mixiの件
もう多くの議論で語り尽くされている感があるが、この騒動で久しぶりに見たミクシ規約に面白い条項があった。
第6条 通信の秘密
1 弊社は、電気通信事業法(昭和59年法律第86号)第4条に基づき、ユーザーの通信の秘密を守ります。
2 弊社は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める範囲内において前項の守秘義務を負わないものとします。
(1)刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)又は犯罪捜査のための通信傍受に関する法律(平成11年法律第137号)の定めに基づく強制の処分又は裁判所の命令が行われた場合 当該処分又は裁判所の命令の定める範囲内
(2)法令に基づく強制的な処分が行われた場合 当該処分又は命令の定める範囲内
(3)特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(平成13年法律第137号)第4条に基づく開示請求の要件が充足されたと弊社が判断した場合 当該開示請求の範囲内
(4)他人の生命、身体又は財産の保護のために必要があると弊社が判断した場合 他人の生命、身体又は財産の保護のために必要な範囲内
このように通信の秘密は守るということのようだが、そうであるなら内容を検閲する行為についてはどう考えているのか? 総務省ばりの通信の秘密解釈では、到底許されないと思われるのだが。
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コメント
通信の秘密と検閲の禁止は一応別条文だと思います。さらにいうと,事後的削除は検閲ではないように思ったりします。
投稿: 小倉秀夫 | 2008/03/06 01:18
そもそものぞき見ることが通信の秘密侵害に当たるでしょう。
投稿: 町村 | 2008/03/06 08:51
サーバーとユーザーの間の通信の秘密は守るけど、サーバー内のデータについては俺のものって書いてるんだと思いました。
投稿: kumakuma1967 | 2008/03/06 09:18
個々の通信にまつわる一切のデータが通信の秘密の対象で、顧客の住所氏名とかも通信と結びつく限りは通信の秘密の対象となるのだし、そのことは上記規約の例外規定でプロバイダ責任制限法の開示請求権が出てくることから前提にされているように思います。
通信という形態は、ユーザとユーザの間のコミュニケーションによって成り立ってますから、サーバ内に蓄積されたデータはすべて、通信内容となるはずです。
もちろん同時に蓄積されたデータにもなるわけですが、それをサーバ管理者がのぞき見る行為は昔からサーバ管理の必要上許される範囲でしか認められないと解されてきました。その範囲では正当業務行為として違法性阻却されるわけです。
投稿: 町村 | 2008/03/06 09:37
ただ,公然性のある通信の場合に,通信の内容を事業者が閲覧をすることが通信の秘密の侵害に当たるという議論はなされていなかったように思いますが。確かに通信ではあるのですが,そもそも秘密性を欠きますから。
投稿: 小倉秀夫 | 2008/03/06 10:31