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2007/09/28

jugement:.comドメインの差し止め

東京地判平成19年9月26日PDF全文

「有限会社エーザイ」の商号の被告が使用している対象ドメイン名はe-zai.comで、原告は「エーザイ」及び「Eisai」の文字並びに「eisai.Co.Jp」のドメイン名を使用して,企業活動をしている。

判決は、「有限会社エーザイ」の商号自体も、「エーザイ」「E−ZAI」の表示も、そしてe-zai.comのドメイン名も、いずれも使用を差し止めた。

不正競争だという事実認定の元では、特に不思議のない判決だが、一つ興味深い点がある。

請求は、有限会社エーザイの登記抹消と、e-zai.comの登録抹消とを求めているが、判決は商号登記の抹消のみ認容し、ドメイン名登録抹消は棄却している。

ドメイン名登録抹消請求が棄却されたのは、登録者が被告の前代表取締役甲であって被告ではないことによる。

ここで、登録者でない人に抹消登録手続を求める訴えを提起するのは、被告適格を誤っていて却下になるはずではないかという疑問も生じよう。
しかし判決は、本件被告に実体法上抹消登録義務が生じないとの理由で、請求棄却判決を下したのである。

微妙なところだし、物権的請求権などでも時々被告適格の問題として処理する判決が散見されるなど、実務上も混乱する場合があるが、当事者適格の問題というより実体法上の権利が成立するかどうかで判断されるのだから、本案判決が相当である。

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