Secret Serviceはこんなこともやっている
アメリカのシークレットサービスというと、ケビン・コスナーのボディーガード(どちらかというとホイットニー・ヒューストン主演といいたいところでもあるが)を思い浮かべ、要人警護機関だと思っていた私は無知だった。
今日、Charlotte郊外にあるUS Secret Serviceのオフィスに行って、捜査官のお話を伺ったが、FBIと並ぶ連邦レベルのサイバー犯罪センターを運営しているのであった。
これは、要人警護と並ぶもう一つの任務の柱に合衆国の安全を脅かす犯罪に対する捜査が課せられているためで、カード犯罪やオンライン詐欺、成りすましなどを対象とする捜査機関の顔も持っているわけだ。
その活動はFBIと協力関係にあり、例のパトリオット法に基づいて、全米24箇所にわたるElectronic Crimes Task Forces (ECTFs)を構築している。
このタスクフォースの下で、FBIや州、郡、市の各警察とのネットワークのみならず、民間企業や研究者とも協力関係を構築しているところが特徴的である。
シークレットサービスの作った警察向けの「電子証拠差押えのためのBest Practice」という小冊子をもらったが、極めて簡潔明瞭でビジュアルに、最新の電子データデバイスも含めて紹介し、捜索差押えに当たって必要な知識が用意されている。またDVDやVHSでの教育ビデオもあり、さらには(サンプルをくれなかったのが残念だが)シナリオをいくつか用意して被害申告を受けた捜査官のなすべき手段をロールプレイできるゲームも作られている。
日本のサイバーポリスが作ったビデオを思い浮かべたが、あれは一般啓発用、ここで作っているのは捜査官訓練用だ。ニッポンの警察も、この小冊子やInteractive教材は大いに参考になると思う。
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コメント
シークレットサービスは、昔から海軍法務部サイバー特捜課と、サイバー犯罪捜査ではライバルで、FBIの上を行ってました。最近はFBIも司法省のCCIPSの叱咤激励で実力をつけてきたので、ほとんど実力は互角だと思います。
投稿: ハスカップ | 2007/03/17 19:33
はじめまして。
元々、シークレットサービスは財務省所属なので、経済事犯はお得意
中の得意ではなかったでしょうか?
投稿: 別スレ6124 | 2007/03/18 01:18
そうですか。それは一般のイメージとは随分違いました。
投稿: 町村 | 2007/03/18 01:23
連邦経済事犯の捜査は、財務省の中では、内国歳入庁犯罪捜査部(IRS-CID:Internal Revenue Service, Criminal Investigation Division)のほか、BATF(アルコール火器タバコ取締局)が担当だったと思います。かのエリオットネスがここの所属でした(FBIやSSにあらず)。その後、司法省に移管されて爆発物も所管となり、アルコール・タバコ・火器・爆発物取締局(BAFFE:Bureau of Alcohol, Tobacco, Firearms, and Explosives)になったと思います。
投稿: ハスカップ | 2007/03/18 16:21
EFFのきっかけになったSteve Jackson Games事件は、Secret Serviceのちょんぼな捜査からおきたわけですので、サイバー犯罪では、重要なプレイヤーということではないでしょうか。
投稿: 高橋郁夫 | 2007/03/19 11:58
FBI職員から聞いたUSA法執行機関のジョークです。
Q「一番情報漏えいが多い機関はどこですか」
A「シークレットサービスです」
Q「なぜですか}
A「だって、組織名がシークレットをサービスする機関だから」
投稿: ハスカップ | 2007/03/20 01:53