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2007/08/29

news:自主規制団体の幇助責任

asahi.com:ビデ倫、強制捜査に異議 「誠に遺憾」HPに見解

ビデ倫の見解(PDF)を見ると、強制捜査に異議を述べるというニュアンスがはっきり出ているわけではない。遺憾表明の曖昧なところで、不当な強制捜査だと断じているわけでもないし、弁明をしているわけでもない。

どう反応するのが得策か、決めかねているところであろう。

自主規制団体は、一種の検閲機関で、表現の自由的にはその存在自体が議論の対象となりうるところである。
それは一応パスしたとしても、法的規制と表現の自由との板挟みとなる難しいポジションであることには変わりない。
わいせつという曖昧かつ変化する基準を現実に適用するわけなので、その判断は微妙であり、法執行機関の判断や裁判所の判断とぴったり一致する保証はない。

問題は、その判断が食い違ってしまったときに幇助責任が追及されるということになると、例によって安全策をとり、わいせつとは誰が見ても言えないものしか審査にオーケーを出せないことになってしまう。
ポルノはそもそも悪という立場を取るならば、それでよいのだということになろうが、ポルノだって自由であるべき表現行為の一つと認めるのであれば、過剰な規制は憲法違反の問題を惹起する。

なお、ポルノについては公序良俗を根拠とする国家的規制の問題と別に、被写体に対する人権保障の問題もあるので、わいせつ規制について異を唱えることはポルノ作品製造者の完全な自由を認めることになるわけではない。
それはそれで、民事的にも刑事的にも問題が生じる。

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