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2008/06/29

trial:障害ある裁判員のためのサポートが必要

ボツネタ経由で知ったニュースであるが
中日:裁判員制 障害者に意欲、不安 手話通訳不足など深刻

解決の妙案はあるのだが、なぜそれを使わないのか?

もちろん完全な解決が望めるものでないが、手話通釈者の不足を案じることはない。

追記:既に昨年7月にjustice:電子速記「はやとくん」というエントリで以下のように記述した。

 「この冬に訪米した際に見学した法廷およびCourtroom21でも、視聴覚障害のある陪審員のためのサポートが課題となっており、電子速記はそのための有力ツールとなりうるものであった。リアルタイムスクリプティングができれば、聴覚障害者が裁判員になってもついて行けるし、出力を点字にすれば視覚障害者にとっても理解が進む。」

 このことは、何度も訪米調査を重ねているはずの最高裁事務総局が知らないはずはなく、速記官の活用であれば、手話通訳者のように既存の人材がいないわけではない。
 養成を中止したとはいっても、まだ全国に十分な数の速記官がいて、その人たちはすぐにでも電子速記を行うことができる。最高裁事務総局のすべきことは、人員配置を見直すとともに、電子速記とリアルタイムスクリプティングのための機材を調達することであろう。これから司法手話通訳者を養成して配置するより安上がりでかつ確実である。

 こうした実現可能性が十分な案があるのに、それをしないで、聴覚障害者を差別する(裁判員不適格と烙印を押す)ことがあれば、もはや合理的な差別とは言えず、憲法14条のテストに耐えられるものではない。

 なお、電子速記研究会の活動日記というブログの「裁判員制 「どの証言信用できる」 : 香川 : 地域 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)」というエントリで、最高裁が以下のように言っていると書かれていた。
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最高裁は、「連日的に開廷される裁判員裁判においては、記憶が鮮明なうちに審理が進められ、結審後速やかに評議が行われて判決が宣告されることになることから、当事者や裁判体が、審理や評議の過程において、紙の公判調書を用いて証人等の供述内容を確認する必要性は低いと考えている。また、裁判員に大部の紙の調書を読んでもらうことは、過大な負担を与えるものであり、現実的でない。」と言っています。
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裁判員が大部の紙の調書を全部読みこなすことが求められているのではなく、証言を再吟味するときに「なんて言っていたんだっけ」と記憶の曖昧な部分を補うために紙尋問調書が有用なのである。その場合、最高裁がやろうとしているビデオ記録も有用だが、ビデオ記録は個別の裁判員の個別の記憶チェックに答えることはできない。全体であの場面を見直してみようというときに使えるだけである。
ということで、証人尋問調書を紙媒体で用意することは、正しい裁判、確信をもって判断する裁判に不可欠なのである。

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