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2007/05/28

funsub日本アニメはこうして見られる

井上泰浩「Web2.0時代、アニメは国際流通から世界共有へ----テレビ、そしてYouTube、ファンサブ」情報通信学会誌83号35頁以下

アメリカでは、日本のアニメがテレビで放送されると、これにファンが自分たちで字幕を付けたものを共有サイトに載せ、 みんなでダウンロードしている。
YouTubeのようなストリーミングではなく、ダウンロードである。

これはアメリカでの放送権が確立されるまでのつなぎとして行われ、いわばDVDの回し見を友達の間でしているに過ぎないということで、合法だと利用者は考えている。

このファンサブのメリットは大きい。
オリジナルがそのまま字幕つきで共有されるので、テレビ局がよくやるカットとか、でたらめの吹き替えでイメージを損なうとか、放映されるまでの時間的落差とか、また字幕もテレビ局のものより品質がいいということで支持されている。

日本で放映されてから数時間、または1週間以内というタイムラグで英語字幕つきオリジナルがネットで共有できるというものである。

これは非合法かといわれれば、みんな非合法だろうと考えているが、必要なものかといわれれば、必要だ、なくすべきでない、と考えている。

これを紹介している井上泰浩・広島市立大学教授は「国際流通から世界共有への転換である」と結んでいる。

さて、日本であれば、これは非合法だし、そのことは認識可能であろうから、直ちに削除しなければ刑事罰を科されても文句は言えない。いや、実は削除しても、それで罪が消えるわけではないのだが。
プロバイダもこの種のファイルが載っていることを指摘されただけで、直ちに削除しなければ刑事罰を科されても文句が言えないと、そういう社会になろうとしている。しかも正犯扱いされるということなら、他人のUPしたファンサブについて、認識可能だという認定を警察がすれば、捜査対象にされてしまうおそれがあるのだ。

そういうわけで、日本のアニメファンもわざわざ外国のファンサブでアップされたものを日本で見て楽しむということになっている。

ちなみに、上記論文で井上教授は、ファンサブが利用者のみならず、コンテンツ販売者の利益ともなっていること、日本アニメの流通が十分でない地方・国においては日本アニメの普及に不可欠であることを指摘している。
これらのファンサブをつぶすことで、日本アニメの流通を狭めることが得策なのかどうか、考えてみるとよいと思うのだ。

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コメント

なんでわざわざ、中国語系や英語系の字幕付を使用しているんだろう、と思ったらそういうルートでしたか…。

どこかのblogでドラゴンボールのアメリカ版主題歌は最低、日本版(オリジナル)が最高、と言う話がありましたが、儲けに結びついたんだろうか。

投稿: サスケット | 2007/05/28 22:41

 画像掲示板をつぶすことで、DVDやPPVの売り上げが伸びて、製作者が儲かるならいいんですが、そんなことはありえないです。
 単に不便になるだけ。
 コミックスの立ち読みと同じなんですよ。パックして立ち読みを禁止したからって購入者が増えるわけじゃない、新規読者の開拓ができなくなって、マンガ市場の発展を阻害する。
 本屋にとっては、商品の管理が楽になるのでいいでしょうが(立ち読みは本が傷む)、客にとっては見ず知らずの著者の本は買いにくくなる。

投稿: Inoue | 2007/05/29 08:03

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