news:国選弁護報酬に成功報酬加算
毎日.jp:国選弁護人:無罪なら報酬加算…最高で倍額 1日から導入
(1)全部無罪の場合、50万円を上限として100%(通常報酬の2倍)
(2)一部無罪は30万円を上限として50%(同1.5倍)
(3)殺人罪で起訴されたが、判決は傷害致死罪を適用し、減軽されたケースなどの「縮小認定」は20万円を上限として30%(同1.3倍)
少年事件の国選付添人についても、基準報酬通常9万円、検察官が関与する重大事件10万円を新設し、やはり「非行事実なし」の決定を得た場合にも、通常報酬の100%を加算するという。
刑事弁護では、99%以上が有罪なのだから、上記の(1)はほとんど宝くじ的な話であろう。(2)や(3)はよくあることなのだろうか?
それよりも、大事なのは執行猶予が着くことかもしれない。
素人的には、接見の回数とか、情状証人の確保とか、あるいはこれは刑事弁護そのものではないかもしれないが、示談交渉とか、そういう手間に報酬がきちんとあると良いと思うが、それを制度化すると過剰診療ならぬ過剰弁護をまねき、さらには法テラス(ひいては法務省)の監視強化をまねき、弁護士の独立性を揺るがすおそれがあるかもしれない。
報酬基準の適正化はげに難しい。
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コメント
むしろ冤罪事件の捜査を指揮し、起訴までもっていった検事を厳正に処罰すべきなのでは?結果として無罪になっても、起訴された時点で被告人の生活は破壊されてしまうんですから。
投稿: Inoue | 2007/10/31 12:32
過剰弁護って、どんなケースを想定されているのでしょうか、今ひとつ理解できません。
認定落ちや減刑に結びつかなかったら、即、過剰弁護ですか。
執行猶予見え見えの事案で、示談とか、法令の適用を争ったりとか、そんなにがんばるなよ、税金の無駄だよ、ってことでしょうか。
投稿: 増田尚 | 2007/11/01 12:04
過剰弁護というのは、現在の弁護活動についていっているわけではありませんので。
エントリのような手間に応じて機械的に報酬の点数が割り当てられるようになったら、起こりうる事態を考えています。
国選弁護人が用事もないのに毎日接見に訪れるとか。いやその必要がある事件もあるでしょうが、現状の国選弁護から想像する限り、毎日接見する必要がない事件が大部分なのでしょう?
投稿: 町村 | 2007/11/01 12:31