« またかよ、JAL | トップページ | mixiの件 »

2008/03/05

有害siteアクセス防止法案

奥村弁護士の見解で知った自民党の「青少年の有害情報閲覧防止法案」原案だが、馬鹿丸出しではないのか?

中日新聞サイト:青少年のアクセス防止法案 有害サイトで自民、罰則も

追加:より詳しい毎日jp:有害サイト:閲覧を「18歳以上会員」に規制…自民法案

これがまた、あの高市早苗委員長をいただく青少年特別委員会の作だ。
これだけで既に悪寒がするというものだが、内容はぶっ飛んだもののようだ。
---
プロバイダー(接続業者)、インターネットカフェ事業者らに、サイト上の有害情報を18歳未満の者が閲覧できなくするような措置を義務化。国などの是正命令に従わない場合には最高で「6月以下の懲役または100万円以下の罰金に処する」との罰則規定を設けているのが特徴
(中略)
原案は有害情報について性、暴力、自殺、売春、麻薬、いじめに関する表現で「青少年の健全な成長を阻害するおそれがあるもの」と定義。
---

これは一種のゾーニング規制のようだが、リアルワールドでのゾーニングは外見上子供を排除すれば足り、大人はお咎めなしでいられた。子供っぽい人々は迷惑しただろうが。
ところがネット上では、外見で子供っぽい奴はいない。誰もがただのパケットなのだ。そうなると、ひげ面の40男だろうが誰だろうが、18歳に達してることを証明しないと、有害情報サイトにはアクセスできなくなる。
そんなサイトにアクセスしないから良いとお考えの方々は、携帯電話の未成年者用フィルタリングのせいで子供達がゲームサイトにもSNSにもアクセスできなくなったという事実を忘れないようにすべきだ。当然2ちゃんねるはこどもアクセス禁止だろうし、大人も事前に生年月日と個人特定が可能な情報を証明書付きで証明しないとアクセスできなくなる。
ついでに、そのフィルタリングの基準なるものについて、利用者がその妥当性を議論できないということも、忘れてはならない。

それにブラックリスト方式では実効性があがらないだろうから、ホワイトリスト方式、つまりこどもでもアクセスできる安心安全リストとかいうのを作るのだろう。そのリストにのせられないサイトは一切アクセス禁止となると、外国の有用なサイトは全滅かも知れない。

ところでプロバイダというのはアクセスプロバイダとかも入るのか? ネットカフェと並んで書いてある以上はそうなのだろう。そうすると、通信内容に応じて通信を認めたり認めなかったり、通信の秘密も検閲禁止も差別的取り扱いの禁止も全部実質的に取り払われることになるのだろう。

そんな法案通るわけがないといって済ましていられる時代ではないのだ。

|

« またかよ、JAL | トップページ | mixiの件 »

パソコン・インターネット」カテゴリの記事

法律・裁判」カテゴリの記事

コメント

リアルで阻止するのであれば「サイト上の有害情報」じゃなくて「保護者抜きのウェブアクセスそのもの全部」を禁止してしまえばいいじゃないかもう……


アクセスプロバイダができることなんて、未成年と直接契約しない(そうなると結局保護者次第でしかない)とか、
あとは「フィルタ用意しました、子供さん用にお父さん設定してくださいね。設定するしないは後はご勝手に」くらいが常識レベルの「できること」だと思うんですが。

通信の秘密やらも考えると、たばこ証明書?みたいに大人である証明添付しないと接続不可とするか……まあ現実的ではないですね。
どうせ子供が証明書を勝手に使えば同じことなので、親次第。プロバイダに期待しないで親が水際でパソコンロックすればすむことですし。

投稿: サスケット | 2008/03/06 00:46

有害情報の定義をもう少し細かくすればよいのでしょうか。それとも,そもそも少女売春の妨げになるような規制はすべきではないということでしょうか。
この種の問題について,ゼロ回答というのは,昨今受け入れられにくいなあと感じているところです。特に,女子校の先生と話をしていると,その危機感たるや,凄いものがありますし,

投稿: 小倉秀夫 | 2008/03/06 01:28

>小倉さん

保護者が面倒をみれる環境をつくる、ということまで否定はしないのですが、この自民委員会案は、保護者による「より自由にアクセスさせる」選択を否定するものなのですが。

毎日新聞記事
http://mainichi.jp/select/today/news/20080306k0000m010162000c.html
で詳報が出ていて、対象は広範すぎるでしょう。

例えば、「性に関する価値観の形成に著しく悪影響を及ぼす」というフレーズには、青少年条例によくあるような「性的感情を刺激し」というフレーズがないので、性教協的なスタンスの性教育のコンテンツを狙いうちする可能性を否定できないですし、あるいは、同性愛を正常なものとして異性愛と対等に扱うような啓発(これは「同性愛者を差別しちゃいけません」とは違う)サイトは、国会で性教育冊子『ラブ&ボディ』が自民党から徹底攻撃されたときの経緯をふまえれば、やはり、ターゲットにされる可能性を否定できないでしょう。

高市議員が中心というと、上記のような心配は結構まじめにしないといけないと思うのでした。

なお、「出会い系サイト」限定はすでに改正案が閣議決定されていて、あれに賛成してこちらは賛成しない、というスタンスもあると思いますよ。私はどちらも反対ですが。

投稿: 崎山伸夫 | 2008/03/06 04:21

売春媒介規制だと「性的感情を刺激し」というフレーズは入れにくいですね。自殺誘因系もそうです。
 条文の文言が広すぎるというのならば,規制することに広いコンセンサスが得られるもの以外のものを含まないような案を提示していく方が,現実的かなあという気がします。

投稿: 小倉秀夫 | 2008/03/06 08:11

まぁインターネット利用税でも作らないと広範囲のチェックは出来ないですよね。

一方では「インターネットはタダだからどんどん使え」として片方で「チェックは厳しくする」というのでは明らかに矛盾で、それを無視した言いっぱなしですね。
どこに落着させるのか?というのが一番疑問です。

投稿: 酔うぞ | 2008/03/06 12:52

私は

>こんなバカなことを言い出すのなら「インターネットは良くないから全面停止にするべきだ」と主張する方がよほどすっきりすると思うのだが。

この発言に感銘を受けました。

投稿: 町村 | 2008/03/06 13:30

 アクセスプロバイダについていえばそのほとんどは有料だし, CGM系サービスは,有料のものもあれば,利用者に対しては無料だが広告料を得ているものもあり,真の意味で「無償かつ非営利」なサービスはさしておおくはありません。
 そういう意味で,「インターネットはタダだからどんどん使え」といわれているかのような言い方というのはミスリーディングではないかという気がします。

投稿: 小倉秀夫 | 2008/03/06 14:00

>一方では「インターネットはタダだからどんどん使え」として片方で「チェックは厳しくする」というのでは明らかに矛盾で、それを無視した言いっぱなしですね。

おっしゃる通り、確かに、The Internet is for Everyone を無視して日本だけ勝手に変なことやっても、理念ぶち壊しの上、意味がないと思うんですが。

これの日本語訳、MIAUの絡みで崎山さんのブログで見たばかりなので、よく覚えてます。

投稿: サスケット | 2008/03/06 23:06

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/31412/40388606

この記事へのトラックバック一覧です: 有害siteアクセス防止法案:

« またかよ、JAL | トップページ | mixiの件 »