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2007/09/15

LS:早稲田ロー鎌田教授の見解

本日の新司法試験の結果発表を受けて---早稲田大学大学院法務研究科・研究科長 鎌田 薫

「本日の発表によれば、本学関係の新司法試験合格者は115名(内、法学既修者11人)でした。本学修了生の能力からすると若干少なめの合格者数であったと言うこともできますが、3年一貫の専門職法学教育のもとで学修した者が104名合格したことは、今般の司法制度改革の理念の一部を実現できたのではないかとも考えています。」

これに続けて、「法科大学院の教育に対する評価は、法科大学院修了生が、実際に法律家として実社会に出て、どれだけの活躍ができるか、どれだけ社会の期待に応えられるか、社会の評価によって決まるべきものと考えています。」ということで、新司法試験合格者ランキングだけで評価するような愚を避けるべきと述べている。
また、新司法試験のありかたについても、「その出題、採点、講評、合否判定等において、法科大学院における教育・学修がより健全に発展していくよう、最大限に配慮されるよう強く要望いたします。新司法試験が、法曹資格試験として法科大学院における教育の成果を問う試験になることを期待しています。」ということである。

このように、きちんと、しかも適時に、所見を明らかにするロースクールは好感が持てるし、ちゃんとしたところなのだろうという推定が働く。

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コメント

合格発表が終わると、予想通り、漏洩事件は鎮静化してしまったようです。それもそのはず、1851人の合格した受験生は、急におとなしくなりますからね。不合格だった受験生も、肩を落として、立ち直るのに精一杯でしょう。法務省の側も、せいぜい発表までの騒ぎと思っていたかもしれません。しかし、このままでいいのでしょうか?


鎌田教授のコメントを受けて、思ったことをいくつかあげてみます。


●新司法試験の問題は、あそこまで「凝った」ものにする必要があるのでしょうか?

「あの問題で良い成績を取れれば、実務に出ても立派な法曹になる」かといえば、明らかに疑問です。「そんなの関係ねぇ!」と言ったほうがいいかもしれません。
もっとシンプルな問題であっても、十分に実力は測れるはずです。問題作成の労力も減り、作成者とロースクール教員を分離することが容易になるはずです。

「凝った」独創的な問題であればあるほど、教員の当たりハズレが大きく試験結果を左右し、不公平が拡大します。考査委員の漏洩事件は、この不公平の象徴です。

もっとシンプルな問題のほうが、ロースクールの現状に合致しているはずです。実際、ロースクールの授業は、試験問題に対応できるほど、高い教育水準を実現しているとは思えません。これは学生のレベルの問題だけではなく、教員側のノウハウ、能力にも原因があります。

あれだけの「凝った」独創的な問題を出題するのであれば、法務省は、ロースクール共通の指定教材を作成するべきです。学生が、独学であっても、試験合格レベルに到達できるシステムを作らない限り、教員の教育水準によって大きな不公平を生じます。それほど教員の人材は不足しています。何より、これまで教員は「研究者」であったわけで、教える能力にはバラつきがあります。ロースクールになって、急に、「双方向授業だ」「事実認定だ」「判例学習だ」「要件事実だ」と言われても、にわかに対応できないのが現実で、多くの教員が自転車操業で勉強しています。教員であっても、新司法試験問題を見て、自信を持って正解を出せる者は、極めて少数です。
このようにみれば明らかですが、優秀な法曹を一人でも多く輩出するという観点からは、教育水準のバラつきを是正すべきですし、教育水準の格差を直に反映するような司法試験にするべきではないでしょう。


●論理的思考力を試す試験が必須なのは間違いありません。しかし、あそこまで試験の科目数、範囲を広範にして、受験生の負担を重くする必要があるでしょうか?
試験の負担が増えるということは、それだけロースクールの学習に集中できなくなることを意味します。
その結果、ロースクールは新司法試験のための受験予備校となってしまいます。現にそうなっていると言っても過言ではないでしょう。これはロースクール理念に反しています。

特に、短答式試験は、受験生に過重な負担となり、暗記学習を助長するので、廃止すべきではないでしょうか。
論文の採点に限界があるなら、受験生にもっと負担をかけない足切りを考えるべきです。

現状では、短答式で不合格となった者は、論文式の採点が実施されません。
やはり、論文についても、全員の答案をきちんと採点し、順位を出すべきでしょう。そうしないと、短答式の不合格者は、論文に関する一切の評価を受けることができず、次回試験に再挑戦するかどうかの判断材料が得られないことになります。それに、受験料を払って3日間も論文を書いているわけですから、採点&評価はあって然るべきでしょう。
このようにすれば、短答式の成績と、論文式の成績との相関関係も分かるはずです。

投稿: 匿名希望 | 2007/09/22 17:20

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