arret:日弁連元会長の弁護過誤事件
毎日新聞報道によると、日弁連元会長の土屋公献弁護士に対する弁護過誤責任追及の訴訟で、東京高裁が請求認容判決を下したとのこと。
その理由について記事ではこう書かれている。
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石川善則裁判長は「和解が不法に強行されたと認識しながら、速やかに異議を申し立てるなど代理人として最小限の義務を怠った」と述べた。
判決によると夫妻は94年4月、経営する病院の所有権などを巡る訴訟の代理人を土屋弁護士に依頼。裁判長が97年、夫妻の意に反し和解を成立させたが、土屋弁護士側は直ちに和解無効の申し立てなどをしなかった。
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この記事の、「和解が不法に強行された」というところが最も興味深い。
和解が不法に、というのは誰が強行したのか? 裁判官か? 相手方か?
弁護士が文句を言えば覆される程度のものなのか?
上記記事によれば、裁判長が当事者の意に反する和解を成立させ、和解無効の申立をしなかったとあるのだが、状況がよく見えないところである。
この裁判長は誰なのか、ということにもなる。
例えば、要件を満たしていないのに、民訴265条に基づく和解をしてしまったということかとも思うが、1997年と言えば前世紀。まだ265条は施行されていなかった!
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