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2007/05/15

JP-DRPの改訂

ドメインネーム紛争処理方針が改訂されようとしている。
JPNICのリリースページ参照。

すでに改訂案は公開され、パブリックコメントも済ませ、改訂が確定した。施行は6月1日からである。

ポイントはドメイン名登録が取り消されるべき要件がすべて申立人の立証責任に課されることを明確にした点だ。
すなわち、今までドメイン名の移転・取消の裁定を求める申立人は、(1)ドメイン名と自己の商標等との類似性、(2)登録者がドメイン名に正当な権利又は利益がないこと、(3)登録者の不正な目的での登録又は使用という3要件を「主張」すればよいということになっていた。
そして(3)については、一定の事実があれば、その事実の証明がなされたものとする規定があった。(1)は当然ドメイン名と類似する商標等の権利者が立証すべきことである。
これに対して(2)は、逆に登録者の側で一定の事実を答弁書で証明するべきことが規定されていた。
これらを素直にみれば、申立人は上記(1)(2)(3)についてそれぞれ主張する責任を負い、(1)と(3)は証明責任も負うけれども、(2)は登録者の側が証明責任を負うと解することができた。

ところが改定案は、申立人がこの3つを「立証」しなければならないと明記したのだ。

改訂の責任者の説明によると、改訂の目的は規定の趣旨を明確化することで変更することではないとのことであり、以前から3要件は申立人側が立証責任を負っていたのに、パネリストがばらばらな判断をしていたから、その統一を図るということだ。

ただ、その傍らで、今回の改訂が申立人の過剰な証拠提出を押さえることにもあるという。規定の趣旨を明確化し、争点となる部分を絞り込めば、提出を必要とする証拠量も少なくなるだろうという読みだ。
しかし、そもそも登録者側の事情までも証明責任を申立人側に負わし、登録者の答弁書に対して再反論の機会を与えない手続構造をそのままにすれば、最初の申立て時に出せる資料は何でも出しておくという行動に出ることは火を見るより明らかだと思うのだが。

ちなみに、(2)が申立人側の証明責任になるということの不都合は改訂チームの側でも認識しており、ガイドラインなどで申立人のなすべき証明の程度を明らかにするという。一種の法定証拠法則というか、プリマ・ファシー・ケースを明確にして、事実上の証明責任の転換を図るということなのであろう。
そうするのなら、申立人に過剰な負担を強いることにもならず、使いやすい制度となるかもしれない。

ますます申立人に有利な制度となっていくかもしれないが。

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