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2008/07/08

jugement:中一ネットいじめに掲示板管理者の責任肯定

今や珍しくなくなった感もあるが。しかし、プロバイダ責任制限法の免責事由に該当するかどうかが正面から問われたのは珍しい。

大阪地判平成20年5月23日PDF判決全文

中学の教頭先生が、自校の中一女子の実名をあげたいじめ的書き込みを削除しろと掲示板管理者にメール通知したところ、「対象となるスレッド及び書き込みのアドレスを正確に引用するよう」とか、「依頼対象が第三者が客観的に個人を特定できる内容ではなく,削除事由に該当しない」とかいって削除しなかった。
その後、被害者中学生の両親がログ保存と削除を求めたところ、これには応じた。

問題は教頭先生からメールで被害者の被害が分かったはずなのに削除しようとしなかった点で、種々の事情をあげた上、「本件掲示板を設置し,これを管理運営していた被告としては,前記のような被害の発生を防止するよう慎重に管理し,トラブルが発生した場合には,被害が拡大しないよう迅速に対処する管理義務を負っていた」と認められた。

スレッド全体を削除すべきだったなどとするあたりに、ややおおざっぱなところを感じるし、教頭先生のメールというのも、被害者との関係が明らかでない段階で削除義務が現実化するという部分、「Gの立場が不明であったことは,削除の判断にとっては重要であったとはいえない」とした部分には疑問を感じざるを得ない。

スレッドの内容は、以下のように認定されている。
「本件スレッドについて,タイトルで原告の氏名及び学年が特定されていること,本件スレッドを立ち上げた冒頭の書き込みが原告の容ぼう等を誹謗中傷する内容であり,その後の書き込みの内容をみると,スレッド全体としては,冒頭の書き込みを非難し,原告を擁護する書き込みが多いものの,冒頭の書き込みに同調する内容の書き込みもあることが認められる。」

冒頭の書き込みというのは、「中1のF死ぬ程うざい。マジ,しね!!バリ,ブスやし。あいつの顔見たらはきそうななる!!誰か,Fをしめて~!!」という内容であり、おそらくはこれが常に一番最初に掲示されて、以後最新書き込みの方が続くという形になるのだろうが、原告としてはこんなのを毎回見させられるのは耐え難いだろう。従って、これを削除すべき義務があるというのは、当然かもしれない。その限りで、教頭先生だろうと、あるいは無関係の第三者であろうと、このような書き込みがされているということを被告に知らしめた以上、対応する義務があるといってもよい。
つまり、通報した者が誰か、被害者との関係は何かが重要でないのは、対象となる書き込みの悪質性が認められるからである。
逆にそうでなければ、被害者またはそれに準じる立場の者が請求することを待っていても不当ではないというべきである。被害の程度は被害者の主観にも左右されるから、

#このケースに見られるように、ガキの幼い罵倒なんぞはさっさと消す方が世のためで迷う余地も少ないのだが、実際にはやたら丁寧な罵倒とか、皮肉・当てこすりの上手な使い手とかが多いのである。

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コメント

>実際にはやたら丁寧な罵倒とか、皮肉・当てこすりの上手な使い手とかが多いのである。

 そういう面での法的対応の詰めが早急に必要かも知れません。

投稿: ハスカップ | 2008/07/08 21:15

PS:

 リアルワールドの世界では「褒め殺し」を偽計業務妨害行為として民事の法的手段に訴えた先例があるそうです(伝聞)。

投稿: ハスカップ | 2008/07/08 23:31

ザッと判決文を見読みましたが、ちょっと乱暴な判決ですね。

もちろん、結論については正しいと思うのだけど、確実に判決文が書いているような判断になるものか疑問があります。

投稿: 酔うぞ | 2008/07/09 09:01

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