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2008/05/19

Bar-exam:新司法試験の問題公開

早くも、法務省サイトにて公開されている。

平成20年新司法試験問題

このブログで取り上げた、公法系の問題は以下の通り。
末尾の設問は省略した。興味のある方は上記リンクから直接原文にアクセスしてほしい。また、用語説明もあるので、一応ネットに詳しくない人、フィルタリングソフトとは何か、ウェブページとはなにか、知らなくても決定的に不利にはならない。

200*年度インターネット白書によると,インターネット利用者数は推計で約8900万人とされ,国民のおよそ4分の3がインターネットを利用していることになる。とりわけ,携帯電話所有者のほぼ100%がインターネットにアクセスしている。インターネットは,既に個人レベルにまで普及しており,インターネットなしの生活は考えられなくなっている反面,様々な弊害も問題視されている。それは,過度の性的表現,過度の暴力や残虐な表現,犯罪や違法薬物への興味を引き起こすような情報等が子どもに及ぼす有害な影響である。また,過度の性的表現等を見たくない大人もおり,そのような大人に配慮することも必要であるという意見も主張されてきていた。
有害な影響を及ぼすインターネット上の情報を子どもが閲覧できないようにする技術的対策として,フィルタリング・ソフトウェア(以下「フィルタリング・ソフト」ともいう。)がある。国は,子どもが使用する携帯電話等へのフィルタリング・ソフトの搭載を促進することが効果的と考え,学校や携帯電話等の販売業者等を通じるなどしてその普及を図ってきていた。しかし,前記白書によれば,インターネットを利用する際にフィルタリング・ソフトを使用している利用者は10%にとどまり,フィルタリング・ソフトについて知らないという利用者が70%に上っていた。政府は,過度の性的表現等から子どもを保護することを更に徹底するための対策等の強化について検討し,201×年,「インターネット上の有害情報からの子どもその他の利用者の保護等を図るためのフィルタリング・ソフトウェアの普及の促進に関する法律」(フィルタリング・ソフト法)案を策定して国会に提出し,同法案は衆参両院で可決・成立した。
フィルタリング・ソフト法は,有害情報を定義するとともに,その基準の定めなど細目的事項について内閣府令に委任している。同法によれば,パソコン,携帯電話等のインターネットへの接続機能を有する電子機器(以下「インターネット接続電子機器」という。)を製造する業者は,これを製造する場合には,内閣総理大臣が指定した適合フィルタリング・ソフトウェア(以下「適合ソフト」という。)の一つをあらかじめ搭載しなければならず,インターネット接続電子機器を販売する業者は,法施行前に製造された製品等,適合ソフトが搭載されていないインターネット接続電子機器を販売する場合には,適合ソフトの一つをあらかじめ搭載して販売しなければならない(違反した場合は,罰則が適用される。)。ただし,販売業者はインターネット接続電子機器の購入者から,専ら使用することとなる者が18歳未満の者ではないことを理由として適合ソフトの削除を求める旨の申出を受けたときは,使用者が18歳未満の者ではないことを所定の方法で確認した上で,適合ソフトを削除することができる(当該確認を怠って削除して販売した場合は,罰則が適用される。)。他方で,フィルタリング・ソフト法は,適合ソフトの効果を損なうソフトウェアが蔓延し,18歳未満の者の保護が図れなくなることを防止するため,適合ソフトを削除し又は使用目的に沿うべき動作をさせないプログラムを他人に提供してはならないし,また,適合ソフトが搭載されたインターネット接続電子機器を使用する者は,正当な理由なく,同法に定める手続以外の手続で適合ソフトを削除してはならない旨を規定している(提供又は無断削除した場合は,罰則が適用される。)。なお,同法は,適合ソフト搭載の促進のために国が助成措置を講じることとしており,使用者は,適合ソフト搭載のために上乗せされた価格部分を追加的に自己負担することなく,適合ソフトを搭載したインターネット接続電子機器を購入することができる。また,適合ソフトが搭載されていないインターネット接続電子機器を所有している者も,追加的な自己負担なしに適合ソフトを搭載してもらうことができる(資料1,資料2,資料3参照)。
Aは,平和問題と死刑存廃問題に関係する情報を無料で配信するサイト(以下「本件サイト」という。)を運営していた。本件サイトには,戦場における死傷者の無残な画像,拷問を受ける人々の画像,公開処刑の画像等,見る人に不快感を与える可能性のある画像も掲載されていた。フィルタリング・ソフト法施行後,本件サイトに含まれるウェブページの大半が有害情報を含む有害ウェブページとして,かつ本件サイト全体が有害ウェブサイトとして指定された。このため,適合ソフトを搭載したインターネット接続電子機器では,本件サイト内のすべてのウェブページが閲覧できなくなった。
Aは,大人ばかりでなく子どもも真実を知った上で問題を考える必要があるという信念のもとで本件サイトを運営していた。しかも,Aは,見る人に不快感を与える可能性のある画像が表示される前に,「次のウェブページには,不快感を与えるかもしれない画像が掲載されています。」という注意を促す文章を掲げていた。遮断される以前に本件サイトに寄せられていた意見のほとんどは,画像を見てショックを受けたが,平和や死刑の問題を真剣に考えるようになったというものであった。Aは,子どもが全く見ることができず,18歳以上の者も所定の手続を踏まなければ見ることができないことへの対抗策として,適合ソフトが搭載されていても本件サイトを閲覧できるようにするプログラムを開発した上,本件サイトとは別の自分のサイトに同プログラムをアップロードし,無償でダウンロードできるようにした。
このため,Aは,フィルタリング・ソフト法第17条及び第16条第1項第2号が定める,適合ソフトの使用目的に沿うべき動作をさせないプログラムを提供する罪に当たるものとして起訴された。

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コメント

ロースクール生対象の答練にフィルタリングを出そうと思って、問題を作り始めていました。

問題作り直しはかなり痛いです。

投稿: ToshimitsuDan | 2008/05/20 21:49

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