弁護士費用の敗訴者負担・アメリカの例
CNET Japan:米地裁、RIAAに対し訴訟相手の弁護士費用支払い命じる
アメリカでは、基本的に弁護士費用は各自負担だが、特別の場合にはそのShiftを裁判所が命じる。
その一例であり、全米レコード協会が一般の個人を著作権侵害で提訴し、敗訴した場合に、その個人が負担した弁護士費用を原告だった全米レコード協会が負担させられたのは初めてということである。
レコード業界対国民というブログでは、こうしたあたりの事情が継続的に取り上げられている。
日本では、弁護士費用の敗訴者負担が立法化されようとして、これは弱者の裁判へのアクセスを阻害するとの理由で大反対にあった。
確かに一般的な敗訴者負担制度は、一般の個人、消費者などに敗訴リスクを高めて、訴訟を通じた権利の実現を阻害するというリスクがあった。
しかしアメリカのような片面的敗訴者負担制度は、そうしたおそれがなく、かえって不当な訴えにさらされた個人、あるいは不当に争う被告に長期間の訴訟追行を余儀なくされた個人にとって、権利の実現を十分保障するものなのである。
片面的敗訴者負担制度をもう一度真剣に考えてみるべきである。
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