news:BBSの中傷を放置したとして書類送検
記事によると、 「学校裏サイト」と呼ばれる掲示板に書き込まれた女子中学生への中傷を削除せず放置したとして、掲示板管理の大阪市の20代の男が、名誉棄損ほう助の疑いで書類送検されたということである。
奥村先生にいわせれば、児童ポルノ案件では正犯扱いということだが、それはともかく、掲示板管理者が犯罪行為となる書き込みを知りながら放置していたということでどんどん立件されるようになれば、被害者救済には極めて大きく働くと同時に、BBSの自由は極めて大きく損なわれるだろう。
この件がどのような事情であったのか、記事の内容(男は昨年8月、掲示板上に大阪市内の女子中学生=当時(13)=を実名で中傷する書き込みがあるのを知りながら、削除などせずに放置した疑い。)だけからは全く分からないが、書き込みの内容や「被害者」の属性、そして掲示板管理者の認識の程度、書き込みの反復度合い等(他にも色々あるだろうが)、様々な観点から幇助が成立する場合を絞り込んで明確化していく必要がある。
そうでないと、過剰防衛的削除がはびこるし、そもそも掲示板を開設するということ自体にも萎縮効果が生じてしまう。
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コメント
「児童ポルノ案件」も名誉毀損でも、信用毀損でも、著作権法違反でも、公選法違反でも、正犯か幇助か。作為犯か不作為犯かという刑法上の理屈は同じなんですけど、児童ポルノだと間違いなく悪質で、名誉毀損だと必ずしもそうは思わないですか?
投稿: 奥村(大阪弁護士会) | 2007/04/27 17:05
質問ですが、その場合に親告罪であるかどうかは関係ないのでしょうか。
投稿: mohno | 2007/04/27 19:27
失礼しました。
この件は「通知したのに削除してくれなかった」という話なのですね。
投稿: mohno | 2007/04/28 01:31
>実名で中傷する書き込みがあるのを知りながら、
>削除などせずに放置した疑い。
検察側は「管理者(被告)が知っていた」ことを立証することになりますね。
管理者側としては「書き込みの事実は知っていたが、実在の被害者の存在は承知していない」のが多いわけです。
つまり被害者が管理者に「わたしは間違えなく被害者です」と申し出ないと分からないという当たり前の話なのですが、コレ実はほとんど実績がない。
簡単に言えば警察に「わたしは被害者です」と名乗り出るのと全く同じ内容を管理者に伝えているのか?です。
管理者に「なんか証拠を下さい」と言われるとそれだけで「削除しない」となってしまうわけですね。
ここらはプロバイダ責任制限法の免責とどういう関係なるのかな?と思うのですが、検察はプロバイダ責任制限法は無視という姿勢ですからねぇ。
投稿: 酔うぞ | 2007/04/29 10:03
この管理人は、報道を見る限り、多段階のプロクシを活用するなどして、自分の匿名性を高度に守っていたようですから、学校側からの削除依頼があっても「被害者の実在性を認識していないから、責任なし」ということがいえるのだとすると、一般人をつるし上げるのに使う分には、全く削除する必要はなくなりそうですね。
かくてネットは、特定人に対する誹謗中傷はやりたい放題、まさに卑怯者たちのパラダイス、パラダイスの実現に貢献したispや掲示板管理人はアクセス数の大幅な向上でがっぽがっぽと儲け、被害者は出口の見えない誹謗中傷の連続に耐えかねて精神を害するか命を絶ちきるかというところに追い込まれていくわけですね。
投稿: 小倉秀夫 | 2007/04/29 10:31
先生、匿名性を高度に守っていたということと、その後の部分の指摘とは全く関係がないように見えますが。
投稿: 町村 | 2007/04/29 14:48
管理人の匿名性が高度に守られている場合、被害者の実在性をどうやって管理人に示すことができるのでしょう?
管理人がどこの誰かがわかっていれば、被害者とともに管理人の自宅に行くことも可能ですが。
投稿: 小倉秀夫 | 2007/04/29 19:43
しかし酔うぞさんがいうのは、被害者が管理者に「わたしは間違えなく被害者です」と申し出ないことが問題なのであって、何も本人と会わなければ実在を認めないと言っているわけではないのです。
この事件では、少なくとも掲示板管理者と被害者とは連絡しあっていたようですから、それで実際に被害者だとは認めないというのであれば、問題ある対応なのでしょう。でもそのことと匿名性を追求していたこととは無関係です。
投稿: 町村 | 2007/04/29 22:27
あら、盛り上がってる(^_^)
管理人の匿名性が高度に守られている場合、
被害者の実在性をどうやって
管理人に示すことができるのでしょう?
これは一般的には「管理人に連絡が付かない」という場合ですよね?
メールでは連絡できるけど郵便は届かない、という場合は「高度に匿名」なのかな?
というより、ここはその時々の必要に応じた連絡手段が有効に機能するかどうかの問題でしょう。
わたしは、ウェディング問題の時にはウェディング社とかなり突っ込んだ本音の話をしました。
会社の側の主張は「匿名(ハンドル)の人物とは不気味だから交渉できない」ということだったのですね。
この主張自体は社会的マナーとして了解できるから「顔も合わせたことだし、交渉しましょう」どいう展開になりました。
これはひとえにウェディング社が出向いてくれたから成立したことで、この段階で「会うことはない訴訟だ」では交渉を吹っ飛ばして訴訟続行もあり得たことです。
つまり、被害者側とサイト側が交渉で来ているのか?は全く別の問題として評価しないといけない。
コレこそが「プロセスが重要」の肝心な部分です。
匿名性に高度に守られている、つまり交渉できない管理者にどう被害を示すのか?
という問題は、全く立場を逆にして
全く説明をせずに削除要求だけしてくる事象被害者をどうやって確認するのですか?
と鏡対象になってしまいます。
片方だけが無繆であるとすると現実離れしたことになってしまいますよ。
交渉過程を明らかにして、どっちにどれほどの問題があるのか?を知ることはどう交渉するべきなのかという今後の課題として極めて重大だと考えています。
投稿: 酔うぞ | 2007/04/30 00:47
第三者の権利を侵害すると疑う合理的な理由のある特定電気通信が自己の提供する特定電気通信設備を介して流布されていることを知ったら、特定電気通信役務提供者はこれに対し速やかに送信防止措置等を講じなければ、プロバイダ責任制限法3条1項の免責を受けられないわけで、そのような特定電気通信がなされていることを告知したのが被害者自身であるのかは関係がありません。
だから学校側からの削除要求を受けたときに、特定の児童が実名とともに「ブス」等と罵られていることを知ったわけですから、本来はそこで送信防止措置を講ずるべきだったわけです。しかし、酔うぞさんのように、当該児童の実在性の認識を要求して、その段階での削除義務を認めない場合、学校側としては、当該児童画素の学校の生徒として実在することを確実に示す文書のコピーをどこの誰であるのかわからない管理人に添付ファイル等で提供するしかないですが、それはそれで問題が起こりそうです。
町村さんや酔うぞさんとしては、自分のところの生徒がネット上で誹謗中傷されていることを学校関係者が知った場合、見て見ぬふりをして放置しておけばよいとのお考えなのでしょうか。まあ、それを苦にして生徒が自殺したりしたとしても「学校外のこと」が原因だから関係ないよと言ったことで済ませておくべきなのでしょうか。
投稿: 小倉秀夫 | 2007/04/30 10:56
確かに、サイバーいじめのための場を提供することが法律によって守られるのであれば、ネット事業者としては、一儲けするネタが増えて「しめしめ」といったところでしょうね。
投稿: 小倉秀夫 | 2007/04/30 10:58
掲示板管理者としては、小倉さんが前段で言うように、誹謗中傷が行われたことを認知したなら、特段被害者からの告知を待つまでもなく、削除するなりなんなり、適切な対処をしないとイケナイわけです。
そういうわけで書きますけど、質問文の形をとれば誹謗中傷にならないというわけではありませんので、警告しておきましょう。
小倉さん、人に「自分のところの生徒がネット上で誹謗中傷されていることを学校関係者が知った場合、見て見ぬふりをして放置しておけばよいとのお考え」であるかのような書き込みは、他人のブログでも自分のブログでもお控え下さい。
「まあ、それを苦にして生徒が自殺したりしたとしても「学校外のこと」が原因だから関係ないよと言ったことで済ませておくべきなのでしょうか。」
こちらの書き込みも同様です。
さらに
「サイバーいじめのための場を提供することが法律によって守られるのであれば、ネット事業者としては、一儲けするネタが増えて「しめしめ」といったところでしょうね。」
というのは、ネット事業者に対する嫌み・あてこすりに満ちた言い方ですね。人ごとながら、ネット事業者の皆さんが反論するのも馬鹿馬鹿しいが、反論しないと認めたことになるのではないか、そのように言いふらされたらどうしようと思って、実にいやーな気分になる書き込みであることを指摘しておきます。
削除してあげましょうか?
投稿: 町村 | 2007/04/30 11:13
また、例に拠って極端に捩じ曲げてますねぇ(溜息
投稿: 失礼します(SRSM) | 2007/04/30 11:14
ついでに、実在性を要求して対応しないことの問題と、管理者が匿名性を追求していることとは関係ないと言うことは納得されたようですね。
投稿: 町村 | 2007/04/30 11:14
ぁあ、町村先生の御指摘の後になっちゃった・・・。
自分の書き込み(2007/04/30 11:14)は
小倉先生の書き込み群への単なる感想です。
失礼しました。
投稿: 失礼します(SRSM) | 2007/04/30 11:17
私の発言を誹謗中傷として削除しておきながら、私に対する当て擦り発言を町村先生が一貫して削除されないとすれば、町村先生は私に対する個人攻撃については積極的に容認されていると受け取ることができますが、そのような理解でよろしいのでしょうか?
なお、酔うぞさんや町村先生のご発言からは、「被害者」ではない学校関係者からの削除要求を受けても、掲示板管理者は、生徒の実名を上げての誹謗中傷発言を削除する義務を負わないかのように読めますので、そう質問しただけですが、それが誹謗中傷ですか。
で、町村先生としては、どこの誰であるのかわからない管理人に対して、学校関係者は、どのようにして被害児童の実在性を証明すべきだとお考えなのですか?それを示さなければ、「実在性を要求して対応しないことの問題と、管理者が匿名性を追求していることとは関係ないと言うこと」を納得のしようもないと思うのですが。学校関係者としては、どこの誰ともわからない掲示板管理人に対し、学校が保管しているその生徒に関する個人情報ファイルの写しを添付ファイルにしてメールで送るべきだったのでしょうか?そのようなことは現実問題として無理でしょう?「その生徒に実在性が証明されなければ掲示板管理者は生徒に実名をあげての誹謗中傷発言を認識しても削除する必要がない」ということを認めてしまうと、掲示板管理者がどこの誰であるのかを知り得ない場合、(そのような者にその生徒の実在性を証明するような情報を提供することのリスクを考えると)削除要求は危なくてできないということになりますね。
町村先生の場合、上記エントリーで「掲示板管理者が犯罪行為となる書き込みを知りながら放置していたということでどんどん立件されるようになれば、被害者救済には極めて大きく働くと同時に、BBSの自由は極めて大きく損なわれるだろう。」と仰っているわけですから、「BBSの自由」の中には「犯罪行為となる書き込みを知りながら放置する自由」も含まれているとお考えだと認識したとして、何か不思議ですか?
投稿: 小倉秀夫 | 2007/04/30 12:35
「がっぽがっぽ」とか、主観的で下品だからでは。
投稿: ak | 2007/04/30 12:49
>町村先生の場合、上記エントリーで「掲示板管理者が犯罪行為となる書き込みを知りながら放置していたということでどんどん立件されるようになれば、被害者救済には極めて大きく働くと同時に、BBSの自由は極めて大きく損なわれるだろう。」と仰っているわけですから、「BBSの自由」の中には「犯罪行為となる書き込みを知りながら放置する自由」も含まれているとお考えだと認識したとして、何か不思議ですか?
失礼ながら、不思議ではないですが、誤読か牽強付会か論理の飛躍(ロジックミス)の可能性が否定できないと思います。
「規制や取締りを強化すれば委縮効で自由権の行使が抑制される」という認識は、憲法の人権規制(公共の福祉)の項目で法学部(早稲田なら1年生)で習うので、法曹や法学者なら誰もが知っている認識だからです。
投稿: ハスカップ | 2007/04/30 13:08
>私に対する当て擦り発言を町村先生が一貫して削除されないとすれば
そもそもそれは当て擦り発言ではなくて対抗言論や反論に過ぎないからでしょう。
投稿: ハスカップ | 2007/04/30 13:15
小倉先生、誰の何の発言が「小倉先生に対する当て擦り」なのか?
「町村先生が一貫して削除されない」とまでおっしゃるのですから、どの発言なのか具体的に示せますよね?
ぁあ、もし仮に先の私の発言(2007/04/30 11:14や2007/04/30 11:17)が
小倉先生に対する当て擦り発言だ(あるいは含まれる)という小倉先生の御主張でしたら、
そうだと具体的に御指摘下されば良いではないですか。
御自分の所にエントリ書くより早いんじゃないのかなぁ?
投稿: 失礼します(SRSM) | 2007/04/30 16:09
「酔うぞさんや町村先生のご発言からは、「被害者」ではない学校関係者からの削除要求を受けても、掲示板管理者は、生徒の実名を上げての誹謗中傷発言を削除する義務を負わないかのように読めます」
どうしてそう読めますか?
被害者が名乗り出たのかどうか管理者が分からない場合があるというのは、酔うぞさんの指摘で、しかも酔うぞさんだって、だから管理者が削除しなくて良いとは言っていません。私に至っては、その点を今回のエントリの事件と結びつけて、管理者が削除義務を負わない理由にしたコメントは全くないのですけど。
そういうわけで、その後の、どうやって実在性を証明すればよいと考えるかと言われても、削除義務を現実化するのに被害者からの申告を必須とするかどうかはケースにより様々でしょうとしか答えようがないですね。
しかし話は変わりますが、小倉先生も、どこの誰とも分からない人に個人情報を開示することは一般的に危険で、危なくてできないということはお認めになるんですね。
するとやはり、どこの誰とも分からない不特定多数人に自分の個人情報を明らかにした実名ブログみたいなのを公開するのは、危険を覚悟での自己責任であって、一般には匿名ブログの方が良いと言うことになりますね。
もっともせっかく匿名にして勤務先も伏せてあるのに、平然と暴露する人もいますから、もっときちんと匿名にしないとイケナイということになりますが。
投稿: 町村 | 2007/04/30 16:48
>小倉先生も、どこの誰とも分からない人に個人情報を開示することは一般的に危険で、危なくてできないということはお認めになるんですね。
私もこの点だけは小倉先生に確認をとりたいと思います。
>もっともせっかく匿名にして勤務先も伏せてあるのに、平然と暴露する人もいますから、もっときちんと匿名にしないとイケナイということになりますが。
そしてこの点も、できれば小倉先生のご見解を示していただきたい。
独自ドメインの登録情報から匿名ブログ開設者の実名や電話番号まで暴くのを許容するのか否かについても、小倉先生の弁護士としての法的見解を確認したいと思います。
投稿: ハスカップ | 2007/04/30 17:25
> 町村先生の場合、上記エントリーで「掲示板管理者が犯罪行為となる書き込みを知りながら放置していたということでどんどん立件されるようになれば、被害者救済には極めて大きく働くと同時に、BBSの自由は極めて大きく損なわれるだろう。」と仰っているわけですから、「BBSの自由」の中には「犯罪行為となる書き込みを知りながら放置する自由」も含まれているとお考えだと認識したとして、何か不思議ですか?
とても不思議です。
悪いほうを強調しすぎです。
「犯罪を放置する自由」を推奨しているのではなく、「犯罪を放置しない代わりに自由を損なわなうことに対する懸念」なのですから、バランスをとって「犯罪を放置せず、自由も損なわれない」という方向に持っていくのが最良です。
「両立するのが難しい」という反対意見ならまだしも納得がいくところですが、
「あなたは悪い方向を認めている」というネガティブな決め付けによる印象操作は、小倉さんが毎回毎回やっていてイエローカードをもらいすぎているので、「そろそろレッドカードに変化するよ」ということなのでしょう(笑)
なにゆえまっとうな反対意見ではなく、(誰も言っていないことの)ネガティブな決め付けに持っていくのかわからないんですが。
頭を使って理論を組み立てるのではなく、相手を貶める方向にもっていって「そんなこといってない」と反論され揉める手段を選ぶ。
とても不思議です。そこが不思議です。
投稿: サスケット | 2007/04/30 23:56
(リンク先の記事には書いてないのですが)新聞記事には削除してくれと通知したのに削除してくれなかったとあります。参加者の投稿を、管理者が「すべてチェックしなくても」「通知された後に対応する」ことで責任を負わなくても済むようにしたのがプロバイダ責任限定法ですよね。この掲示板の管理者は通知を受けた時点で書き込みが適切かどうか判断する機会があったのに、それを放置した(犯罪にあたらないと許容した)のですから、プロバイダ責任限定法で保護してもらえる機会を失ってしまったというだけではないでしょうか。
この管理者は、指摘された投稿が「誹謗中傷にあたらない(対抗言論や反論に過ぎない)と判断した」と主張できるかもしれませんが、「被害者の実在性に疑問があった」という主張するのは的はずれではないでしょうか。
掲示板運営経験者という立場でいえば、本文のエントリにある
> 犯罪行為となる書き込みを知りながら放置していたということでどんどん立件される
ことになっても、犯罪行為となる書き込みを知りながら放置しなければよい話なので何も委縮しません。
投稿: mohno | 2007/05/01 09:19
このニュースの事件については、適切な捜査立件がなされたと評価できるものだったかもしれません。
しかしまず、プロバイダ責任制限法は刑事には適用がないので、通知の機会があるとは限りません。もちろん犯罪行為となる情報を知っていないと話になりませんが。
第二に、犯罪行為であることを知っていたと言うことの意味にもよります。犯罪行為となる情報には、悪質で誰が見てもだめだろと評価できるものから、被害者は怒っているいるけど犯罪とはいえないもの、あるいは犯罪行為に形式的には該当しても、実際には問題にされない(けどオウムのように別件には使う)ものまで様々ですし、法律家だってその境界を見極めることはできません。
そうすると、どうしてもやばそうなものは消しておけ、という対応になりがちです。
ポルノのケースなら、それでもいいかなという気もしますが、要するに現状のmixiがその世界です。
これに対して名誉毀損とか侮辱というのは、相手方の被害感情と犯罪成立要件・免責要件の微妙さ、いちゃもんつけられた側の逆ギレなど様々なケースがあり得ますから、被害者が犯罪行為だと言っても本当にそうかどうか、微妙ですし、被害者の社会的評価は低下するかもしれないけど削除すべきものかどうか分からない場合も沢山あります。
情報が被害者の通知に限られている段階では、判断しようがない場合が大半かもしれません。
中学生がいじめられている場合は明確かも知れませんが、実は被害者が一番のいじめっ子だったと言うことだって考えられないではないし、70過ぎのおじいさんがいじめられていると言う場合かと思ったら、武富士会長だったなんてこともあり得ることです。
そういうときに、後から「犯罪行為となる書き込みを知りながら放置した」という廉でどんどん逮捕されると言うことになると、ますますもってやばそうなものは消しておかねば、クレームが付いたものはとりあえず危ないから消しておかねば、ということになりやすいです。
これが萎縮です。
グーグル八分の世界は、一部、それに似ているかもしれません。
投稿: 町村 | 2007/05/01 10:03
内容にもよりますが、誹謗・中傷が問題になる場合、「犯罪になるかならないか」を的確に判断するのは簡単なことではありません。そういった判断が容易であるという一種の幻想を前提に、「犯罪が成立していれば対応すれば良い」と、単純に割り切れないところに、この問題の現実的な難しさがあると思います。そして、そういったグレーなところに(特に掲示板運営者のような立場の者に対し)、捜査が介入し、どんどん立件されるということになれば、「萎縮」も含め、いろいろな問題が発生するでしょう。
私のところにも、かつて、ある高名な方(言えばすぐにわかる方)が、あるエントリーについて、自分は警察関係者を沢山知っている、などと、脅しめいたことを書き連ねて苦情を言ってきたことがあり、一蹴してそれで終わりましたが、それは、私だからできた、という面があり、捜査の介入、立件ということが方々で進めば、普通の掲示板運営者等は、かなり萎縮せざるを得ないでしょう。誹謗中傷される被害者を放置して良いとは思いませんが、何が誹謗中傷か、という問題も、避けては通れないことを忘れるべきではありません。
言葉遊びや詭弁で済む問題ではない、という、ごく常識的な問題意識を持つ必要性を感じます。
投稿: yjochi | 2007/05/01 11:02
> やばそうなものは消しておけ
私の近くにも、過剰に(←私見^_^;)そういう方針の部門はあるのですが、管理者(とくに企業)が投稿内容に責任が負えないと思ったら、安全策のために消すのはしかたがないのでは? 法律家ですら境界を見極められないものを、法律家でない運営者が境界を見極めるのは難しいでしょう。あまりに過剰な“検閲”が行われているようなら、参加者が逃げていくかもしれません。
一般論として、通知を受けてないものにまで管理責任を負わすべきではないと思いますが、通知を受けたら、その投稿が適正かどうか判断する責任を管理者が負うのは当然ではないでしょうか。たとえば匿名での誹謗中傷の責任を(削除権限を持つ)管理者が負わなくてよいとすることは、善良な参加者が意見を発する気持ちを“萎縮”させるのではありませんか? 武富士会長なら誹謗中傷してよいというわけじゃないですよね。
今回の件については、新聞記事を読む限り掲示板管理者が責任をまっとうしたようには見えませんから、これを取り上げて「委縮効果」の例とするのは不適切だと思います。なんと言いますか、“捕まって当然でしょ”という話を拡大解釈して、国家権力の横暴の“兆し”のようにもっていくのは、委縮しなくて済む人たちを萎縮させてしまうように思うのですけどね。
投稿: mohno | 2007/05/01 12:08
> 自分は警察関係者を沢山知っている、などと、脅しめいたこと
という話は、おそらく掲示板に限らずあることだと思いますが(←この行為を肯定していません)、
> 一蹴してそれで終わりました
ということは「捜査の介入、立件ということが方々で進んだ」わけではなく、その「高名な方」の脅しにすぎなかったということですよね。
新聞が物事の見方をゆがめないとは断言しませんが、匿名の投稿者による必然性のない名指しの中傷を受けた生徒から、削除要求を受けた管理者が放置することは「グレー」なんでしょうか?
投稿: mohno | 2007/05/01 12:37
このエントリの題材となった事例について、特に不当だと書いたつもりはありませんし、このケースが直ちに萎縮効果をもたらすと書いた訳でもありません。
でもこれは初めてのケースのようですから、シンボル的に取り上げるのには適した存在でしょう。そして掲示板管理者の刑事責任を、犯罪行為が行われていると通知されただけで、それを知っていたものとして「どんどん」立件されるようになれば、やばそうなものは見つけ次第削除せよという方向に進むのも、mohnoさんがご指摘のように、仕方がないことだと思います。
だからこそ、そうなっては困るといっているわけで、別に犯罪行為を知りながら放置する自由をBBSの自由として認めろなんて話をしている訳じゃありません。
もちろん掲示板管理者に刑事責任の追及があり得ないとは思いませんが、ブロバイダ刑事責任制限法のような立法により、何をしていれば大丈夫かという限度を明確にしないと、追及の矛先がいつまっとうなISPに向かわないとも限らないです。
その恐れは、そう突拍子もない話ではないと思いますけども。
例えば、2chの管理人さんや削除人さんたち、記者さんたちなどは、極めて強い危機感を持って当然だと思いますよ。
さらには、悪徳商法マニアックスの管理人さんとか、ゴシップや企業スキャンダルを多く手がけているサイトの方々とか。
で、ISPや掲示板管理者の管理責任として、犯罪行為だと通知を受けたらその当否をきちんと判断する責任を負うのは当然ということですが、女子中学生がいじめられているケースとか、あるいは多くの炎上事例のように集団いじめになっているケースとかは、送信停止措置をとる判断も難しくないかもしれません。でも簡単に判断できないケースが多く、またクレームも数多いとすれば、現実にもそのような対応は難しいでしょう。それに加えて判断を誤ったら刑事責任が科されるというのでは、掲示板などやっていけなくなりそうです。
ISPの場合は、そもそも通信事業者にそのような他人の通信の適法性に関する判断をさせることが適当かどうかも問題です。
やはり、仮処分なり、本案判決なり、ADR裁定なり、外部の有権的判断に従うという態勢がいいんじゃないかと思いますが。
で、刑事責任をどんどん追及していくということになったなら、小倉先生が時々書くADRも含めて、外部の判断を待つなんてことはできなくなってしまう訳です。
投稿: 町村 | 2007/05/01 13:18
>匿名の投稿者による必然性のない名指しの中傷を受けた生徒から、削除要求を受けた管理者が放置することは「グレー」なんでしょうか?
“必然性の無い名指しの中傷を受けた生徒”が確かに存在し、その生徒本人、もしくは関係者からの削除要求であり、なおかつ管理者がそれを確認できたとすれば、その上で放置することは「クロ」じゃないでしょうか。
ですが、生徒本人、もしくは関係者であると「自称」しているだけであり、それを確認できる材料がなにもなかったとするならば、例え放置しても「グレー」と言わざるを得ないのではないでしょうか。
とはいえ、仮に、明らかに中傷文であると判断できる内容で、実在しないと確認できる人物を名指し(ちょっと変な例えですが)で中傷している書き込みがなされたという状況があったとしても、必ずしもその文章を消さなければならないわけではないが、わざわざ残しておくべき必要もないわけで。
削除要求を出した人が、中傷された本人であるかどうかはともかくとして、中傷文であると認識できる書き込みを敢えて放置するのは、個人的には少々理解しづらい気がします。
ただ、現実として、被害者本人の確認ができなければ削除しない、という考えをお持ちの管理者もいるわけですよね。だからといって、卑怯者のパラダイス云々と揚げ足取るかのように騒いだところで何も変わりはしません。せいぜい、騒いでいる様子を見ている人々の心証を害するだけですね。
要は、いかにしてこういったトラブルを減らすか、ということが問題なのではないでしょうか。
今回の件に関して言えば、被害者本人か、その関係者が告知してきた、と確認できる何かがあれば、管理者も削除に応じた可能性があるわけですよね。まあ、本人の個人情報を、管理者とはいえどこの誰とも知れない相手に…というのはもっともです。ならば、警察を通じて連絡を取るなり、所属している学校から連絡を取ってもらう(そういえば、小倉先生の書き込みの中に、「学校側からの削除依頼があっても~」という部分がありましたが、それは今回の件で実際にあったことなんでしょうか。それとも、タダの例え?)などの措置を取りやすい基盤を作る事ができればいいのではないでしょうか?その上で放置するなら「クロ」であると断ずることもできるでしょうから。
投稿: 一晃 | 2007/05/01 13:48
今回の件は、匿名による誹謗中傷に苦しんでいる人々にとって「ひどい場合は警察が助けてくれる(かもしれない)」という意味で、一筋の光明であるという「シンボル」的なとらえ方もできると思いますが、そのような見方はありませんか?
> 判断を誤ったら刑事責任が科される
掲示板管理者に裁判官と同じレベルで「ゆらぎのなさ」が求められているのでしょうか。投稿者が匿名でなければ「権利侵害だという通知が来ましたので、削除(修正)してください」と、事前に自主的削除を促すこともできますよね。
重箱の隅をつつくと、エントリ本文には、
> 掲示板管理者が“犯罪行為となる”書き込みを知りながら・・・
とあり、「犯罪行為かもしれない」とか「犯罪行為かどうか判断がつかない」という記述ではありません。
> 犯罪行為を知りながら放置する自由をBBSの自由として認めろなんて話をしている訳じゃありません。
であるなら、“素直に読んだ人”が誤読しないよう訂正される方がよいと思います。しかし、簡単に判断できないケースが多く、クレームも多いので管理者に責任を負わせるのは無理というケースでは、被害者は誰に救済を求めればよいのでしょうか?
> 通信事業者にそのような他人の通信の適法性に関する判断をさせることが適当かどうか
> 外部の有権的判断に従う
匿名が相手なら、有権的判断を受けるためのコストを被害者が負担するのはしかたない、ということでしょうか。しかし、「上司からセクハラ受けました」という通知を受けた会社が、「違法性の正確な判断はできないので、まず外部の有権的判断を仰いでください」と回答したら驚きます。
> 被害者本人の確認
投稿が掲示板運営者の管理下にある以上、本物・偽物の判断も含め、通知を受け取った時点で管理責任は問われるのでは? たとえば、自分の投稿に対してメールで「名誉毀損だ」と通知された場合に、「本人かどうか確認できない」ことを理由に放置して責任を免れることができるのでしょうか(受け取っていない、とシラを切ることはできるかもしれません)。それこそ、内容証明郵便であったとしても「本人かどうかの身元確認」が確実にできるわけではないですよね。
なお、今回の件については、
http://www.sankei.co.jp/shakai/jiken/070427/jkn070427002.htm
によれば「学校側からの削除要請を拒否し」とありますね。
投稿: mohno | 2007/05/01 18:11
しかし、「上司からセクハラ受けました」という
通知を受けた会社が、
「違法性の正確な判断はできないので、
まず外部の有権的判断を仰いでください」
と回答したら驚きます。
いや、「わたしは御社の上司からセクハラを受けました」とだけ書いてあって、上司の氏名も被害者の氏名も書いていない場合に、その会社が何らかの行動がで切るのであれば、そっちの方が驚きです。
被害救済のために行動するために、いわば5W1Hのような明確さがある程度は不可欠であって、削除要求のメッセージにはこのような明確さがあまりにアイマイであることが多々あります。
プロバイダ責任制限法では「名誉毀損・プライバシー関係ガイドライン(PDF)」
http://www.telesa.or.jp/guideline/pdf/provider_041006_2.pdf
の37ページに被害者が申立に使用する申立書のひな形が例示されています。
これが正に5W1Hであって、絶対的にこのような申立書が必須ではないのは明らかですが、一部の管理者が誤解して「申立書の出来がダメだから受け付けない」とやっているのであって、申立の中身が「単なる削除要求」では管理者はなぜ動けないのかをよく説明していると思います。
結局、被害をもたらすであろう「掲示文章」も「削除の申立」をシロかクロかだけではなくて、グレーが結構あるから判断が出来ない場合がある、ということです。
この「グレーな場合がある」を「この場合はシロ、あの場合はクロ」と決めつけていては、議論にならない。「グレーの場合にどうすればよいのか。何が出来るか」と議論するべきなのです。
投稿: 酔うぞ | 2007/05/01 20:57
>今回の件は、匿名による誹謗中傷に苦しんでいる人々にとって「ひどい場合は警察が助けてくれる(かもしれない)」という意味で、一筋の光明であるという「シンボル」的なとらえ方もできると思いますが、そのような見方はありませんか?
その見方をする際に、「成立する要件を明確化し絞り込みたい」というエントリですよ。
酷いというのはどういうことですか。
上でも散々言われていますが、世の中には白か黒かで片がつく場合だけとは限りません。
グレーゾーンも存在します。
たとえば、『今回の件では明確に「黒」だったのでこの対応はよかった』と仮定します。
しかし、この対応が『常時』最良に当てはまるとはいえない。
【その投稿が適正かどうか判断する責任を管理者が負うのは当然ではないでしょうか】といわれていますが、責任を押し付けられたところで、単なる掲示板管理人程度に高度な法律の判断を押し付けられても困る。と、コレは既出ですが(←【ISPの場合は、そもそも通信事業者にそのような他人の通信の適法性に関する判断をさせることが適当かどうかも問題です】)
>掲示板管理者に裁判官と同じレベルで「ゆらぎのなさ」が求められているのでしょうか。投稿者が匿名でなければ「権利侵害だという通知が来ましたので、削除(修正)してください」と、事前に自主的削除を促すこともできますよね。
求められているでしょう。求められてしまうんです。
消さなかったとき、その判断が間違っていたら罰せられるんですよね?
「ゆらぎ」によって判断が誤っていたとして許してくれますか?「判断が間違ってました」で許してくれるなら、消さなくてもいい。
でも許してくれないなら、安全策をとって全部消すしかなくなってくる。
負えない責任を課されて、できなかったら罰則ね。わからないし、そんなの怖いから全部消すか。ということによる萎縮効果がよろしくないという話です。
上司からのセクハラ?それは証拠をもってこられれば対応できますよね。
ですが、証拠がなければどうですか?疑わしきを罰しますか?証拠もないけどとりあえず罰しますか?
その前に真実かどうか調べてくださいよ。
当たり前でしょう。
違法性が判断できてから、その後に罰則でしょう。
違法じゃないのに罰則かましてどうするんですか?
そのような判断で進んでしまって萎縮効果を生んではよろしくないというお話だと思いますよ。
違法性があるかどうかの判断がグレー。それだけの能力がただの掲示板管理者にはない。でも、線引きが確かになれば対応可能です。
その判断が、外部かどこか、被害者は誰に救済を求めるかは、この次のお話でしょうが、判断不可能なのに対応しろというだけの方向性はあまりに酷い。
それがエントリ中の
>様々な観点から幇助が成立する場合を絞り込んで明確化していく必要がある。
>そうでないと、過剰防衛的削除がはびこるし、そもそも掲示板を開設するということ自体にも萎縮効果が生じてしまう。
ということです。
今回の件は、今回の件。正しい判断ならそれはよかったです。
今後も同じ条件の元では同じ対応ができるでしょう。
ただし。
ただし、「匿名による誹謗中傷に苦しんでいる人々」なんてあいまいな単語で、「この手段が使えるぞ」としてしまっては悪い副作用を生みますよ、ということです。
特に誤読するようなところでもないとおもいますが。私が小倉さんに向けてもいいましたが、「萎縮」することになるような策をとってはならないよ、というだけでこの判断が間違いだなんて全然いっていません。
「この判断について条件を明確化しよう」というだけのことです。誰も「萎縮しないために被害者を見捨てれば?」なんて言ってないのです。
両立させればいいじゃないですか。何で貴方も小倉さんもわざわざ、「萎縮させなくしたら、被害者を救えない」と決め付けて読んでしまうんですか。そこが不思議です。
できないというならそれが聞きたい。
被害者は誰に救済を求めるかは、ここから先のお話でしょう。
まだ、次善の策はできていない部分です。
投稿: サスケット | 2007/05/01 22:17
> セクハラ
社内で考えず、いきなり社外に判断を仰がせるということはないですよね、という意味です。(無記名の申告で何をしろと?)
> ガイドライン
まさに、ガイドラインで示されているとおり、「他人の権利が不当に侵害されていると信じるに足りる相当の理由(法3条2項1号)」の判断が求められるのですよね。私は、単なる削除要求だけで削除しろとは書いていないですし、これは裁判官が合法性を判断するよりも“幅がある”と考えてしかるべきではないですか? 先に書いたとおり削除による賠償責任を免れるために、事前に投稿者に確認するという手順も示されています。
プロバイダ責任限定法が掲示板管理者に「ゆらぎのなさ」を求めているとは私は思いません。むしろ、「ゆらぎのなさ」を求めているのだと断言してしまう方が「萎縮効果」を招いてしまうのではないですか?
> 酷い場合
今回の事件にある「女子生徒を中傷する書き込みには、女子生徒の学年と氏名を記したうえで、「うざい」「ブス」などと書き連ねられていた」というのを酷い場合とは判断できませんか?
> 悪い副作用
先のガイドラインには、名誉毀損について同じ表現でも相手によって法的判断が分かれることが書いてあるのですが、それにもかかわらず条件の明確化などできるのでしょうか? これは「ゆらぎ」の範囲になるのではありませんか?
ところで、エントリは、まだ修正されていないようですが、これを「掲示板管理者が犯罪行為となる書き込みを知りながら放置することをどんどん立件するとBBSの自由が極めて大きく損なわれる(あるいは萎縮効果があるので反対している)、と“法律の専門家”が言っている」と悪徳管理者が悪用する可能性は気にされないのでしょうか。
投稿: mohno | 2007/05/01 23:27
>悪徳管理者が悪用する可能性は気にされないのでしょうか。
悪用される可能性は常にどの事象にもありますよ。たとえばあなたの冗長な文章や多義的な「ゆらぎ」文言なんか。
投稿: 通行中 | 2007/05/01 23:40
↑町村さんも同意見なのでしょうか。
投稿: mohno | 2007/05/02 00:04
> セクハラ
社内で考えず、いきなり社外に判断を仰がせるということ
はないですよね、という意味です。
(無記名の申告で何をしろと?)
これは、5W1Hが明確であればすぐに対処できるしするべきだ、ということですが
実際に管理者に削除請求が来る場合には5W1Hが完全に揃っている場合なんてほとんど無いです。
つまりは程度問題になってしまう。
削除請求もグレーなんですね。
だから「ある・無い」のシロクロ論では無理で、実際の事件については「プロセスに注目するべき」となります。
今回は刑事事件ですから、管理人が取った行動が名誉毀損幇助(何がだ?とは思うが置いておいて)が明確である、はずなんですよ。
しかし、他の多くの経験ではやり取り(プロセス)が不明瞭で、下手すると被害者の問題が管理者に伝わっていないこともあります。
何度もやりとして「そういうことか。じゃあ削除します」ということも多いです。
仮定の問題として、今回の事件と全く同様の被害事件があったとしても管理人が責任追及されないケースがありそうに思うのですが、これが「被害があったのだから、理由を問わずに責任を追及する」とならないためには何が条件になるのか?
に大いに問題があると思っています。
投稿: 酔うぞ | 2007/05/02 09:18
>社内で考えず、いきなり社外に判断を仰がせるということはないですよね、という意味です。(無記名の申告で何をしろと?)
じゃあ、それ比喩が悪いんですよ。【こんな回答したら驚きます】といっていますが、貴方の”外部”という言葉に対する認識が間違ってます。
掲示板管理人の『社内』あるいは『身内』や『本人』に法的判断ができますか?
「外部の判断を待つ」というのは、「当事者にできないから、外部の専門家に」ということです。できるなら外部である必要は何もない。
ここでの問題は、法律判断のできる専門家がいないから、じゃあ判断できない。どうすればいいのか?という話です。
内部に専門家がいるなら、萎縮することなく専門家の言うとおりやればいいのでこんな問題はおきない。貴方が問題の発生する状況を読み違えてます。
落ち着いて前の文章を読んでください。
【ISPの場合は、そもそも通信事業者にそのような他人の通信の適法性に関する判断をさせることが適当かどうかも問題です。】
この一文を読み飛ばしているから、いきなり【外部判断なんておかしい】という頓珍漢な発想になるのだと思います。
>プロバイダ責任限定法が掲示板管理者に「ゆらぎのなさ」を求めているとは私は思いません。むしろ、「ゆらぎのなさ」を求めているのだと断言してしまう方が「萎縮効果」を招いてしまうのではないですか?
プロバイダ責任制限法はそんなものもとめてないでしょう。
「ゆらぎのなさ」という言葉が出てきたのは【掲示板管理者に裁判官と同じレベルで「ゆらぎのなさ」が求められているのでしょうか】という点について以外存在していないので、唐突にプロバイダ責任制限法と関連付けられても意味がわからない。
掲示板管理者に「ゆらぎのなさ【犯罪行為が行われていると通知された。それを犯罪行為だったと知っていなければいけない。】」を求めているのが誰かといえば、たとえば【貴方】です。【プロバイダ責任限定法】ではない。
>今回の事件にある「女子生徒を中傷する書き込みには、女子生徒の学年と氏名を記したうえで、「うざい」「ブス」などと書き連ねられていた」というのを酷い場合とは判断できませんか?
それがどうかしましたか?
今回の件をどういう理由で(どういう基準で)一般的な判断基準にできますか?
ということを皆さん言っているので、そろそろしっかり読み直してみてはいかがでしょうか。
>先のガイドラインには、名誉毀損について同じ表現でも相手によって法的判断が分かれることが書いてあるのですが、それにもかかわらず条件の明確化などできるのでしょうか?
「条件を絞っていくことが難しい」といいたいのですか?
逆に考えなさいな。
条件もよくわからない基準で裁いていく気ですか?
なんだかよくわからない基準でコレは駄目、コレはよし、なんていう気ですか?
そんなわけはない。明確化できたに決まっているから、【名誉棄損ほう助の疑いで書類送検された】に決まってるじゃないですか。
(関連)酔うぞさん【今回は刑事事件ですから、管理人が取った行動が名誉毀損幇助(何がだ?とは思うが置いておいて)が明確である、はずなんですよ。】
あなたは、掲示板管理人に削除すべきかどうかの判断を負わせ、できなかったら罰則ねといいながら、
かといって「条件の明確化などできるのでしょうか?」と疑問を抱いている。
できないことをやらせて、できなかったら罰ですか?
>これは、5W1Hが明確であればすぐに対処できるしするべきだ、ということですが
>実際に管理者に削除請求が来る場合には5W1Hが完全に揃っている場合なんてほとんど無いです。
最終的には確実に基準は絞り込まれるのですから、それを実際の運用でどこまで前倒し(裁判しないとわからないではなく)できるか。それが可能ならプロバイダや掲示板管理人が受け付けた時点まで前倒しできれば最良です。。
しかし、その前倒しするための基準作成にすら懐疑的な貴方が、なにを根拠に「掲示板管理者にやれ」と思うのかがわからない。
ここでいわれているのは、「基準判定がぜんぜん後ろのほうにあるのにいきなり最前線でやれない」ということであって、誰もやらないとは言ってない。簡単に直すと、前線に持っていくためにいろいろ考えましょうという話であって、コレをどう悪用する気なのか。
おおかた、
【「掲示板管理者が犯罪行為となる書き込みを知りながら放置することをどんどん立件するとBBSの自由が極めて大きく損なわれる(あるいは萎縮効果があるので反対している)、と“法律の専門家”が言っている」から立件しないほうがいい】と言うのを想定したつもりでしょうが、
きちんと読めば【犯罪行為となる書き込みはどんなものか明確にしないでどんどん立件するとBBSの自由が極めて大きく損なわれる(あるいは萎縮効果があるので反対している)、と“法律の専門家”が言っている】なんですよ。
叩こうとすることばかり考えて無理してネガティブにネガティブに読むからそういうことになる。そうでないことは既に書いてあるでしょう。(関連)町村さん
【だからこそ、そうなっては困るといっているわけで、別に犯罪行為を知りながら放置する自由をBBSの自由として認めろなんて話をしている訳じゃありません。
】
【このエントリの題材となった事例について、特に不当だと書いたつもりはありませんし、このケースが直ちに萎縮効果をもたらすと書いた訳でもありません。】
未読か誤読か知りませんが、エントリの修正を示唆する前に、まず自分と相手の発言をしっかり読み直したほうがいい。
投稿: サスケット | 2007/05/02 13:33
ものすごい解釈になっている部分は置いておきます。ひとつ質問。
掲示板における「犯罪行為となる書き込み」の判断基準を常に明確にできるとお考えの方がいらっしゃるのでしょうか。基準を作ろうとする努力のひとつが、まさに先に示されたガイドラインだと思いますが、そこでも名誉棄損のように判断の分かれるものは対象にしていないと書かれています。
(当然、明確にできないものがあるというお答えを前提にした)次の質問。
【犯罪行為となる書き込みはどんなものか明確にしないでどんどん立件することに反対している】というのは、基準が明確でない限り、書き込みを放置しても、管理者の責任を問うべきではないということをおっしゃっているのでしょうか。
「そうではない」という回答を予想しますが、その場合、基準が明確でなくても書き込みを放置してよいわけではないということで、掲示板管理者には条件が明らかでない場合でも法的判断が求められるということになりませんか?
仮に「そうだ」という回答の場合、それは実質的に「犯罪行為となる書き込みを知りながら放置する自由」を認めているようなものではないでしょうか。
【ISPの場合は、そもそも通信事業者にそのような他人の通信の適法性に関する判断をさせることが適当かどうかも問題です。】とおっしゃいますが、同じことは個人の掲示板管理者にも当てはまるわけで、掲示板を運営するために法律の専門家を雇わねばならないなどということになったら、それこそ掲示板の開設意欲を委縮させてしまうのではないでしょうか。
投稿: mohno | 2007/05/02 17:20
追記しておくと、基準作りに反対だとか、意味がないということを言っているのではないですよ。それをしてもなお、↑の最初の質問が“No”という場合を想定して話をしています。
投稿: mohno | 2007/05/02 17:42
あの、もう2週間後には試験なので、一言だけ。僕に、質問を向けられても困りますので。
>その場合、基準が明確でなくても書き込みを放置してよいわけではないということで、掲示板管理者には条件が明らかでない場合でも法的判断が求められるということになりませんか?
>仮に「そうだ」という回答の場合、それは実質的に「犯罪行為となる書き込みを知りながら放置する自由」を認めているようなものではないでしょうか。
掲示板管理者にとって、ないしは、法的(外部的有権判断)を経なければ、明らかにならない書き込み、の問題と、「犯罪となる書き込みを知りながら放棄する」という問題は、大雑把に言えば、別物です。
両立するといってよい事象です。
外部的有権判断を経る必要がある書き込みと、犯罪となる書き込みを知りながらというのは、前提となっている話が違うので、両者を混同した状態で、質問するのはどうかなと思うわけです。
犯罪となる書き込みかどうか分からない状態のものまで、削除しなければならないことになるというのでは、表現に萎縮効果が生じるでしょう?という話であって、
初めから、犯罪とわかるような書き込みを、削除しなくても良いといっているわけではない
のは、今までの、議論を精査すれば分かることだと思いますが。
ちなみに、有名判例?ですが、
「火の元ご用心」という文言であっても、脅迫になりえるのは有名な話ですから、一概に、何が犯罪的な表現で、何が犯罪的な表現で無いかは、形式的には判断できません。
投稿: こう | 2007/05/02 19:19
ごく根本的なところがわかっていないようなですね。
>それは実質的に「犯罪行為となる書き込みを知りながら放置する自由」を認めているようなものではないでしょうか。
なにを根拠に「犯罪行為となる書き込み」と断言するのですか?そんなものを放置することを匂わせる文章すらないですよ。むしろ逆に、明確に否定されています。*1
ここでいうならば、『実質的』には。
『実質的』には「誰かに犯罪行為と言われてるが、まだ犯罪行為と確定していない書き込み」です。
犯罪行為と確定しているのなら、それはそれで処理すべきというのは構わないと誰しも言っている。*2
「(犯罪行為かどうかの)基準がわからない場合」といっているのに、「犯罪行為となる」と断定している時点で話がおかしい。
繰り返すようですが、貴方はその区別がついていませんね、と私は言っており、区別しないと萎縮効果を生みますよねというエントリだと思いますが。*3
(関連)
*1町村さん【だからこそ、そうなっては困るといっているわけで、別に犯罪行為を知りながら放置する自由をBBSの自由として認めろなんて話をしている訳じゃありません。】
*1こうさん【初めから、犯罪とわかるような書き込みを、削除しなくても良いといっているわけではない】
*2こうさん【外部的有権判断を経る必要がある書き込みと、犯罪となる書き込みを知りながらというのは、前提となっている話が違うので、両者を混同した状態で、質問するのはどうかなと思うわけです。】
「基準がわからないから明確化しよう」といっているのに、「見て見ぬふりをして放置しておけばよいとのお考え」をしているかのように誘導するのはお控えくださいと上で言われているでしょうに。
小倉さんといい、貴方といい、よっぽど叩くのに都合の悪い文章を読みたくないのかナンナノカ。
矛盾があるならそういえばいいのに、そうではなく。あきらかに「違うよ」と書いてあるのに、それを無視して「そんなこといってない」と反論されて揉めるような意見が出てくる理由がわからない。不思議だ。
読めないのか、読まないのか。
投稿: サスケット | 2007/05/02 21:01
>【ISPの場合は、そもそも通信事業者にそのような他人の通信の適法性に関する判断をさせることが適当かどうかも問題です。】とおっしゃいますが、同じことは個人の掲示板管理者にも当てはまるわけで
あなたが法律(憲法)の基本的な素養を欠いたまま、法学教授ブログに自説を粘着連騰していることだけは理解しました。
もっともそれ以前に他人の見解を正解しない独自の理解力に立脚していることの方が、認識や議論を錯綜混沌化させる原因とは思いますが。
投稿: ハスカップ | 2007/05/02 21:48
> 「基準がわからないから明確化しよう」といっている
わざわざ「基準作りに反対だとか、意味がないということを言っているのではないですよ。」と書いており、このような論理展開されても、「では、明確化できない部分は誰が判断するのですか」とお尋ねするしかありません。しかし、
> 実質的に「犯罪行為となる書き込みを知りながら放置する自由」を認めているようなものではないでしょうか。
という部分で指摘を受けたということは「基準が明確でない限り、書き込みを放置しても、管理者の責任を問うべきではない」とお考えだということでしょうか。それはそれで、エントリ本文とも辻褄は合うのですが、先のガイドラインに指摘されているとおり、名誉棄損や侮辱罪の基準作りは難しく、結局、野放しになってしまうのではないでしょうか。
言い方を変えると、「野放しにならない基準」作りが可能なのでしょうか?
> 通信の適法性に関する判断
「適法性に関する判断が適当かどうかも問題である」という指摘は、個人の掲示板管理者に当てはまらないということなのでしょうか。
投稿: mohno | 2007/05/02 23:06
混ぜるな危険
>「適法性に関する判断が適当かどうかも問題である」という指摘は、個人の掲示板管理者に当てはまらないということなのでしょうか。
適当にワッチしていたら犯罪が行われる事を聞いてしまった場合と似ていて
ワッチした人間が犯罪が行われる事を警察に知らせた場合に盗聴として検挙されるか否か見たいな物で、ケースバイケースでしょ
グレーゾーンは常にあるから状況による判断しか出来ない
ただ、これを超えたら真っ黒って判断は示す必要があるでしょうね
投稿: sakimi | 2007/05/03 00:24
どうも話が混沌としてきてしまって、凡人たる私には理解しづらくなってきておりますが・・・
掲示板上に何らかの犯罪的な要素を含む書き込みがなされたとして、管理者がその書き込みの犯罪性を認識した上で放置するのは許されない、というのは、議論をなさっておられる方々全員一致の意見ということで間違いありませんね?
意見が食い違っているのは、管理者が書き込みの犯罪性をシロともクロとも判断しかねる場合・・・という部分。
書き込みに対する削除要請があり、当該書き込みを確認した管理者が、書き込みを確認したうえで削除するかどうかの判断を下す・・・と。
ここで問題なのは、書き込みの削除要請があった場合に、要請に応じて削除することが妥当であるかどうかの判断をするための材料が充分でない場合もある、ということですね。
仮に書き込みが中傷文であり、削除要請を出したのが中傷された本人であった場合は、要請を出した側が管理人に対し、「この書き込みで中傷されているのは確かに自分である」ということを認識できるだけの材料を管理者に対して示すことができればいいわけですね。
また、要請者が、被害者本人が通う学校の関係者であった場合や、警察などを通じて管理者とコンタクトを取ってきた場合なら、「実際に被害を受けた、と感じている人がいて、学校(もしくは警察)を通じて削除希望の意思表明をしている」という風に判断することもできるでしょう。
ですが、そういったある程度の判断材料が揃わない場合もあるわけで。管理者とはいえ、どこの誰とも知れない相手に個人情報を・・・という理由で尻込みしてしまう場合もありますし、身元のはっきりしている関係者や、警察を通じてコンタクトを取ることもしない、あるいはできない(話を大きくしたくない等)場合もあるわけですね。
そういう場合に、管理者にとってはその抽象的内容の書き込みが、実在する誰かを名指しした中傷文なのか、それとも適当に名前を書き込んで罵詈雑言を並べ立てただけの掲示板荒らし的な代物なのか、判断がつけられないわけです。シロともクロとも判断できない、グレー的な状況になってしまうわけで。
そういうグレー的状況にあって、結果的に削除を行わなかった場合、
「判断材料が足りなくて、削除するべきだとは決断しなかったようですが、実はこの人は実在していて、これは名誉毀損にあたる。その書き込みを削除しなかったあなたは、管理者としての責任を問われます」
と、いうような事がまかり通るようでは、掲示板管理者は、ちょっとでも疑わしいと思うような例は片っ端から削除しなければならなくなる。それはまずいだろう。せめて、責任を負うにあたって、何らかの判断材料を必要とする、というような基準を設けるべきなのではないか、というのが町村先生をはじめとする方々のご意見・・・ということになるのでしょうか。
逆に、判断つこうがつくまいが、結果的に犯罪的な書き込みを放置したのなら、幇助と言われても仕方ない。責任は負うべきだ、というのが、小倉先生をはじめとした方々のご意見・・・ということでしょうか。
投稿: 一晃 | 2007/05/03 00:48
誤字がありましたので訂正します。
誤:管理者にとってはその抽象的~
正:管理者にとってはその中傷的~
失礼致しました…。
投稿: 一晃 | 2007/05/03 00:58
> “判断つこうがつくまいが”、結果的に犯罪的な書き込みを放置したのなら、幇助と言われても仕方ない。
とは、私は書いていません。
「火の元ご用心」はともかく、過剰防衛的削除を避ける“基準”というのは非常にゆるいものにしかなりえず、その基準に合っていれば“大丈夫”ということになれば管理者責任を問えなくなる誹謗中傷がはびこる恐れがあるのではないでしょうか。これを避けるには(通知を受けたら)具体的な基準に頼らずに「相当の理由」を判断する、つまり「判断をつける」ことを管理者に求める場合は避けられないですよね(というか、それがプロバイダ責任限定法)という意味です。
エントリ本文にある「“犯罪行為となる書き込み”を知りながら放置」については、一連のコメントにより、「“裁判の結果として有罪と判断された(しかし、その場では判断がつかない)書き込み”がある(=存在する)ことを(管理者が)知りながら放置」と解釈できなくもないのですが、やはり「(管理者が)犯罪行為となる書き込みを知りながら(=犯罪行為と判断をつけながら)放置」と解釈するのが“素直”な読み方だという指摘は否定できないと思います。
投稿: mohno | 2007/05/03 01:39
関わりあったことを、後悔しつつ、一応、付言を。
>「基準が明確でない限り、書き込みを放置しても、管理者の責任を問うべきではない」とお考えだということでしょうか。それはそれで、エントリ本文とも辻褄は合うのですが、先のガイドラインに指摘されているとおり、名誉棄損や侮辱罪の基準作りは難しく、結局、野放しになってしまうのではないでしょうか。
結局、mohnoさんの言っている事も他の方も言っている事は、実際にはそんな変わりが無いと思います。で、野放しにするのは良くは無いから、一定のガイドラインを作るということには反対というわけではない。ただ、やるのであれば、明確にすべきだ、と主張しているのは、おそらくどなたも変わりが無いと思うんですが(それが難しいと指摘しているのが、町村先生の今回のエントリーの意図するところであって、ガイドラインを作ることまでをも否定している訳ではないと思いますが)。
結果的に有権的判断を経た場合において、犯罪的書き込みであったと認定されて削除義務を負うことになる、それを放置するのは、おそらくここにいる誰もが問題にすると思うわけです。
が、結果的に犯罪的書き込みであると認定された場合、それ以前の放置状態については、意見が分かれるわけです。mohnoのさんの仰るように、それは実質的に見れば、犯罪的書き込みを許容していることになるかもしれない。
しかし、有権的判断を経たからそういえるだけの話であって、有権的判断を根拠にしながら、有権的判断を経ていない場合(ないしは状態)についてまで同様の「放置する自由」を認めた、というのは、価値の等価性が認められないことを混同していることなので、だからそれを混同しても困るわけですと先般申し上げたわけです。
それは、確かに、野放しと同じ状態に見えるかもしれませんが、合理的な理由(表現の自由)が存在するわけで、その合理的な理由を全否定(犯罪として処罰する)してまで、名誉等を守らなければならないというのは行き過ぎでしょう、という話です。
端的に言えば、名誉毀損の問題に関して言えば、名誉を守るためにいちばん簡単な方法は、一切の表現行為を事前に検閲することです。しかし、検閲は許されていないことですから、事後的な対策にならざるを得ない。そうすると、表現行為によって、それが罰せられるまでの間は、「常に」名誉毀損の状態を野放しにすることになる、のは、いわば仕方の無い制度的な内在要因によるものであります。罰せられるまでの間、野放しにする自由といって批判すること自体は、確かに正しいかもしれませんが、批判した先にあるのは、検閲行為の復活という回答以外はありえない話なので、検閲を容認する場合以外は、受け入れられないものです。その認識があるため、議論が難しいという話をしているのであって、それ以上でもそれ以下でもありません。
というわけで、誰も、野放しにして良いといっているわけでも、犯罪書き込みがあったことを知って、それを削除しない自由がある、と言っているわけでもない、ということはわかっていただけたでしょうか?
投稿: こう | 2007/05/03 05:13
連投すみません。
>エントリ本文にある「“犯罪行為となる書き込み”を知りながら放置」については、一連のコメントにより、「“裁判の結果として有罪と判断された(しかし、その場では判断がつかない)書き込み”がある(=存在する)ことを(管理者が)知りながら放置」と解釈できなくもないのですが、やはり「(管理者が)犯罪行為となる書き込みを知りながら(=犯罪行為と判断をつけながら)放置」と解釈するのが“素直”な読み方だという指摘は否定できないと思います。
先般の例にあげた通り「火の元ご用心」という書き込みも犯罪行為となる書き込みに該当することがあるわけです。管理人が一般的に「火の元ご用心」という表現が犯罪行為となる書き込みに該当すると知っていれば、個別的に成立するかはさておいて(つまり実際には事後的に判断が必要な場合でありえる)、それすらも、防衛的に削除することになりかねないことが問題なわけです。
端的に言えば、裁判は個別事例での判断ではありますが、社会に与える影響は、規範的な効果を有するので、一般的な判断基準として適用されることになるという点で異なるので、それを問題にしているわけです。全ての事例について裁判をするわけではないわけですから、仕方の無いことですが。
そして、そのような意図であることは、共通IDや他の議論に関する議論を読んで頂ければ、わかる話であって、ここに来る多くの人はそれを知っていますが、貴方は知らないというだけの話です。
貴方の素直な読み方というものは、貴方の立場にたって、素直に読んでいるというだけの話であって、町村先生の意図立場を読んでいないというだけの話です。貴方の言っているように解釈できるから、この表現は不当だという意見はわかりますが、問題の実質を離れて、単に、言葉の問題に始終するだけのものであり、意味のない議論です。
僕としては、mohnoさんと議論をする意味も実益もないことなので、これ以上口出しはしませんが、mohnoさんは実質を議論するように見せかけて、単純に表現上の問題を取り上げているだけのような気がします。
投稿: こう | 2007/05/03 05:40
もう携帯でのアクセスはできないくらい積み重なっているので、どこまで遡ればよいか分からなくなりました。読み返してみると、mohnoさんが何を言いたいのか分からなくなります。
とりあえず、引っかかっているのが「掲示板管理者が犯罪行為となる書き込みを知りながら放置していたということでどんどん立件される」という表現にあるのであれば、分かりにくかったかもしれませんが、「知りながら放置していた」と評価するのは警察です。
もちろん警察サイドとしては、掲示板管理者が「知りながら放置していた」と考えるから立件するのでしょう。ところが掲示板管理者がある書き込みを「犯罪行為」と認識することはグレーな領域が幅広くて、誠実に判断しようとしても分からない場合が多く、それをひょっとすれば警察が幇助と評価するかもしれないということになれば、やはりやばいかもしれないから消しておこうかと言うことになります。
それと繰り返しですけど、ISPは通信事業者ですから、通信の秘密は守らなければならないし、検閲はしてはならないのです。そういうISPが自己の取り扱う通信の内容に法的評価を加えなさいということは本来無理なことです。
じゃあどうすればよいのか、野放しなのかということですが、現状でISPや掲示板管理者に削除義務違反の刑事責任をどんどん追及するのは弊害が大きくなりすぎると考えていますので、その意味では野放しかもしれません。
立法論になりますけど、プロバイダ責任制限法の刑事版を作って、これさえ守っておけば大丈夫というところを示すのがよいのでしょう。ガイドラインでも、それと刑事責任追及とがリンクするものになるのなら、それでもいいです。
問題はその中身で、グレーな部分を判断できないと言う事情は立法でもガイドラインを作っても同じことです。そうすると、手続的に何とかするしかない。
例えばノーティス・アンド・テイクダウンといって、自称被害者から削除要求があれば、とりあえず送信停止措置をとり、発信者の異議を待ち、もし異議があれば送信停止を解除し、後は発信者と事情被害者との交渉や紛争処理に結論を委ねます。異議がなければ送信停止を恒久化、つまり削除します。こういう手続もあり得るところです。
あるいは、その送信停止措置を恒久化するかどうかに当たって、第三者の裁定を仰ぐという方法もあり得ます。ただその場合、第三者が法的判断を結果的に間違えても免責されることが必要ですけど、それがなかなか難しい点です。
投稿: 町村 | 2007/05/03 11:19
当面の策として、ノーティス&テイクダウン(N&T)がいいと思います。それも、法的規制でなく慣行ルールとしてのデファクトスタンダードで導入されて普及するが望ましいと思います。実体法が未整備の米国開拓時代に普及した「告知と聴聞(ノーティス&ヒアリング)」という先人の知恵に学ぶのも一考だと思います。
投稿: ハスカップ | 2007/05/03 14:42
プロバイダ責任制限法3条1項のような法理が刑事責任について適用されたとしても、今回の例のように、当該特定電気通信の存在を知り、かつ、それが違法であると疑うに足りる合理的な理由があるのに、送信防止措置等を講じなかった場合には、法律の錯誤について、制限故意説を採る限り、刑事責任は免責されないというべきでしょう。そして、本件のように、少なくとも少女の氏名とおぼしき名称が実在の学校名とともに記載され、そこに「ブス」だの「うざい」だのという書き込みがあり、かつ当該学校の関係者を名乗る者から削除依頼があった場合には、それが違法な名誉毀損又は侮辱であると疑うに足りる十分な理由がありますから、刑事責任は免責されないと言うことになります。
そのような法律判断をISPや掲示板管理人にさせることについて疑問を呈する見解が多いようですが、少なくとも「違法性の意識必要説」が判例法理として採用されていない我が国においては、我々は自らの作為又は不作為が刑罰法規に抵触するか否かを自ら判断することを求められており、その判断を誤った場合には、刑事責任を負うことも止む無しとする社会に生きています。萎縮効果を生じさせないためには、自らの行為が刑罰法規に抵触し違法であることを知っていた場合にのみ刑事責任を負うとする「違法性の意識必要説」を採用するしかないのでしょうが、そこまでの覚悟があって「萎縮効果を生じさせるような刑罰権の行使は許せない」といっているのかというと疑問です。したがって、おそらくISPや掲示板管理人は特別だという言いたいのでしょうけど、なぜ特別扱いしなければならないのかそのあたりの根拠は明らかではありません。
「名誉毀損や侮辱については、違法かどうかの判断が難しい」という見解もあるようですが、著作権侵害や、児童ポルノ・わいせつ画像等よりは違法か否かの判断はしやすいですし、また、普通のISP等であればグレーゾーン部分も削除できるような利用規約を作っているはずです。また、違法かどうかの判断がつかないのであれば、弁護士に相談をすればよい話だし、それだけのコストが掛けられないのであれば、違法行為を幇助する危険を本質的に内在するサービスの提供は断念すべきではないかと思います。それって、一般の企業倫理等から行っても当然のことです(mohnoさんがセクハラの例を挙げていましたが、セクハラが行われているとの社内告発がなされた場合、会社としては、然るべき社内調査を行った上で、然るべき処分を行う義務を有します。「それが法的に禁止されるセクハラにあたるのか法律の素人である我々には判断がつかないし、かといって弁護士に相談するお金もない」といって告発を放置していたら、責任を免れることはできないでしょう。)。
投稿: 小倉秀夫 | 2007/05/05 02:30
町村先生も変な絡み方をされるようになってしまったものだなあとは思うのですが、学校関係者から削除要求を受けても「実在の人物の氏名であるかわからない」といって放置することが許されるとしたら、それ以上の実在証明をするためには、さらにプライベートな事項に踏み込んだ公的な証明書を提出せざるを得なくなるのでしょう。そういうものを、どこの誰であるのかわからない掲示板管理人に提出するという蛮勇が払われない限り、掲示板の管理人は、誹謗中傷発言を削除しなくともよいとするわけですね(民事でやれってことですか?多段階プロクシに守られていると、発信者情報開示請求を民事で掛けてもなかなか本人に到達しないわけですが。)。
そのことと、実名で発言することとの間には大きな差があります。現行法でも、ネット通販を営もうと思ったら、氏名と連絡先住所を掲載しないといけないわけですが、ではネット通販事業者は氏名と連絡先住所を不特定に開示しているのだから、パスポートや運転免許証の写しないし戸籍謄本等をネット上にアップロードさせられても平気だろうといえるかというとそういうものでもないでしょう。
投稿: 小倉秀夫 | 2007/05/05 02:41
「検閲はいけない」というけれども、公権力による検閲がいけないのであって、掲示板管理者による検閲は当然許されるし(コメント承認制のブログ・掲示板は一般に適法と考えられていますし、スパムフィルターは違法な検閲にあたり許されないとも一般に考えられていません。)、まして、事後的な送信防止措置ならばなおさら違法ではないでしょう。
特定人に対する誹謗中傷発言の削除・フィルタリングに各事業者が熱心なのは、スパムとは異なり、誹謗中傷発言というのは膨大なアクセス数を呼び込む効果があるからでしょう。「学校裏サイト」から実在の生徒又は教師についての誹謗中傷がなくなったら、おそらく読者は激減するでしょうし。
投稿: 小倉秀夫 | 2007/05/05 03:01
>違法かどうかの判断がつかないのであれば、弁護士に相談をすればよい話だし、それだけのコストが掛けられないのであれば、違法行為を幇助する危険を本質的に内在するサービスの提供は断念すべきではないかと思います。
弁護士に相談しても、ITがわからない、間違ったことを平気でいう、間違ったことをブログに書いて指摘されても訂正しない弁護士が多くては当てはまらないでしょう。弁護士諸先生の自己啓発と奮起に期待します。
>誹謗中傷発言の削除・フィルタリングに各事業者が熱心なのは、スパムとは異なり、誹謗中傷発言というのは膨大なアクセス数を呼び込む効果があるからでしょう。
それは逆でアクセス数やページビューを増やすのにコンテンツ業者やレンタルサーバ屋は血眼になっているので事実誤認です。こんなことを書かれると「アクセス数を増やすには誹謗中傷発言がいいぞ,小倉弁護士がそう言っている」と言われかねません。誤解を生まないご意見をよろしくお願いします。
投稿: ハスカップ | 2007/05/05 09:24
求められるのは、特定の発言が名誉毀損又は侮辱等の犯罪行為にあたるかどうかという判断ですから、それ自身は「ITがわかる」か否かは関係がありません。
なお、誤解も何も、「学校裏サイト」というのは、実在の生徒や教師についてのネガティブ投稿を促すことによって、膨大なアクセス数を呼び込もうというものだと思うのですが。
投稿: 小倉秀夫 | 2007/05/05 10:24
弁護士小倉秀夫先生>
>特定の発言が名誉毀損又は侮辱等の犯罪行為にあたるかどうかという
その該当性判断が難しいということをこれまで延々と皆様が議論されてきたのですが……。誹謗中傷と思われる投稿があるたびにいちいち弁護士に最低30分以内5000円で相談してたら成り立つ投稿許容コンテンツビジネスモデルはないですよ。
だからN&Tの導入という話までせっかく進んだのに……。
投稿: 通行中 | 2007/05/05 11:14
少なくとも企業の法務スタッフが行わなければならない違法/適法判断の中で、特定のコメントの名誉毀損・侮辱該当性の判断というものは一般に難しいものではないし、判断に困るものがあったらそれについてのみ弁護士に相談したって十分機能します。それができないような人や企業は、電子掲示板等の開設をすべきではないではないでしょう。
「N&Tの導入」をしたところで、告知を受けた後は、違法/適法判断をしないといけないのです。
ノーチスアンドテイクダウン手続きは、「どのような発言が流通しているかを能動的に探索する義務」から通信事業者等を解放しますけど、告知を受けた発言についての違法/適法判断を自ら義務からは解放しないのです。しかも、「告知」は被害者自身によって行われる必要すらないのです。
投稿: 小倉秀夫 | 2007/05/05 11:29
>少なくとも企業の法務スタッフが行わなければならない違法/適法判断の中で、特定のコメントの名誉毀損・侮辱該当性の判断というものは一般に難しいものではないし
御主旨はわかりますが、日本のネットサービス会社のほとんどが中小零細よくて中堅であり、法務部どころか顧問弁護士などいない会社が圧倒的であるという実態にそぐわないと思います。それに個人でブログや掲示板を開設する管理人さんには絵餅だと思われます。
投稿: ハスカップ | 2007/05/05 11:48
日本のネットワークサービス会社のほとんどは、顧問弁護士を付けて然るべき規模の会社です。これらの企業が顧問弁護士を付ける費用を節約できるようにするために、違法な誹謗中傷を野放しにしても構わないとするのはいかがなものかと思いますが。
なお、自分でも適法・違法の判断ができない、弁護士に相談することもできないという方は、特定の人物ないし団体に対するネガティブ表現(とおぼしき表現)は見つけ次第削除という方針で行けばいいのではないでしょうか?何もそのようなところでの書き込みを認めなくても、違法でない書き込みは、適法・違法の判断をきちんとできる場所で書き込めば足りるのですから。
投稿: 小倉秀夫 | 2007/05/05 12:02
>これらの企業が顧問弁護士を付ける費用を節約できるようにするために、違法な誹謗中傷を野放しにしても構わないとするのはいかがなものかと思いますが。
失礼ながら、それは先生の誤読です。誰も「違法な誹謗中傷を野放しにしても構わないとする」なんて「藁人形」を言ってませんが。
これを防ぐためには、(中小零細が多い実態のもとでは)N&Tが最適解・現実的だと申し上げた拙見を読みとばされたようですね。
なお、先生は通信事業者(第一次ISPやキャリアを含む)とネットサービス業者(コンテンツ提供業者、レンタルサーバ会社~管理代行個人企業)とを混同なされているようです。
投稿: ハスカップ | 2007/05/05 12:23
弁護士小倉秀夫先生>
意味がよくわからないのですが……
>違法でない書き込みは、適法・違法の判断をきちんとできる場所で書き込めば足りるのですから。
とは、どのような「場所」を想定して書かれていますか?それに要する経費はいかほどと積算されてますか?
投稿: 通行中 | 2007/05/05 12:28
> これを防ぐためには、(中小零細が多い実態のもとでは)N&Tが最適解・現実的だと申し上げた拙見を読みとばされたようですね。
いえ、「N&T」では、告知された後、やはり、各事業者・管理人が適法・違法の判断をしなければいけないと述べております。
なお、たとえば、町村先生のこのブログのコメント欄は、きっと「適法・違法の判断をきちんとできる場所」の1つだと思うのですが、そんなに経費ってかかっていますか?
投稿: 小倉秀夫 | 2007/05/05 12:37
>そんなに経費ってかかっていますか?
こちらが小倉先生に積算根拠をおたずねしてますが?
以下を参考に積算されたらいかがでしょう。(「たかがブログ」と言わないで)
http://matimura.cocolog-nifty.com/matimulog/2007/03/guideline_e78e.html
>監視担当者は1秒に10個程度のコメントを視認することができ、このうち5%程度存在する問題コメントについて削除マークを付けるのに1つあたり1秒かかる
>http://benli.cocolog-nifty.com/la_causette/2007/02/post_3649.html
>投稿 通行人 | 2007/03/02 07:15
(SKIP)
>法律家諸氏もデータ捏造疑惑を見抜くため,人間工学の初歩的なデータや知識を覚えておくといいでしょう.
> その弁護士ブログには実は正解が投稿されてました.なぜか管理人が削除していますが.
>> ちなみに人間工学上、ヒトが1秒間に文字を読んで認識できる情報は50ビット
>>程度ですから日本語の文字数では7文字くらいです。また,画面が変わってから眼
>>球を異動させて焦点が合って文字が読めるまでのリードタイムは平均2.32秒か
>>かります。
>>(出典)野間聖明『ヒューマン・エラー』毎日新聞社,17頁,28頁
>>Redige par: C大ロー生 | le 07/02/2007 a 02:16 AM
http://72.14.235.104/search?q=cache:4t9PuufwhHAJ:benli.cocolog-nifty.com/la_causette/2007/01/post_a710.html+%E4%BA%BA%E9%96%93%E5%B7%A5%E5%AD%A6+%EF%BC%97%E6%96%87%E5%AD%97&hl=ja&ct=clnk&cd=4&gl=jp
>>監視担当者は1秒に10個程度のコメントを視認することができ、
>>
>> 別のソースでも人間工学的に不可能です。
>>
>> 0.100:発見の感覚(網膜から脳に光が走る)
>> 0.175:目の移動の準備のための運動神経の反応
>> 0.050:目の移動
>> 0.070:眼窩の焦点を合わす
>> 0.650:知覚(識別)
>> --------------------------------
>> 1.045(総経過時間)
>>
>>(柳田邦雄『航空事故』中公新書,199ページ)
>>
>>Redige par: 事故研究 | le 13/02/2007 a 02:22 AM
>http://72.14.235.104/search?q=cache:-dQl8kv2vTEJ:benli.cocolog-nifty.com/la_causette/2007/02/post_3649.html+%E4%BA%BA%E9%96%93%E5%B7%A5%E5%AD%A6+%E5%88%A5%E3%81%AE%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%82%B9&hl=ja&ct=clnk&cd=1&gl=jp
>
>投稿 棺桶銀行 | 2007/03/02 16:07
投稿: 通行中 | 2007/05/05 13:06
削除の手間暇や人件費の積算なら、これがとても参考になるでしょう。法的素養をお持ちの町村先生の個人ブログなら削除管理が容易だとしても、ある程度の規模をもつ掲示板から1日数通~数十通のコメントがつく個人ブログで法曹でない方の場合まで(それが絶対多数でしょう)なら、次の積算根拠がとても参考になります。
http://zakmustang.blog26.fc2.com/blog-entry-1426.html
投稿: ハスカップ | 2007/05/05 13:31
積極的に探知することのコストをいくらかかげても、被害者を含む第三者からの削除要請等があった場合に、その適法・違法性を判断して送信防止措置を講ずることコストを考える上での参考にはならないと思うのですが。
本件掲示板の管理人は、常時監視義務を負わなかったことで書類送検されたわけではなく、学校関係者からの削除要求を無視して、誹謗中傷書き込みを放置したからこそ書類送検されたのです。
投稿: 小倉秀夫 | 2007/05/05 15:25
積み残し再掲
【Q1】
> なお、先生は通信事業者(第一次ISPやキャリアを含む)とネットサービス業者(コンテンツ提供業者、レンタルサーバ会社~管理代行個人企業)とを混同なされているようです。
>
>投稿 ハスカップ | 2007/05/05 12:23
【Q2】
>>違法でない書き込みは、適法・違法の判断をきちんとできる場所で書き込めば足りるのですから。
>
>とは、どのような「場所」を想定して書かれていますか?それに要する経費はいかほどと積算されてますか?
>
>投稿 通行中 | 2007/05/05 12:28
投稿: 情報提供 | 2007/05/05 17:41
いまさらですが、せっかくコメントいただきましたので、コメントします。
> 「知りながら放置していた」と評価するのは警察です。
そりゃそうですが、管理者が「知りながら放置していた」わけでもないのに、そう評価されたのか、管理者が「知りながら放置していた」のだから、そう評価されたかは大きな違いでしょう。そして、
> このニュースの事件については、適切な捜査立件がなされたと評価できるものだったかもしれません。
であるなら、普通の掲示板管理者に対する委縮を課題とされる事態は何も起きていないように思いますが?
最初にニュースを見た時には通知もなくいきなり事件化されたのかと思いましたが(最初に書いたコメントはそれが理由)、新聞記事によれば、プロバイダ責任限定法も守られていなかったようです。被害者は民事裁判で賠償金を得るために時間とコストをかけるより、すばやい解決を望んで警察に対処を依頼したということではないでしょうか。そして、民事不介入といわれる警察にも「犯罪と知りながら放置していた」と評価されたわけですよね。
プロバイダ責任限定法をそのまま刑事に適用することに、まったく反対はありませんが、現状でプロバイダ責任限定法を超えて刑事責任が問われる可能性(あるいは問われた事例)って、どれくらいあるのでしょうか。
「マルウェアやウィルスの開発者が“はじめて”逮捕(または書類送検)された」というニュースがあったからといって普通の開発者は何も委縮しませんが、「マルウェア」の定義は曖昧だから、基準を定めないといけない、という話が出てくると、自分の“作品”が基準に合うかどうか心配しなくてはいけなくなります。開発者の創造性を委縮させないためには基準をゆるくしないといけませんが、ゆるい基準はマルウェア開発者をのさばらせるだけでしょう。
ところで電気通信事業法には「電気通信事業者の取扱中に係る通信は、検閲してはならない」「~通信の秘密は、侵してはならない」とあり、電気通信事業者が“公権”にあたるかどうかわからないのですが、この場合の通信というのは公開されない状態のものを言うのではないでしょうか? (メールでのやりとりなら名誉棄損も侮辱罪もないですよね?) 掲示板のように公開の場所への投稿に“規制”をかけて何か問題があるのでしょうか。
投稿: mohno | 2007/05/06 22:21
■小倉さん
▼
>今回の例のように、
>そのような法律判断をISPや掲示板管理人にさせることについて疑問を呈する見解が多いようですが、
【今回の例のように】ではなく、【今回の例を拡大解釈(というか拡大適用?)することに疑問を呈する見解が多いんです。
間違えないでくださいと何度いわれれば以下略
▼
>普通のISP等であればグレーゾーン部分も削除できるような利用規約を作っているはずです。
そのグレーゾーンを拡大することに対する疑問だということではないのですかね。
▼
>違法かどうかの判断がつかないのであれば、弁護士に相談をすればよい話だし
それをするための余裕をくださいということを皆さんおっしゃっていると思われますが。判断がつかないから何もしないとは誰も言っていませんし。【第三者の裁定を仰ぐという方法もあり得ます。】etc
▼
>少なくとも企業の法務スタッフが行わなければならない違法/適法判断の中で、特定のコメントの名誉毀損・侮辱該当性の判断というものは一般に難しいものではないし、判断に困るものがあったらそれについてのみ弁護士に相談したって十分機能します。それができないような人や企業は、電子掲示板等の開設をすべきではないではないでしょう。
>日本のネットワークサービス会社のほとんどは、顧問弁護士を付けて然るべき規模の会社です。
掲示板管理人というくくりはいつから「企業の法務スタッフ」を抱えていることが確定したのですか?
だから弁護士に相談するための余裕や、あるいは相談ルートをください。
でもって、そのルートがないところは「電子掲示板等の開設をすべきではない」というのが萎縮効果という奴です。が。
日本のネットサービスに限りません。
あるいは、自己サーバーから、レンタルスペース、もしくは無料掲示板レンタル、レンタルブログまでピンキリに存在します。
>町村先生のこのブログのコメント欄は、きっと「適法・違法の判断をきちんとできる場所」の1つだと思うのですが、そんなに経費ってかかっていますか?
この発言から見れば、ブログ管理者や、ブログコメント欄もやはり含まれているようですね。
個人ブログは管理ができないから禁止ですかね?
あるいは個人ブログも顧問弁護士を付けて然るべきですか?
とてもそんな状況には思えませんが、そうするべきということですか?
で。また前と矛盾する、「できないなら開設すべきでない」といいつつ、「できない」ところに対して「ネガティブ表現を見つけ次第削除」といっておられますが。
>なお、自分でも適法・違法の判断ができない、弁護士に相談することもできないという方は、特定の人物ないし団体に対するネガティブ表現(とおぼしき表現)は見つけ次第削除という方針で行けばいいのではないでしょうか?
わかりました。
私は小倉さんの発言が、町村さんに対するネガティブ表現(とおぼしき表現)だと思います。
ぜひ全部削除されることを望みます。私はどうしてもコレが誹謗中傷にしか見えない。(ということにする。)
コレが可能ということでいいんですよね?小倉さん?
だとするなら、【私の発言を誹謗中傷として削除しておきながら、私に対する当て擦り発言を町村先生が一貫して削除されないとすれば、】だって、「ネガティブ表現(とおぼしき表現)」を自分で判断して選別したということですよ。
小倉さんとしてはむしろ喜ばしいことでしょう?【個人攻撃については積極的に容認】しているのではなく、積極的に悪しき発言とおぼしき発言を消してるんです。何も文句をいう必要はなかったはずですよ?
矛盾しすぎなんですよ。>小倉さん。
■ mohno さん
>であるなら、普通の掲示板管理者に対する委縮を課題とされる事態は何も起きていないように思いますが?
「普通の掲示板管理者に対する委縮を課題とされる事態」がおきないようにしたいね、というエントリに対してなにをマの抜けたことをいってるんですか。無理して叩かずともよいと思われますが。
>掲示板のように公開の場所への投稿に“規制”をかけて何か問題があるのでしょうか。
もう一回最初から読み直したほうがいい。
あるいは小倉さんに対するこのコメントの「コレが可能ということでいいんですよね?小倉さん?」の辺り貴方のこの疑問への私からの回答になります。
投稿: サスケット | 2007/05/07 01:07
■小倉さん
>なお、自分でも適法・違法の判断ができない、弁護士に相談することもできないという方は、特定の人物ないし団体に対するネガティブ表現(とおぼしき表現)は見つけ次第削除という方針で行けばいいのではないでしょうか?
また矛盾しておりますな。
>http://benli.cocolog-nifty.com/la_causette/2007/02/post_5dbb.html
>どこの誰であるのかを私が認識している方からのコメント以外はがさっと削除してしまおうと思います(内容による規制をするともめる元なので、関係性による規制をしようと思います。)。
自分で判断できないから全部削除したんじゃないですか。
どれが悪いかわからない→全部消す
という流れが萎縮効果ですよ。
小倉弁護士自身でも「適法・違法の判断ができない」という結果のため、ネガティブ表現か否かに限らず、自分の知り合いかどうかでまとめて削除したのはどこの誰ですか。
自分自身でもできなかったことを「コレをすればOK」と解決策として持ち上げて、上手くいくようなフリをしても、説得力がないです。
投稿: サスケット | 2007/05/07 01:19
もはやぐちゃぐちゃなので、個別のコメントに対する返答は諦めました。
思いつくことをいくつか。
掲示板であれブログのコメント欄であれ、字面だけ見て名誉毀損・侮辱となるかどうかを判断できる場合だけを考えるのなら、ISPでも弁護士でも判断できるでしょう。しかし発信者と「被害者」との以前のやりとりとか、あるいはリアル社会の関係とか、さらには真実かどうかとか、そういう要素を考慮しないと字面だけでは名誉毀損に該当するともしないとも言い難い場合は沢山あります。
他人の投じたメッセージが違法かどうかが判断できない場合など、沢山あって、それはコストを掛ければ解消するものではありません。あたかも全てのメッセージが弁護士なら違法かどうか判断できるという前提で話を進めるのは間違ってます。
それからmohnoさんは、なんど書いても分かってもらえないようですけど、このエントリで取り上げた事件が立件されたから萎縮効果が生じるといってるわけではなくて、これを機に「どんどん」立件されるようになれば、それは萎縮効果が生じるでしょうという話なのです。もちろん警察が、誰が見ても怪しからんケース、故意にイジメに荷担しているようなケースのみを立件するという保障があれば、それは安心していられるでしょうけど、そんなに警察は信頼できる存在でしたか?
マルウェアの話も、何がおっしゃりたいのかよく分かりません。曖昧な定義のままマルウェアということで立件される事例が出てきたら、自分の作品がマルウェアに該当するかどうか分からないのですから、心配になるのではありませんか? 定義を明確化すれば、少なくとも判断できるようになるので、一定部分は萎縮しないでいられますが、定義が明確化されないままだったら、ソフトウェア作者の誰もが心配しないといけなくなります。
投稿: 町村 | 2007/05/07 01:23
読み返してみて思うに、誤解されるとなんなのでもう一回。
ネガティブ表現を削除するな、検閲するなといいたいわけではない。
それが「できなかった」からといって、【今回のように】幇助が成立すると言うことになるのはよろしくないといっているだけです。
【今回とは違う】状況下において、全てを【今回のように】何もしなかったからアウト、と言うのは止めてくださいということ。
投稿: サスケット | 2007/05/07 01:27
言い尽くされた蛇足で恐縮ですが、昭和50年代から(インターネットが普及する以前から)言われているのは
>もし弁護士に依頼するなら
>(1) 二つのミスリーディーング(R&L)をしない人
>(2) 法律以外の専門知識で知ったかぶりをしない人
>(3) ロジックミスをしない人
>を慎重に選べ
が今でも通用するのではないかと思います。
医療事故とか労災事故とか「理系の専門知識」を要する案件では特に。
投稿: ハスカップ | 2007/05/07 02:05
削除請求者から特段の説明がないのであれば、字面だけから判断すれば足りるのではないかと思います。投稿者と被害者との間にリアル社会でどのような関係があろうとも、また、仮にその被害者の容姿が一般に醜いと認識されるものであったとしても、不特定が閲覧可能な電子掲示板等において「ブス」と罵ることを正当化する法理はないのではないかと思います。
また、通常の能力を持った弁護士をしても適法か違法かの判断がつかないものが一定数あったとしても、そのことは、普通の弁護士に相談すれば普通違法であると判断するであろう投稿を放置してよい理由にはなりません。通常の能力を持った弁護士をしても違法なセクハラにあたるか否かの判断がつかないものが一定数あったとしても、会社として、社内のセクハラに対して見て見ぬふりをしていて良いわけではないのと同様です。おそらくほとんどの会社は、社内の掲示板に、特定の従業員の名前とともに「うざい」とか「ブス」とかとの悪口が書かれているのを発見した場合には、「発信者と「被害者」との以前のやりとりとか、あるいはリアル社会の関係とか、さらには真実かどうかとか、そういう要素を考慮」するまでもなくこれを削除(消去)するものと思われます。このような場合に、「発信者と「被害者」との以前のやりとりとか、あるいはリアル社会の関係とか、さらには真実かどうかとか、そういう要素を考慮」しなければ違法かどうかわからないといってそのような書き込みを放置していれば、その掲示板にどのような人々がアクセスしうるのかにもよるのでしょうが、民事及び刑事上の責任を負わされても仕方がないといいうるでしょう。
投稿: 小倉秀夫 | 2007/05/07 02:08
誹謗中傷発言を削除しようとしまいと無答責だとすれば、「裏サイト」の管理人は、削除しないことを選択するでしょうね。かくて、ネットは、無法地帯化するわけですね。
ハスカップさんの記述って、引用元がわからないものが多いですね。
投稿: 小倉秀夫 | 2007/05/07 02:14
>誹謗中傷発言を削除しようとしまいと無答責だとすれば
そういう主張は誰もしてませんが?
>ハスカップさんの記述って、引用元がわからないものが多いですね。
「そのまんま」の言葉を小倉先生にお返しします。藁人形を相手にする趣味はありません(キッパリ)。お疑いなら北大にでもこられて存分に調査されてください。協力はしませんけど。
投稿: ハスカップ | 2007/05/07 03:09
弁護士小倉秀夫先生>
>ハスカップさんの記述って、引用元がわからないものが多いですね。
と、そこまでおっしゃって、他人の引用元の不明確さを攻撃する先生ですから
>誹謗中傷発言を削除しようとしまいと無答責だとすれば
という部分の「引用元」を明確に明示してください。できないなら自己矛盾の信用失墜発言と逆攻撃されかねないですよ。それはIT法務にめっぽう強いとHWJで唄われた誇り高き小倉秀夫先生がお望みの事態とは思われません。
投稿: 通行中 | 2007/05/07 03:54
小倉さんが字面だけでも違法と判断できるケースを念頭に置いていることは分かりました。でもここで問題にしているのはそういうケースにとどまらないおそれです。
被害者の主張だけ、あるいは警察発表だけ見れば発信者が悪い奴に見えても、実際はそうでもないケースは沢山ありますから。
で、字面からは判断できないケースについて、発信者が反論の機会を与えられたのに、何ら反論しないのなら削除されてもやむを得ないでしょう。これこそノーティスアンドテイクダウンの考えかと。
ただノーティスアンドテイクダウンを制度的に取り入れてもなおISPが法的判断を迫られるというのは、制度の作り方によるでしょう。グレーか明らかに違法または適法かの判別はどうしても必要ですが、疑わしい場合を適法か違法か判断しなければならない負担は回避することができるでしょう。
ともかく、CDAのあたりの議論をもう一度思い出す必要がありそうですね。
投稿: 町村 | 2007/05/07 07:43
ISPが法的判断を迫られないノーティスアンドテイクダウン制度なんてあり得るのですか?全件訴訟または特定のADR等で削除すべきとの結論が出た場合以外は一切の削除に応じない等の特殊なシステム以外には考えがたいですし、そのようなシステムではやはり違法情報を放置したとして幇助責任を問われることは回避しがたいのではないですか(少なくとも、迅速に適法・違法性の判断をしてくれるADRが現存しない以上はですね。)。
なお、「被害者の主張だけ、あるいは警察発表だけ見れば発信者が悪い奴に見えても、実際はそうでもないケースは沢山」ありますか?特定の女子生徒の実名を掲げて「うざい」だの「ブス」だのと罵るコメントを「学校裏サイト」に投稿した今回のケースについて、そのようなコメントを削除すべきでない理由として考え得るものとして、町村先生はどのような事情がありうるとお考えなのですか?
しかし、投稿者の匿名性を高度に保障されている状態で、当該投稿の文言には現れない、現実社会での投稿者と被害者との関係を斟酌してもなおその投稿が違法であることが明らかであることまで立証されない限り、文言上名誉毀損ないし侮辱にあたると判断されうる投稿についても掲示板の管理人は削除義務を負わないとすると、被害者としてはかなりお手上げですね。発信者情報開示請求等を行って当該発信者がどこの誰であるのかを知った上で、その発信者との関係ではそのような投稿をされるいわれがないことを掲示板管理人に主張・立証しないと、削除には応じてもらえないわけですね。
CDAのときって、そんな手続き法的に加重な要件を課さなければならないって話をしていましたでしょうか?
投稿: 小倉秀夫 | 2007/05/07 08:18
ハスカップさんのことは、北大に行けばわかるのですか?
私は、ハスカップさんがどこの誰であるのかを存じ上げていませんので、現実社会でもそうなのだということは申し上げていないつもりですが。
例えば、
> 言い尽くされた蛇足で恐縮ですが、昭和50年代から(イン
>ターネットが普及する以前から)言われているのは
>
>>もし弁護士に依頼するなら
>>(1) 二つのミスリーディーング(R&L)をしない人
>>(2) 法律以外の専門知識で知ったかぶりをしない人
>>(3) ロジックミスをしない人
>>を慎重に選べ
>
>が今でも通用するのではないかと思います。
ということばからは、昭和50年代頃の文献に
>もし弁護士に依頼するなら
>(1) 二つのミスリーディーング(R&L)をしない人
>(2) 法律以外の専門知識で知ったかぶりをしない人
>(3) ロジックミスをしない人
>を慎重に選べ
という記載のあるものがあってそれを引用されているのだろうということを一般に予想すると思いますが(わざわざ「>」という引用記号を付していますし)、その出展が明示されていないですね。
投稿: 小倉秀夫 | 2007/05/07 08:25
> そんなに警察は信頼できる存在でしたか?
エントリ本文の根幹には、こういう不信感があるのでしょうね。その不信感が「事実」であるなら、納得できる話ではあります。が、「そんなに警察は信頼できない存在ですか?」(←別に親戚に警察関係者がいるわけではありません)
私自身、警察に全幅の信頼を置いているわけでもないですが、たいていは“民事不介入”とやらで手出しされない(できない)方が多く、警察にとって基準を作る話というのはたいてい「手出しできなかった部分に手出しさせるため」という方が多いのではないでしょうか。これを機に同様の(=通知を受けた問題を知りながら放置している)管理者が「どんどん」立件されて、彼ら「だけ」に萎縮効果を招いても(あるいは放置されなくなっても)問題はないのですよね?
そもそも「警察が信頼できないから基準を作ろう」という話をされているのだとしたら、それって適切な表現なのか疑問なのですが。
以下、余談。
> 不特定が閲覧可能な電子掲示板等において「ブス」と罵ることを正当化する法理はない
①「A子ってブスだよねぇ」②「それがさ、朝早く来て、みんなの机を掃除してくれてるんだよ。人は見かけによらないってことさ」という会話があったときに、A子さんから削除依頼の通知を受けずに①を削除することはためらわれますね。
投稿: mohno | 2007/05/07 12:45
小倉秀夫様
あなたは実名を名乗っていらっしゃいますよね?
なのに「誰が言ったか」を二度も追及して過剰にこだわるのはなぜかしら?(私は全部出典を明示しておきます)
>ハスカップさんの記述って、引用元がわからないものが多いですね。(このエントリ投稿 小倉秀夫 | 2007/05/07 02:14)
>ハスカップさん(中略)その出展が明示されていないですね。(このエントリ投稿 小倉秀夫 | 2007/05/07 08:25)
>匿名さんは「誰が言ったか」に過剰に拘る
http://benli.cocolog-nifty.com/la_causette/2007/01/post_b34c.html
投稿: とおり杉 | 2007/05/07 13:56
このフレーズの原典は
米国映画「シビルアクション」
http://www.ywad.com/movies/275.html
http://www.eiga-kawaraban.com/99/99120101.html
に出てくる科白じゃないかしら?(映画ファンのネタばれ注意)
>>もし弁護士に依頼するなら
>>(1) 二つのミスリーディーング(R&L)をしない人
>>(2) 法律以外の専門知識で知ったかぶりをしない人
>>(3) ロジックミスをしない人
>>を慎重に選べ
投稿: とおり杉 | 2007/05/07 14:34
>おそらくほとんどの会社は、社内の掲示板に、特定の従業員の名前とともに「うざい」とか「ブス」とかとの悪口が書かれているのを発見した場合には
会社内のわかりきった環境ならそういうほうが多いですけど、
掲示板管理人が、「発信者と「被害者」との以前のやりとりとか、あるいはリアル社会の関係とか、さらには真実かどうかとか、そういう要素を考慮」できる状況にないことを完全に無視しています。
町村さんが【小倉さんが字面だけでも違法と判断できるケースを念頭に置いていることは分かりました】と言っていますけど、それに当てはまらない場合を執拗に無視されるのは意味がないから止めたほうがいい。
毎度のことながら、
>特定の女子生徒の実名を掲げて「うざい」だの「ブス」だのと罵るコメントを「学校裏サイト」に投稿した今回のケースについて、そのようなコメントを削除すべきでない理由として考え得るものとして、町村先生はどのような事情がありうるとお考えなのですか?
多分、今回の件を拡大して、今回の件と違う内容に当てはめないでくださいという回答だと思いますけど。
町村さんが【小倉さんが字面だけでも違法と判断できるケースを念頭に置いていることは分かりました】と言っていますけど、【今回の件】と違いそれに当てはまらない場合を執拗に無視されるのは意味がないから止めたほうがいい。
>しかし、投稿者の匿名性を高度に保障されている状態で、当該投稿の文言には現れない、現実社会での投稿者と被害者との関係を斟酌してもなおその投稿が違法であることが明らかであることまで
>発信者情報開示請求等を行って当該発信者がどこの誰であるのかを知った上で、その発信者との関係ではそのような投稿をされるいわれがないことを掲示板管理人に主張・立証しないと、削除には応じてもらえないわけですね。
なにをおっしゃいますやら。
投稿者が匿名であることは、「クロかシロか?」の判断意は何も関係がありません。
同じ「バカにされた側」でも、それを嫌がる被害者と、嫌がらない人がいるということなのですから、被害者が関係性を立証する必要はないんですよ。
「もしかしたら気安い関係だから、わかりきってお互いやっているのかもしれない。消していいのだろうか?」と言うときに関係を斟酌する必要はあるでしょうが、「あの発言誹謗中傷です」とかいうときに、相手が匿名で関係がわからないからといってシロになるわけないじゃないですか。
馬鹿ばかしい。実に馬鹿ばかしい。
そんな意味のないこと、誰も言っていません。
投稿: サスケット | 2007/05/08 01:12
大和民族生き残りが問われる大震災復興構想計画
<万里の防潮・長城を三陸海岸に築こう!東北沿岸の複数拠点に防災型超高層ビル建立を!>
★「高台」より「中空」重視へ発想転換すべし。
「早く、早く 高台によじ登れ!津波が迫っているぞ」。…絶叫の声がまだ耳に残る。住宅地は高台へ移そうー無理もないが、ちょっと、待って。日本の高い科学技術を活かした改革は無いものか。
あった!中国・四川省の復興の図だ。中高層の共同住宅ビル群の林立の映像を見た方も多かろう。この日本版を描いてみる。
被災地の東北地方沿岸部にある大きな入り江数ヵ所の中心部に、わが国建築技術を結集した多極的な超高層ビル数棟を建設する。これは、大津波の圧力に耐えられる堅固な構造で、一案として、長崎の軍艦島を高層化したような形の青写真もひらめく。へさきを太平洋に向けて聳えている。その建設地の地盤は、液状化対策で世界をおどろかすような、安全で磐石な土建法を早急に発案して、十分余裕を持った足がかりとする。
各地拠点ビル群には、行政機関も中にいれ、民間の本社、本部を収容する。日本の先端技術のセンター化にも最適である。いわば、東京の六本木ヒルズ数本が立ち並ぶ姿を考えてみる。もちろん、天災再発の際の避難に備えて、非常時の物品がそこに用意される。
中国に残される万里の長城を沿岸一帯に建て巡らす構想で建てられた、高さは25メートルの堅固な防潮壁(粘着型2隊列タイプもあり、築港計画含む線引きで)に守られた三陸海岸周辺地には、水産加工業を含めた環境型工場群が置かれ、中間に漁民も含めた住宅地を区画する。内陸部の都市計画としては、拠点タワービル棟を中核とするほか、大東亜戦争敗戦時に引かれたダイナミックな名古屋市再建図が参考になろう。
注目すべきは、これらの青写真作成の際、現在の行政区画は念頭に無いことで、法制、税制など諸制度は「特区」扱いとなり、事実上、本当に「独立東北国家」が現出するのだ。
特記したいのは、この構想のハード面を受け持つ建設主体は、公正なゼネコン共同体を中心に、関係自治体、あらゆる民間業界の総参加型体制をがっちり組むことが必要である。膨大な費用と表裏をなすわけだから、利権がはこびるスキを与えない、これが構想の成否を分けるといって過言ではない。大東亜戦争敗戦前に当時の内務省が密かに練った荒廃の首都・東京復興案が、翻弄されて未遂に終わってしまったテツは二度と踏むまい。
後藤新平氏や戦後名古屋市長を挙げるまでもなく、だからこそ、最強力なリーダーシップが求められる所以である。
いまの日本の科学、文化レベルからして、以上の構想はけっして空想などではなく、英知を結集すれば実現可能な価値ある提言と確信する。オール日本、大和民族はいま、決断すべきときーー。
◇ ◇ ◇
現代の「後藤新平」は、岩手に雌伏する大器・小沢一郎をおいてない。いまを生きる日本人では、上記大改革を遂行できる器のひとは他に誰も居ない。産業界、政界、官僚らをぞろり束ねて駆使できる人材……だ。未曾有の惨禍を復活させる復興庁長官かポスト宰相に小沢を選出することが王道であるのを、賢い日本人はまもなく気付く、いな気付かねばならない。
たとえ微罪があるとしても、故国・故郷大建設という「労役」で償ってもらう。政権交代実現後、検察・官僚とマスコミからの反攻にあって、事実上政治的に御用となってしまった手足の縛り目を、誰にも解決できないこの大事の前に早急に解き放って、精根を尽くしてもらおう。
白羽の矢を現代日本最大の実力者、東洋の大人の頭上に。有史以来のこの不幸な時代に、列島のサイコロの目がこの方の両肩の上に重なっているのを知るべし。
あえて言えば、この未曾有の危機・荒廃に面して、政府も民間も、「下手な考え」の吊るし柿や重ね餅をこね回して、結局何もできない事態を招くより、偉人傑人のみが持つ独創力、爆発力を盛り立てていくことこそが、日本復活のカギをにぎるのをもう一度銘記しなければならない。
★決然と起て!憂士・小沢一郎 天佑の時は至れり 悲嘆する東北の民が待つ 失意する大和民族が渇望する 世界中が変転を注視する 天医を侍らせつつ平成の維新を完遂せねばなるまい あるいは生命との競争となろう 一千万人といえども吾往かん!
投稿: 加奈 | 2011/06/18 13:52