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2007/04/12

arret:移送申立却下決定への抗告審

商標権侵害事件と二重起訴がらみでの管轄争いである。

知財高決平成19年4月11日(PDF全文)

読んでみると、中々面白い。

名古屋の会社が名古屋地裁に、商標権侵害に基づく損害賠償債務の不存在確認請求訴訟を提起したところ、その相手方が東京地裁に同じ商標権の侵害差し止めと損害賠償を求める訴えを提起した。

東京訴訟の被告が名古屋への移送を申し立てたというのが本件。

消極的確認と積極的給付訴訟との二重起訴状態にある中で、後に提起された給付訴訟の方が優先するという判断である。
事情として、名古屋訴訟の方が訴状は早く提出されたが、補正などしているうちに、東京訴訟の方が訴状提出され、先に送達もされたという経緯があり、これに加えて消極的確認と給付訴訟との関係から、上記結論に至ったものだ。

民訴学者ぐらいしかおもしろがらないかも知れないが、一応、中西康京大助教授の訳文によるブリュッセルI規則を参照しつつ、検討を加えているブキッシュな趣のある決定である。

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