあります。特に深夜は。
投稿: キメイラ | 2008/11/25 14:37
利用者の大部分を占めてる「地下鉄のみを利用してる市民」の一人です。
地下鉄のみに限定はされますが、繰り返し使用できるICカードの導入は、市の経費面でウィズユーカードよりも魅力的だし、
定期入れに入れたまま通過できるから便利。
俺はそれだけでも十分メリットを感じます。
JRにもほとんど乗らないし、
suicaとの互換性を必須とするような、頻繁に首都圏へ出かけるわけでもないしね。
そんな人の方が多いんじゃないかな?
投稿: 地下鉄沿線住民 | 2008/11/30 13:15
SAPICAについては賛否両論でていますが、地域ICカードとしては、独自方式を採用したのは正解です。地域交通カードとして理想的なのは伊予鉄道のeカードです。ありとあらゆるサービスやプロモーションがあり、松山に来た人がお金を落とすような仕組みがあります。地元経済の活性化が目的ですね。その辺は香港のオクトパスに習っていると思います。SAPICAもeカードのSさん(もう辞められたそうですが・・)くらい手先の器用な人がいれば、理想的な地域カードになると思います。
投稿: たかあな | 2009/01/07 13:11