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2008/05/20

consumer:消費者庁構想

毎日jp:消費者庁:省庁への勧告権付与 試案概要が判明

記事より
「問題が生じた際、業者の処分や被害防止策の実施を他省庁に勧告する権限を与えることや、被害者に代わり国が業者などに損害賠償を請求する仕組みの導入を検討することも明記した。」

ここでいう行政庁が被害者に代わって事業者に損害賠償請求できるという制度は、いわゆる父権訴訟を意味しているのであろうか。

これについては、日本女子大学教授の細川幸一先生が、国民生活センター時代に書かれた論考に紹介と導入提案(朝日新聞・私の視点「悪徳商法防止 「父権訴訟」を導入しては」)がなされており、これと方向性を一にするものであろう。

このこと自体は望ましい方向で支持できるし、アメリカ以外でも、アジアでも父権訴訟が大きな役割を果たしている国がある。タイでも、団体訴訟を導入したものの、その担い手となる消費者団体が育たず、行政庁による被害者のための損害賠償請求訴訟が行われていた(数年前の状況)。

しかしそうであるならば、提訴のイニシアティブを行政庁が握るのを原則とするのではなく、消費者団体が第一次的なイニシアティブをもって、事業者の不法な利得をはき出させるための損害賠償請求訴訟を提起できるように制度改革を行い、父権訴訟はその補完的な役割を持つものとして導入すべきである。つまり、現在の適格消費者団体に個々の消費者の損害賠償請求権を代わって行使することも併せて認めるべきなのである。

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コメント

はじめまして。
ブログ・ヘッドラインからきました。

「国が損害賠償を請求するしくみ」というのは、イコール訴訟ではなくて、業者が違法または不当な行為で得た利益の没収について法制化するということを指すのかと思っていました。
団体訴訟についてはおっしゃる通りですgood
今のままでは、あまりにも実効性に欠けるというもの。
早く、個々の被害回復につながる損害賠償請求権が認められるようになってほしいですねwink

投稿: ちかおばちゃん | 2008/05/22 10:51

ちかおばちゃん

不当な行為で得た利益の没収についても、何らかの訴訟(裁判)がなければ、強制することはできませんのでね、例えば刑事裁判で没収刑を科すなどの仕組みが必要です。
刑事罰でないとすれば、民事訴訟ということになるでしょう。

公正取引委員会などが行う課徴金制度は、行政庁が処分として支払を命じますが、それは取消訴訟で争うということになります。

そのやり方を消費者庁でもとるのであれば、父権訴訟システムより効率的ではありますね。でもそうすると、取締機能と司法機能とを同一官庁が占めることの問題が出てくると思いますが。

投稿: 町村 | 2008/05/22 11:01

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