leakage:確かに臭い物に蓋はよくない
一つ前のエントリに付けられたコメントの数々を読んで、やはりあまりに中途半端で逃げ腰な姿勢が透けて見えたのだろうと反省。
一般の企業不祥事であれば、例えば従業員が談合をやって不正利益をむさぼっているということが報じられ、公取の調査が始まったというときに、疑惑の企業が決まって口にする言葉を思い出すと、「談合はなかったと確信している。職員の行為に会社としては関与していない。世間をお騒がせしたことは申し訳ない」というのが多い。
そう言う目で今回の慶應大学のコメントを見ると、やはり責任回避的態度を感じさせるものがある。
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慶応大の話「練習会は私的なもので大学は関与していない。(メールについては)採点基準が漏れるなど守秘義務違反の可能性があり、大学として関与していないとはいえ社会を騒がせ申し訳ない」
---Yahoo!出題担当の慶大教授、勉強会で類似の問題説明より
この記事でも、慶應大学が自ら調査を行っていることがうかがわれるが、せめて疑惑の答練の具体的内容や実施方法、疑惑のメールの具体的内容を明らかにして、何が行われたのかを慶應大学自身の手によって公表すべきであろう。
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コメント
全くもって同感です。
教員によって大学(ロー)構内で行われる学生に対する指導については、いかなるものでも、また、公式であろうがなかろうが、大学側にその管理義務なるものが課されていると思います。
「まったくもって知らなかった」では済まされません。
今回の慶應の初期対応は、あまりに無責任かつ杜撰としか言いようがありません。
そもそも、新司問題作成後に、それに関与した試験委員が、自ら作成した問題で模擬試験を、敢行し、そして、あろうことか添削をしよう、ということ自体が、倫理的に許されることではありません(その論点が頻出かどうかだとか、ユニークかどうかだとかは、その責任の度合いを量る上で一切考慮不要でしょう。)。
今後何らかの形で、この点について法令整備なりガイドライン作成なりすべきでしょう。
本来ならばこの国の法のあり方や規範意識を啓蒙すべき法学学者が、このような見え過ぎた結果重視の点数稼ぎをなした暴挙を、絶対に許してはならないと思います。
投稿: しん | 2007/06/24 04:36