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2008/08/29

Book:吉田久判事の『気骨の判決』

落合ブログで紹介されていた本だが、昨日入手したので早速読んでみた。

グーグルで吉田久として検索してみても、同姓同名らしき方はでてくるのだが、また久一さんとか色々ヒットするのだが、大審院判事の吉田久さんはヒットしない。そこで、あえてタイトルにも判事の名前を掲げてみた。

大政翼賛会の選挙に敢然と、選挙無効を言い渡した大審院裁判官がいたということも凄いが、その判決原本が事実上失われていて、判決正本から転記したことや、その後、原本が消失を免れていたことなど、興味深い事実である。
ただ、発見した原本を再びしまい込んだらしいが、是非、デジタライズしてネットに公開すべきである。

詳しくは、上記の新書に当たってほしい。

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コメント

戦前の、軍部が絶大な権力を握り翼賛選挙が行われるような状況下で、それに抗するということがいかに大変なことであり生命の危険すら生じかねないことであった、ということを、読む人には是非感じ取ってほしいという気がします。

投稿: yjochi | 2008/08/29 12:46

読みました。こういう堅苦しい人が社会に閉塞感を生みだすんだと思います。政治家など言っていることみな同じようなこと。ならば誰がどう選ぼうと同じ。
無駄に再選選挙させて大量の金と時間を浪費させた彼の良識が問われると思います。

投稿: ある大学生 | 2009/08/16 22:38

あの時代にこういう人物がいた、ということは大変な驚きです。再選挙の結果は同じでしたが、「無効判決」を出した意味は大きく法の番人としての職務を全うした、と言えます。時局に迎合せず法の独立性を訴えたことは、お金や時間を浪費する次元を超越しています。

投稿: ある社会人 | 2009/08/16 22:58

2009/08/16放送のNHKのドラマ版を観て感銘し、WEBで検索してここに辿り着きました。
同日22:38に投稿されている「ある大学生さん」のコメントは、「雰囲気に流されて全員が翼賛するのは良くない」ということを感じ取って、「右へ倣えで吉田久氏に感銘することはよくない」とコメントされたのかもしれません。
私は書籍は読んでいませんがyjochiさんや、ある社会人さんの意見に賛同します。

投稿: 妻が司法試験受験中 | 2009/08/16 23:16

貴方の書いている「社会に閉塞感を生み出す」とはどういう意味ですか?それは、「彼の良識」とどちらが社会にとって価値あることなのでしょうか。
 結果が同じでも、無効にしたことには「意味があった」と彼吉田が言ったようですが、私も同感です。
 「結果が同じだと、同じだ。」と言う考え方は間違っていると思います。よく考えてみて下さい。

投稿: 岡坂好泰 | 2009/08/16 23:30

政治家など誰を選ぼうが選ばれようが同じことという意味のコメントがありましたが、 そうした考えが社会に閉塞感を生み出すのではないでしょうか?
選挙結果は同じだったにしても無効にしたことに意味があったと考えることが、社会の閉塞感を打破するのではないせしょうか?

投稿: YY | 2009/08/17 01:33

NHKの番組で初めてしりました。いい番組でした。とくに今の時代、体制に擦り寄ったものばかりの中で取り上げてくれたことに。一人の人間は弱い だから強いものに依存する。私はそういう人間を愛する が 憎みもする。(少しあいまいですが)早速本を読んでみようと思います。

投稿: なむなむ | 2009/08/17 10:01

なむなむさん、
そうでした、人間の弱さを愛するという科白も効いていましたね。

投稿: 町村 | 2009/08/17 10:17

NHKドラマをみました。
戦時中の言論弾圧が激しい中で、法律家としての良心にしたがった人物がいたことだけでも日本にとって救いではないでしょうか?
しかし、判決後辞職せざるをえなかったことをみても、法を曲げてもすすめる戦争の圧力のすさまじさを感じます。時局に流されず、自分の頭で考えることは大変困難なことだと思いますが、戦争など権力の暴走を防ぐためには言論の自由、個人の確立が必要なのでしょう。真理を探すには相互批判、言論の自由が必要です。司法立法行政の権力の相互の抑制などは基本中の基本原則であると思いますが、そこが崩れていた時代でしたから。
私は弱きものに勇気を与える史実だと思います。

投稿: TOTO | 2009/08/24 00:41

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NHKでドラマ化された番組を見たが、なかなか感動的なドラマに仕上がっていた。 こ [続きを読む]

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