osaka:橋下知事を批判すると抗議メールがやってくる
asahi.com:「橋下知事いじめるな」 直言職員に抗議メール1千通
知事は子供ですか?というのが最初の感想だが、メディア、政治、ネットの絡みあって出てきた結果として興味深い。
ネット時代にはすっかりおなじみになった光景だが、昔から犯罪や事件が報道されると決まって一言いってやらんと気が済まない人種が一定数いて、そういう連中は抗議の手紙や電話を仕掛けてきた。
そういう連中に限って犯罪者とその家族とが区別できない江戸時代的感覚を持っている人が多いらしく、犯罪者の家族は失職・一家離散・自殺にまで追い込まれてきた。
民事事件でも、行政訴訟や国賠訴訟の原告となることは村八分されることも覚悟の上という、これまたお上に逆らう百姓一揆や打ち首覚悟の直訴みたいな感覚が支配的で、そういう言動をおおっぴらにする奴らもいるし、単なる民事事件でも津ため池隣人訴訟のようなケースもある。
こうした前近代的村八分的感情の発露という面がある集団的抗議には、何らの同情もしないが、ネットが媒介となる集団的な意思表示にはそれなりの意義もある。攻撃の標的にされるのはかなわんと思うが、従来は批判の手の届かないところで安穏と悪事にいそしんでいた連中が標的になるのであれば、それはそれで痛快と思うのだ。
ところが橋下知事の場合は、メディアの寵児として名を売ったが故に知事にも当選したわけだが、それだけではなく、例の弁護士会懲戒扇動の前科がある。つまり、自分は責任を負わない形で他人を非難する行動様式を身につけた人々が、全国的に橋下氏を支持し、とりわけメディア経由の情報に敏感に反応する態勢で見守っているわけである。
まあ別に橋下知事だけではなく、田中康夫知事が挨拶回りしたときに名刺を目の前で折り曲げるという行動に出た長野県職員に対しても抗議メール等が殺到し、またこういうのが好きなj-castニュースあたりで煽るので、騒ぎが大きくなるのだが、橋下知事はすっかりそうした構造にはまっているといえる。
こうした応援団をバックにつけた知事に対し、やり玉に挙げられるのは怖いという大阪府の自民党府議センセイは、さっさと政治家など辞めればよいのだ。
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こうした状況に、与党の自民党府議からも「怖い。自由な議論ができなくなる」と心配する声があがっている。
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しかし職員であれ議員であれ、その個人の生活にまで踏み込むとなると、話は別だ。
今後、もっとエスカレートすると、職員の個人情報晒しが始まり、自宅にまで押しかける行動派やらあくまでネット上で済ませるけどどこまでも真偽にかかわらずプライバシー暴きをしたがる妄想派が活躍するというのが、よくある炎上ないし祭りのパターンである。
そうならないといいなと思う。
攻撃エネルギーは、権力を握っている側に対してこそ向けられたらよい。ただ地方も中央も公務員が相手だと、どちらが権力者なのかは微妙なところがあることも事実なので、一概にはいいがたいのだが、少なくとも職員としての行動を非難することを超えて、職員の私的生活にも攻撃を仕掛けるようだと、これはもう明らかな弱い者いじめでしかない。
そうならないことを望む。
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