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2008/02/26

lawyer:愛弁と法曹養成

ボツネタでは、次のように記載されている。
前期修習がないことは,愛知県弁護士会がフォロー「愛知県弁護士会が,事前研修をしたそうです。
全国各地の修習生が集まったようで,来年度は,さらに,規模を拡大するそうです。」

そしてこれを読んだ落合弁護士は、きついご意見を書いている。
「是正すべきなのは、まず、司法研修所であり、また、法科大学院」「現在の法科大学院、司法研修所へと連続する法曹養成制度が破綻していることは明らかなように思います。」

法科大学院が合格後研修事業に乗り出すのは、その責任として当然ではないかという意見に私も賛成だが、現在の法科大学院にその力があるところは少ないだろうなという気がする。
力のあるところは、裁判官教員と弁護士教員の元で、司法研修所を修了して弁護士資格を得た卒業生を局付き代わりにして、研修所前研修を実施するのがよいと思う。
またその卒業生たちには、合格者が研修所に行った後には、クリニックで働いてもらったり、法科大学院でのチューターとして働いてもらったりすると、さらによいと思う。

それができるのは、かなり大きなサイズの法科大学院で、既にクリニックがしっかり稼働し、指導弁護士が常勤でいるというところに限られるだろうが、存在しないわけではないのだ。

なお、愛知県弁護士会のページにもいってみたが、さらにきついご意見に接してしまった。
法科大学院実務家チューター意見交換会開催される

「今回の意見交換会に先立ちチューターから資料要求をしたのに対し一チューターが知る必要はないとの回答をするなど、チューターを軽んじているとしか思われない学校もあった」
「学生はがんばって勉強をしているが成果が出ていない」「基本事項が出来ていない」
「研究者教員の中にかつて教育能力において予備校に敗北した現実を直視できず、教育者として当該科目をムラ無く教えるというのではなく、研究者としての自説に固執する者が依然として少なからず存在する点に問題があるのではないかとの意見」
「新司法試験の回数制限などから無駄に焦ってしまい、条文・定義・趣旨・要件・効果といった基本的事項を身につける地道な努力を惜しむ反面、安易に論点に飛びつき、論証カードの暗記に走ってしまうなど、皮肉なことに法科大学院制度制定にあたって批判された「旧司法試験受験生像」以上に旧司法試験受験生的な法科大学院生が少なからず存在する」
「法科大学院関係者が崩壊しつつある法科大学院の現状を頑なに隠して公表しないことの問題や、それをこの場をもって公表することが、学生のためでもあり、また、国民のためでもあるとの意見」
「弁護士教員を教授予備軍としての非常勤講師の如く扱い苦行を強いるのではなく、事業者としての弁護士というものをきちんと理解した上で、バックグラウンドの準備時間も含め、適切なフィーを払うべき」

抜粋では誤解を招くこともあるかもしれず、是非上記のリンクから原文を読んでいただきたいが、前任校でチューターに相当する職を引き受けてくださった弁護士先生方の顔を思い浮かべると、申し訳ない気持ちに駆られてしまう。

とりあえず、前向きに今いる学生たちの教育のことを考えると、最大の問題は「条文・定義・趣旨・要件・効果といった基本的事項を身につける地道な努力を惜しむ反面、安易に論点に飛びつき、論証カードの暗記に走ってしまう」という弊害である。

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コメント

うちでは教授のFD会議報告書が学生に公開されているのですが,上記チューター会議のほうがよほど実態と問題点を突いていると思います。旧態依然の教育手法,教育は本業じゃないと言い張る専任教授,有能な実務家教員が非常勤ゆえ異常に給与が安い,等々。

投稿: ロー生 | 2008/02/26 22:54

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