blogに対する自信をぐらつかせる原因
ボツネタ経由で知ったページ。
The Blog Herald:ブログに対する自信をぐらつかせる原因
否定的なコメントで「もういや」となってしまう女性の話から始まって、別の記事から次の五つをブログ阻害要素として挙げている。
1.ブログ統計データ
2.否定的なコメント
3.時間の制約
4.少ないコメント
5.健康問題
このうち3と5はある意味当然で、やむを得ない。もちろん病床にあってもネットくらいはできるという環境なら、それなりに書き続けることもできようし、携帯からブログを書くこともできる。それはともかく、外的な条件であればいかんともしがたい。
1は、おそらく元記事の作者に切実な問題であるが故にトップに上がっているのだろう。確かにコメント数やらアクセス数やら、その他のアクセス解析が気になり出すと、書く方に力が入って力尽きたり、書く前にブログはお腹一杯ということになりかねない。まあ、そういう問題だが、それはそれでその人の楽しみ方かもしれない。
問題は否定的なコメントで、悪意にさらされるのは誰でも嫌だし、時には実社会にも否定的な反応が及ぶことがあり、確かに現実的な障害だ。
否定的コメント対策には、実名を登録しないとコメントできないようにすればよいとか、インターネット利用を実名登録しないとできないようにしてしまえといった見解もあるのだが、実名を表示しながら否定的なコメントをまき散らすことを堂々としている人たちが結構いる以上、問題の解決にはならない。
悪意フィルターなんてのがあって、賞賛の声しか書き込めないシステムができると、イエスマンに囲まれる首相みたいなもので、さぞかし気持ちが良いであろう。しかしネガティブな反応は家(ブログ)の外の広場(掲示板など)で燃え上がっている場合もあり、それを見ないで済ませることはなかなか難しい。ブログを書いていながら引きこもりになるというのも困難なワザだ。
ということで、結局不特定多数に独自の見解を明らかにする以上、へこまされるような否定的コメントが来るのは覚悟しなさいというしかない。それが嫌なら、パスワードでも掛けて必要な範囲にしか公開しないとか、そもそも不特定多数人に向けて独自の見解を表明しようとはしないようにするとか、それしかない。
なお、誤解と曲解を避けるために予め付け加えておくと、以上の見解は(当然のことながら)他人の権利を侵害する行為を容認するものではない。悪いことをすれば、刑事的にも民事的にも責任追及されるべきだ。しかしだからといって自由やプライバシーの領域を圧殺するようなことになってしまってはならないし、悪いことをしていないのに責任が課されるのは原則として避けるべきだ。それもまた絶対的な要請ではないので、両者は結局バランスをどこで取るかという問題に帰着する。
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コメント
うまく表現できないのだけれども、パソコン通信の時代から悪意のあるコメントが付く人と、付かない人は厳然と分かれていました。
元記事に悪意あるコメントが付くか否かを考えるときに、元記事を中立的に考える、つまり元記事にはある確率で悪意あるコメントが付くはずだ、と考えるのは間違えではないのか?
もし、元記事の書き方によっては悪意あるコメントが付かないのであれば、悪意あるコメントを避ける書き方があるとなって、問題の深刻度は減少する。
なんてことを感じますねぇ。
投稿: 酔うぞ | 2007/08/29 09:59
患者側の代理人として医療過誤訴訟を提起し、あまつさえ勝訴してしまうっべんごしというのは、ブロガーとしては不適格と言うことになりますでしょうか。
http://machiben-nikki.at.webry.info/200708/article_1.html
むしろ、悪意あるコメントを避ける生き方として、「医療過誤訴訟は受任しない」ということが求められるのかも知れないですね。
投稿: 小倉秀夫 | 2007/08/29 10:49
>悪意あるコメントを避ける生き方として、「医療過誤訴訟は受任しない」ということが求められるのかも知れないですね。
パソコン通信時代に(わたしは機械屋だから)工学について農業などついて扱っているフォーラムに書き込みをしたら「工業は自然を簒奪するだけだ」と自然過激派(?)から猛反発を受けました。
ここらの議論はエンジニアとして引けないところなので、その後はちょっと書き方を変えましたね。
実務については誰も「ここは引けない」という線があるはずで、それはネット上で議論するのは消耗が多いからちょっとは隠した方が楽でしょう。
だからと言って「ネットで叩かれるから、基本方針を変えます」ではそりゃヘンだ。
実務とネットワーカとして情報発信(書き込み)では、書き込みの方が優先度が低くなるのは当然だと思います。
投稿: 酔うぞ | 2007/08/29 11:19
事実や課題の背景や経緯又は専門知識を知らないでも、とおりすがりにコメントをされる方がいます。
的外れな肯定・否定コメントもないではありませんが、ときに示唆に富んでいたり、インスパイアされる部外者通りすがりの方のコメントに接する場合もあります。
炎上や出張放火は好ましいものではありませんが、異業種間や専門外の方との気軽な意見交換の場になり得るというブログの機能は評価していいと思います。
投稿: ハスカップ | 2007/08/29 12:49
ただ、どのような専門をお持ちの方なのかを嘘偽りなく明示して頂けると、異業種間の意見交流はより実りが多くなるかも知れません。
投稿: 小倉秀夫 | 2007/08/29 13:00
結局、現状では、医療過誤訴訟の原告側を引き受ける弁護士は、絶え間ない悪意のコメントに延々と晒される覚悟なしには、ブログなど開設するなというお話しですね。
投稿: 小倉秀夫 | 2007/08/29 13:03
結局、現状では、医療過誤訴訟の原告側を引き受ける
弁護士は、絶え間ない悪意のコメントに延々と晒される覚悟
なしには、ブログなど開設するなというお話しですね。
究極はその通りでしょう。
別に弁護士でなくても専門家の判断が批判されるのは珍しいことではないし
第一どんな世界でも批判から始まって誹謗と感じるようなことが無くなるわけもない
と思ってますから、開設しない、うまくやる、非難されても構わない
など実際の対応策には無限の種類があって、決定的では無いですよね。
価値観の衝突がある限り、その変形としての攻撃は無くならないでしょう。
それだけ、ネットの普及によって個人の発言力が増加したわけだから、
いずれは(というもうそうなっていると思う)落ち着くところに落ち着くと
考えています。
投稿: 酔うぞ | 2007/08/29 14:03
まあ、
「ブログやめますか、医療過誤訴訟やめますか」
「ブログやめますか、刑事弁護やめますか」
という選択を強いていくと、日本のブログ環境はとっても豊かなものになりそうですね。
ブログを含むウェブ領域というのは、他人を誹謗中傷したり、犯罪者仲間を募ったりする人のために明け渡すべきだというお話しですね。
投稿: 小倉秀夫 | 2007/08/29 14:13
>まあ、
>「ブログやめますか、医療過誤訴訟やめますか」
>「ブログやめますか、刑事弁護やめますか」
という選択を強いていくと、日本のブログ環境はとっても豊かなものになりそうですね。
>
>ブログを含むウェブ領域というのは、他人を誹謗中傷したり、犯罪者仲間を募ったりする人のために明け渡すべきだというお話しですね。
こういう極論はナンセンスを超えたノンセンスだと思います。
投稿: 通行人 | 2007/08/29 19:37
>>ブログを含むウェブ領域というのは、他人を誹謗中傷したり、犯罪者仲間を募ったりする人のために明け渡すべきだというお話しですね。
>
>こういう極論はナンセンスを超えたノンセンスだと思います。
ノンセンスではなく小倉先生の単なる(悪意のない)誤読でしょう。
誰もそんな「お話し」を一言もしていないからです。
投稿: ハスカップ | 2007/08/29 21:32
>「ブログやめますか、医療過誤訴訟やめますか」
>「ブログやめますか、刑事弁護やめますか」
>という選択を強いていくと、日本のブログ環境はとっても豊かなものになりそうですね。
いえ豊かになるわけないじゃないですか。
そんな阿呆で無意味な選択肢を提示されて、ほいほい従う馬鹿ばっかりで豊かな環境が出来るなんて何をバカなことを言ってるんですか。豊かになるわけないでしょう。
豊かになるわけないのに、なんで他人を誹謗中傷したり、犯罪者仲間を募ったりする人のために明け渡す必要があるんですが。
小倉さんがそんな状況を「豊か」と思う立場だなんて。貴様、犯罪者サイドの人間だなっ?!(笑)
と、イヤミにマジレス。
何で誰も言わないのに、相手がさもそういう悪いことを考えているかのような、イヤミな印象操作を押し付けるかな?
あまりにも矛盾と言うか唐突が過ぎて、善意に受け取ることが極めて困難と言うか不可能ですね。
と、こういったポイントを逆手に取りますが。
つまりぶっちゃけて言うと、「(町村さんやコメントしている人が、)小倉さんからこういう『悪意あるイヤミ』を言われたくなければブログやめますか」と言うことなのでお互い様ですね。
小倉さん自身が自分でも隠せない悪意を人に向けておいて、盗人猛々しい話です。
人間生きてていやなことなんてどこにでも――このように、"悪意を向けるな"と言う矛盾した悪意も悲しいことに転がっているわけで、
ネットで悪意あるイヤミを小倉さんから言われる人もいれば、
人生でいやみなこと言われて学校や会社に行きたくなくなることもあれば、
裁判所で悪意あるようにしかおもえない殺人犯の弁護士を相手にしなければならなくなる人もいるわけです。
実際のところ、小倉さんが向けているのは悪意のあるイヤミであって、犯罪行為や権利侵害ではないので逮捕していただくわけにも行きません。
犯罪行為や権利侵害でないのなら、我慢するという根性がないと、(ネットに限らず)人生は生きていけないものだということですな。
そういうわけで小倉さんももう少し、根性を着けたほうがいい。
特にイヤミを言わないで我慢する根性は小倉さんには必須です。
まるで2ちゃんねらーの中の下位レベル住民みたいに、煽られたら即噛み付くような性格は直すべき。バカ相手にする分にはいいけど、まじめな人を相手にする気があるなら、煽り耐性とかスルー技能はもっておくにこしたことはない。
おそらくバランス感覚と言うのは、そういう余裕がないと生まれてこないと思います。
投稿: サスケット | 2007/08/29 23:29
>「ブログやめますか、医療過誤訴訟やめますか」
>「ブログやめますか、刑事弁護やめますか」
>という選択を強いていくと、日本のブログ環境はとっても豊かなものになりそうですね。
ん~
これに関して言うなら、仮に小倉先生が代理人依頼を受けて、
裁判で勝訴した医者の被告人(もしくはその友人)の所に患者として行った場合に気持ちよく診察してくれると思いますか?
弁護士が人間であるのと同様に医者も人間ですので同様の扱いを受けると言いたいのですが、医者には弁護士と違って拒否権がありません
以下略
投稿: sakimi | 2007/08/30 00:35
ミンデル風にロールと言っても、MBAが好むようにポジショニングと言ってもいいのですが、これまで専門職は自分たちとそのパワーが、場合によってはひどく嫌われているのだと知る機会が少なく済んできました。
いわば、コンフリクトが存在すること自体に気がつかずに来たわけです。
コミュニケーション文化の変化やブログやインターネットの普及によって、良くも悪くも、コンフリクトに気づかされる機会が増えてきました。
医師や医療機関は、患者側の遠慮や我慢、泣き寝入りによって守られてきた立場が、医療紛争の急増という表現によって隠されてきたものに直面することとなりました。
法曹の場合は被告席に座らせられる機会こそ少なくとも今のところは多くないわけではあるものの、より以上のコンフリクトが表在化する前段階にあるのかも知れません。法曹は自身を巡るコンフリクトの存在に漸く気づかされる時代を迎えていると考えるべきでしょう。
コンフリクトの存在への気づきは、多くの場合、不快感をもたらします。不快だからと言ってコンフリクトから逃げ出すことは今後徐々に難しくなっていきます。
自分のパワーのもたらす意図しない副産物、あるいは負の側面と直面し、これをマネジメントしていくことが法曹に求められはじめているのであって、ブログを巡る現状はそのほんの端緒に過ぎないのではないでしょうか。
投稿: rijin | 2007/08/30 01:55
>コンフリクトの存在への気づきは、多くの場合、不快感をもたらします。不快だからと言ってコンフリクトから逃げ出すことは今後徐々に難しくなっていきます。
不快というよりは、それらが名誉毀損や誹謗中傷などの違法行為であったり道義的に好ましくない行為であったりするから問題なわけで、むしろ「逃げ出」しているのは匿名の陰に隠れてそうした行為を行う卑怯者たちの方ではないでしょうか。
>ブログを含むウェブ領域というのは、他人を誹謗中傷したり、犯罪者仲間を募ったりする人のために明け渡すべきだというお話しですね。
町村さんは「悪いことをすれば、刑事的にも民事的にも責任追及されるべきだ。」とはおっしゃっていますが、実名登録制度やその他何らかのシステム改変を採用せずに一体どのように現状よりも責任追及が容易になるような方法があるというのでしょうか。そのような方法を模索しない内から「問題の解決にはならない。」などと否定なさってしまう態度で臨む限り、「ブログを含むウェブ領域というのは、他人を誹謗中傷したり、犯罪者仲間を募ったりする人のために明け渡すべきだ」と言っているようなものだ、と思われても仕方がないように思うのですが、いかがでしょう。
投稿: 福田 | 2007/08/30 16:57
>「ブログを含むウェブ領域というのは、他人を誹謗中傷したり、犯罪者仲間を募ったりする人のために明け渡すべきだ」と言っているようなものだ、と思われても仕方がないように思うのですが
それはモロに誤読だと思います。ご検討ください。
投稿: ハスカップ | 2007/08/30 17:15
> 不快というよりは、それらが名誉毀損や誹謗中傷などの違法行為であったり道義的に好ましくない行為であったりするから問題なわけで、…
そういうお話は別の方とやっていただけませんか。
甚だしく見当違いです。
投稿: rijin | 2007/08/30 17:18