univ:国立大学医学部教授は金で動く?
これがお医者様の常識であるか!?
名古屋市立大学の教授だった男が収賄で逮捕された関連だが、その事件は論文審査の謝礼と称するワイロである。上記記事で指摘されているものには、それもあるが、それ以外にも金を渡さないと僻地に飛ばされるかもという不安から渡すものが多いようだ。
・名古屋市近郊の勤務医は先輩の助言で、審査の主査の教授に20万円、副査に5万円を渡した。
これに対して浜口道成・医学系研究科長は「事実なら情けない。やってはいけないことに決まっている。だが受け取る側と渡す側の見識の問題で、大学として調査はしない」と話したというのだが、「見識」の問題と言い放つところに問題認識の軽薄さが現れている。
刑法の以下の条文を読んでみるべきであろう。
(収賄、受託収賄及び事前収賄)
第百九十七条
公務員が、その職務に関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、五年以下の懲役に処する。この場合において、請託を受けたときは、七年以下の懲役に処する。
ちなみに防衛省の元天皇は、「水増し請求について何とかしてくださいよー」といわれて「よしゃよしゃ」と答え、部下に「悪気はなかったんだから処分せんといて」と伝えた、ということであると、「請託を受けた」受託収賄罪となるわけである。
「博士号の審査をよろしくお願いします」と言って金を包み、「よしゃ、よしゃ」と受け取って論文審査で○を付けたのであれば、7年以下の懲役である。
しかし、思うに窃盗などよりずっと重大な犯罪だと思うのだが、いかにも法定刑が軽い気がする。
それでも、あまりに蔓延していたら、高校の必修逃れのごとく、立件はできないということになるのか。
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コメント
法制度上はともかく、医療制度上ではそんなことは大した問題ではありません。
金銭による御礼どころか、医者は医局人事という形で身柄を教授に預けて職業人生を送っていたものです。それに関連して、病院と教授の間で金銭のやりとりも為されてきました。診療所開業する場合であっても、昔は教授に対して金銭の支出が必要でした。
順序が逆になりましたが、数年前に問題になった名義貸し問題に端を発し、既に厳しい規制の下にあります。
逆にその為、誰も行きたがらない病院や地域の医師が減少に転じているのは周知の通りです。地域医療崩壊の一助になっています。
投稿: rijin | 2007/12/12 11:39