book:反転
本日の読売にも書評が載っていたが、ようやく読み終えた。
田中森一『反転---闇社会の守護神と呼ばれて』(幻冬舎・1700円)
読んでいくうちに、バブル期とその崩壊後の有名人たちが実名で、しかも赤裸々に述べられているのに目を奪われた。
ただ、亀井静香など少数の例外を除くと、ほとんどが没落したり塀の向こう側に落ちたりした人々ばかりで、さすがに現在活躍中の政治家は出てこない。闇社会とのつながりが一時期取りざたされた中川幹事長なども出てこない。
田中氏は安倍首相の清和会に顧問弁護士となっていたが、このことも関係していようか?
ただし、苅田町の尾形町長が1億1000万円もの住民税をプールしたという疑惑については、それが裏献金として森・元首相にわたったかもしれないとの疑惑も合わせて、検事を辞める原因ともなったことから、詳しく書かれている。
また、警察・検察の内部の話も、ああやっぱりと思ったり、ここまでひどいかと思ったりする話が続々出てきている。
例えば大阪府警の刑事は自白を取るのに殴る蹴るは当たり前、運動と称して柔道着に着替えさせ、気絶するまで締め上げるそうである。「アバラ骨を折るなんかザラだ」と書いてある。
いずれにしても、刑法134条に触れないように細心の注意を払いつつ、しかし赤裸々な内幕ものとなっている本で、その全部が真実かどうかは知らないが、まれに見る面白さである。
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