Bar-Exam予備試験の概要
これまた見逃していたものだが、ボツネタならぬ「法曹関係者のためのHPです」で7月10日に紹介されていた。
その前のQ&Aページには以下のように説明されている。
「Q 予備試験の試験科目は何ですか。
A 法科大学院の教育内容を踏まえ,法科大学院修了者と同等の学識,能力等を判定するという目的に照らし,短答式試験は,①憲法,②行政法,③民法,④商法,⑤民事訴訟法,⑥刑法,⑦刑事訴訟法及び⑧一般教養科目を試験科目として行われ(新法第5条第2項),論文式試験は,短答式試験の合格者に対して,短答式試験の科目及び法律実務基礎科目(法律に関する実務の基礎的素養についての科目)を試験科目として行われます(同条第3項)。口述試験は,論文式試験の合格者に対して,法的な推論・分析・構成に基づいて弁論をする能力の判定に意を用いて,法律実務基礎科目について行われます(同条第4項)。法律実務基礎科目は,法科大学院で実務教育の導入部分(実務基礎科目)が行われることから,これにより養成される実務的な能力・素養を予備試験でも判定するものです。」
これによると、旧司法試験とよく似た感じで短答式、論文式、口述式と行われるようだが、試験科目には「法律実務基礎科目」がある。
口述試験は「法律実務基礎科目」だけについてしかも「弁論をする能力」について行われるようだ。
かねてから、予備試験はロースクール教育を受けたのと同等の能力があることを測る試験とされていて、そのため実務能力について試されるのは当然だと思っていたが、その通りとなったので誠に喜ばしい。
ただ、その中身が単に要件事実構成の基礎を聞くようなものだと、あまり意味はない。
例えばローヤリングであるとか、模擬裁判などで体験されるべき内容を試験するというのは難しいだろうか?
ペーパーテストでは難しくても、口述では、そのようなやり方を試してみるのも面白かろう。上記の「弁論をする能力の判定」というのはそういう意味だとすると、誠に喜ばしい。
ついでに言ってしまうと、ロースクールの卒業資格にも同様の試験が必要な気がするのだが。
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コメント
単純に本試験を2回受けるような気がします。
予備試験は合格者が多いとローが空洞化するし、少ないと意味があるのかということになります。
三振した人の受け皿になると思いますが、法務博士でありながら、三振すると再度ローを出ないといけないという制度設計自体が不可解で、合格者を増やして回数制限も見直すべきです。
投稿: かおる | 2008/07/26 16:38
確かに本試験と重なる部分はどういうのでしょうね?
しかし、もともと三回不合格となった場合にもう一度ロースクールに入学するということは制度的に予定されていないように思いますが。
投稿: 町村 | 2008/07/26 21:30
>確かに本試験と重なる部分はどういうのでしょうね?
質の低下はダブルチェックで防ごうとする遠大な計画なのでしょう。司法改革の全趣旨を善解すればですが(無理多いw
投稿: ハスカップ | 2008/07/27 03:36
失礼致します。
私としては、法科大学院協会という圧力団体が文部科学省を通じて猛烈に運動して、予備試験を究極に狭き門にしたという印象を持ってしまいます。
ロー内部にいながら、法曹養成制度改悪反対論者だからでしょうけれども。
投稿: 徳岡宏一朗 | 2008/07/29 01:14
法科大学院協会というのが、圧力団体として実質を持っているとはとても思えませんが。
投稿: 町村 | 2008/07/29 09:12
レスいただいて光栄です。
協会というより、その、法科大学院とそのバックにいる理事者の集合体といいましょうか。。。内部にいるくせにいってもあまり説得力ないですけど。
ところで、旧司法試験(現行司法試験と呼びたいのですが)民訴の分析、舌を巻きました。
自分の受験生時代、第一問はなんとかしたでしょうが、第二もはそもそも書くことがなくて困ったと思います。
この夏、行政法と民事訴訟法を勉強しなおそうと考えております。
投稿: 徳岡宏一朗 | 2008/07/29 09:59