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2007/07/31

jugement:ドクターハラスメントが問題となった事例

東京地判平成19年7月12日PDF全文

足の指を切断する手術をしなければならなくなった患者に対し、その説明の際、「身体髪膚父母にこれを授く。」などと話したりしたことがドクターハラスメントであるとして、損害賠償を求めた事例(治療の過失に関する争点は省略)

裁判所は、上記発言が「翌日に足指切断の手術を控えていた患者にとっては,親不孝であるという非難の趣旨の言葉と受け取れるものである」としつつも、「被告Eは,それまで長年にわたりFの糖尿病に対する診療を担当してきた内科の部長として,また,自らも長年にわたりFの糖尿病に対する診療を直接担当してきた医師として,血糖コントロールの改善のための担当医師の指示を十分には守ってこれなかったFに対し,今後の糖尿病の治療への適切な対応を促すべく,これ以上自分の身体を傷つけないよう治療に真摯に取り組んでいきましょうという趣旨で,そのような文脈の中において上記発言をした」と認定した。
結論として、「上記発言は,翌日に足指切断の手術を控えていた患者に対する発言としては配慮を欠いた不適切なものではあるが,患者としての受忍限度を超える違法なものとまではいえない」とした。

セクハラ・アカハラは珍しくもなくなってしまったが、医療者の発言自体が違法かどうか争われた事例というのは、珍しいのではないだろうか?

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法律・裁判」カテゴリの記事

コメント

Matimlogのこの記事を拝見したのが昨夜、父の病室でした。

同じ病いで、足の手術を受けている父。
幸い悪い部分だけを取るだけで、欠損には至りませんでした。

うーん、この医師の言葉は本人だけでなく、身内にとってもキツイですね。主治医だからこそ言って欲しくなかったんでは?と思います。

ドクハラでしょう。

アカハラ、セクハラ以上に表に出にくい問題が、医師によるハラスメント&司法関係者によるハラスメントではないですか?

投稿: ben_kowa | 2007/08/01 19:00

 もっと表に出にくいのは、ペイシェントハラスメントですよ。患者や家族は、病院職員に対して、言いたい放題です。物理力を行使したら、さすがに警察沙汰になりますが、言葉だけなら、まず絶対に病院側は患者に法的手段は取りません。
 しかし、だからといって、病院職員に精神的ダメージがないわけではないのです。あまりにいじめられると、退職や休職せざるをえなくなります。それでも、特定患者を訴えることはありません。

投稿: Inoue | 2007/08/02 13:23

inoueさん、
ペイシェントハラスメントですか。
聞いたことも無いですね。(私だけかも)

ハラスメントが起こりうる場面として、“力関係の有無”があるように思います。アカハラなんか分かりやすいですね。そういう意味では、
医療関係者(プロ集団)>患者(素人)という関係下でハラスメントが起こりうる可能性の方が大ではないですか?

inoueさんがおっしゃる、患者が病院職員に対して行なうハラスメントとはどういったものでしょう。

投稿: ben_kowa | 2007/08/02 21:19

お医者さんたちの受難
http://tyama7.blog.ocn.ne.jp/obgyn/2007/07/__afb5.html

 失礼ですが、ben_kowaさんは、一度でも接客業的な仕事をなさったことがありますか?コンビニ店員や牛丼屋程度でいい。
 半日の店番していれば、どれだけ顧客が我がままで図々しいかすぐにわかりますよ。

投稿: Inoue | 2007/08/03 06:13

inoueさん、接客業ですか?ありますよ。で、「そんな無茶な!」という人確かにいますが、イコールお客によるセクハラだ、と感じたことはありません。私が単に運が良かっただけかもしれませんが。
私のコメントを読まれて即接客業で働いたことのない人…と判断されたんですか?ちょっと嫌な感じですねぇ。

投稿: ben_kowa | 2007/08/03 12:46

 マスコミで報道されるハラスメントがあれば、その逆の関係も考えてほしいんですよ。
 アカハラなんて言いますけど、傍若無人な学生たちに、教員がどれだけ悩まされているか考えたことがありますか?小中学校の生徒たちのために精神障害を負ってしまって、休職や退職せざるをえなくなる教師たちのことは?
 医療も同じであって、医師が強者で患者が弱者とは限らないんです。「弱者」という特権をかさにきて、やりたい放題やっているという現実もあるんです。

投稿: Inoue | 2007/08/03 14:50

女の医者にされました
まず無視、治療もおざなりにして門前払い
助言も無いどころか、本当かどうか徹底的に人の事を面白おかしく聞きまくる

投稿: b | 2008/04/07 00:32

ben_kowaさん

 この医師の発言は大賛成です。病気と言うのは病人本人が直すのが自然で、医師や薬はそれを助けるだけです。

 それを、長い年月にわたって医師の助言を無視して身勝手・放縦な生活を送ってきて病気を悪化させ、手術となったバカな患者に対して、主治医としては言わずにはおれなかったのでしょう。ドクハラなどとはとんでもない事です。すばらしいお医者様です。

 こう言うロクデナシの患者が大勢居るために、使わなくてもいい治療費を健康保険から無駄に支出させる事になります。私のように常日頃健康に注意し、病気になったら医師の指示する治療方針を吟味しつつ厳守するようにしている者にとっては、いい迷惑です。

 きつい言い方になりますが、喫煙者・暴飲暴食者、その他、病気を誘発するような日常生活を送っている手合いや、病気になっても医師の指示を守らない輩などはさっさとこの世からおさらばしてくれたほうが世のため人の為でしょう。

投稿: 福田恒存をやっつける会会長 | 2008/04/07 16:37

医師擁護のinoueさんと患者側のben_kowaさんのやりあいに関して。

大学教員・生徒間のセクハラ・アカハラの検索から辿りついた者です。教育現場では現在、これらを厳しく規制する流れがあります。理由は両者には力の差があること、更に教育を公的な場とみなす考えがあります。

医療は公的扶助を前提としており、医療保険を前提としている場合「公的」とみなされると思います。(自由診療であれば別かもしれません)医師と患者は疾病に対するアプローチに関しては発言に力の差が存在します。「医師の指示を守らない輩」という前出の発言を読めば明らかです。

私はアカデミズムの場においての「セクハラ」「パワハラ」の流れに関心がある大学関係者で、医療には中立の立場ですが、従来の医療的関係も見直されるべき時期を迎えているのではないでしょうか。

投稿: quest | 2010/10/29 19:41

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