arret:行政処分性を拡大する判例変更
最大判平成20年9月10日(PDF全文)
(要旨)市町村の施行に係る土地区画整理事業の事業計画の決定は,抗告訴訟の対象となる行政処分に当たる
この判決の意義については新聞でも報じられている。読売の社説は、民が異議を差し挟んで大プロジェクトを頓挫させることになるなどケシカランという感じがにじみ出ていたが、政界フィクサーがやっている新聞らしさがでていて良い。
ここでは別の角度から、法律学の基礎知識チェックの題材としよう。
(問題)
1. この判決が大法廷を開いて下されたのは何故ですか?
2. この判決には補足意見と意見というのがついています。これはどう違うのでしょうか?
3. この判決は判例を変更したとあります。そうすると過去の判例になった裁判はやり直すのですか?
4. この判決は下記のような主文です。ところが最高裁のデータベースには「破棄自判」となっていますが、何故「破棄差戻し」でないのでしょうか?
(主文)原判決のうち被上告人に関する部分を破棄し,同部分につき第1審判決を取り消す。
前項の部分につき,本件を静岡地方裁判所に差し戻す。
参考文献
上記問題にピンポイントで答えるものではないが、新聞記者さんたちには是非呼んで欲しい一冊だ。
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