diet:会社でも匿名の卑怯者志望
asahi.com:「身につけるだけで脂肪燃焼」は誇大広告 業務停止命令
このボディートグスという商品にも身につけるだけで脂肪燃焼などと書かれているが、これだろうか?
すこし宣伝文句が違うので、別の商品かもしれないが。
それにしても、経産省の報告要求に対して「調査中」「もう勘弁してください」などと書かれた文書を出してきたとか、情けない業者のようである。
また、2社とも、広告では登記簿上の正式な会社名を使わず、別の社名を使っていたということなので、会社も匿名の卑怯者となろうとしたというところであろう。
ところで、この商品を買った人が痩せなかったので、不実告知だとして消費者契約法に基づき契約を取り消すことができるか?
あるいは、この広告を見た消費者団体が、不実告知だから広告を使うなという差し止め訴訟を、消費者契約法に基づいて提起することはできるか?
答えは、いずれもNO。
消費者契約法は勧誘に際しての不実告知を取消事由にしており、不特定多数人に対する広告は勧誘ではないというのが通説だから、こんなひどい事例でも通説によれば取消できないし、差し止めも求められない。
こんな解釈は全くおかしな話なのだが、広告を見て釣られたとしても、意思表示をするときまでには真実を知りうるという仮定をおいて、広告と意思表示には因果関係がないというのだ。
かくして、広告で消費者を騙そうとする業者は後を絶たず、乏しい人的パワーの経産省などが目を付けたものだけが排除され、ダイエットが簡単という広告は氾濫し、アフィリエイトにも盛んに使われるのである。
現在の消費者契約法の最大の欠陥の一つといってもよい。次の改正でかわると良いのだが、だまし広告を許そうとする勢力が妨害しているので、先行きは不透明である。
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コメント
数年前、ワシントンDCに出張したとき、聴くだけで痩せられるCDというTV通販CMを見ました。
食欲中枢を抑制して食欲を低下させるとか言ってました。もちろん、「効果には個人差があります。グラフは体験者のサンプルです。」という注意書きが画面の下の方に小さな文字でありました。
この宣伝は、ブランド名と受付フリーダイアル電話番号だけで、さしずめコテハンとプロクシIPアドレスだけの「匿名の卑怯者」だったのでしょう。(/_;)
投稿: ハスカップ | 2007/08/25 14:05