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2007/08/02

jugement:息子が勝手に使ったクレジットカード代金を支払わねばならない

さいたま地判平成19年6月1日(PDF全文

1 インターネット上でクレジットカード決済を行う者は,利用者と使用されたカードの名義人の同一性につき,カードの利用について取得した情報から合理的な疑いがある場合に限り本人確認義務を負うが,カードが有効に認証された本件においては合理的な疑いがあるとはいえず,本人確認義務は認められないとした事例。

2 カード会社とカード名義人間において,カード名義人の家族等によってカードが不正利用された場合に発生した損害については填補しない旨の規定は合理性があり無効ということはできないとした上で,クレジットカード決済代行業者が,家族等によるカードの不正利用を知りながら,カード会社に対して代金の引落し指示を行うことには違法性がないとした事例。

セゾンカード、三井住友カード、東武カードを保有する夫婦が、同居の息子に100万円以上もの出会い系利用料金を、それらのカードの不正使用により決済された。
利用明細から不正使用を疑ったカード名義人夫婦は、クレジット決済業務委託会社に問い合わせ、クレジット決済業務委託会社は息子により不正使用がなされたことを確認したものの、家族の使用であることから、そのまま引き落とし指示を維持し、その指示に従ってカード会社が夫婦の銀行口座から利用代金の引き落としをした。

問題は二つある。
  クレジットカードの不正使用をする際、その息子は自分の電話番号とメールアドレスをサイト運営者に伝え、それがクレジット決済業務委託会社にも伝わっていた。その電話番号とメールアドレスは不正使用以前に自分のカードでサイトを利用した際のものと同一であった。従ってクレジット決済業務委託会社が電話番号とメールアドレスを照合すれば不正使用を疑うことができた状況にある。にもかかわらず、大量処理の必要上、そうしたチェックをクレジット決済業務委託会社に要求するのは酷だとして、確認義務を怠ったとはいえないとしている。
 また家族の不正使用の場合には損害を填補しないという約款に基づいて、不正使用者が家族であるからカード名義人に対して請求してよいと解している。

 いずれも疑問が残るところである。

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