jugement:広島県教育長のウェブページ投稿欄の中傷書き込み削除義務
広島地判平成19年12月6日
Asahi.com:教組中傷の投稿、県教育長HPで公表は違法 広島地裁
事情はよく分からないが、教育長のウェブページ投稿欄に教職員組合や組合役員に対する中傷書き込みがなされ、これが削除されなかったことについての損害賠償請求が認容された事例である。
記事によれば、「外部から書き込みができる投稿欄に、組合役員に関して「自分の考えに合わないことがあると、職場で何日も膨れっ面をしているらしい」、高教組の活動について「組合がつぶされてしまうのは当然」などの投稿が数十件掲載された。」とのこと。
橋本良成裁判長は「名誉棄損にあたる投稿を公表するのは違法」などとして県に310万円の支払いを命じたという記載からは、投稿承認制を取っていたのかとも思えるが、削除しなかったことの責任なので、投稿は当然に掲載されるというよくあるものであろう。
問題のページは「ホットライン教育ひろしま---広島県教育委員会教育長のHP」と題されたもので、現在は投稿欄はなくなっている模様である。
しかし、こういう自治体のオフィシャルなページでも、バナー広告が掲載されているというのは珍しい気がする。
そういえば、広島県教育長というと、文科省からあの寺脇さんが出向して就いた職でもある。
その時期の広島県では、ゆとり教育が実験的に導入されていたらしく、「総合的学習の未来」というページによれば、寺脇さんが就任した時期から「その直後から、広島県のセンター試験の平均点が、急降下し、何度か、もがく様に上昇するものの、就任前の全国18位から、2001年には、全国39位にまで、下落しています。」とのことである。
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