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2007/02/01

「消えた判例」の怪 最高裁HPの浅知恵

最高裁の判例データベース登載基準というのは、全くブラックボックスなのだが、その掲載をめぐる具体的な動きが一つ表面化した。
FACTA:「消えた判例」の怪 最高裁HPの浅知恵

裁判所の判例データベースに載った裁判例が、当事者のクレームにより、掲載されなくなったというのである。
このようなことができるのなら、「載せないでくれ」クレームが殺到しそうである。

掲載基準について透明性を確保して、不公正な裁量を廃したシステムを構築しないと、判例データベースは破綻するであろう。

裁判例は、当事者のプライバシーそのものではあるが、法的判断の先例という点で公共の関心事そのものでもある。裁判所でどのような判断がなされたかということは、一握りの人間が自由裁量で記録するかどうかを決めてよい存在でないことは明らかで、法令と同程度の透明性やアクセス可能性が保障されなければならない。

判例というものの価値や重要性について極めて重く受け止めている司法関係者が、他方でこのような恣意的な操作を不透明な中でやってしまうというところに、他の談合企業や不衛生食品メーカーや欠陥隠蔽原発などと共通する人間性を感じる。
裁判所にも透明性と内部統制のメカニズムが必要であることは、いうまでもない。

(追記)別の意味の内部統制なら、最高裁もこれまで十分に行ってきた歴史がある。ここではそうではなくて、恣意的な操作ができなくなるような、明確なルールと透明性が確保された内部統制である。

(追記2)この問題に関する第一人者は立命館大学の指宿信教授だ。教授のブログでのコメント

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コメント

「FACTA:「消えた判例」の怪 最高裁HPの浅知恵」へのハイパーリンクが設定されていませんので、訂正お願いしますm(_ _)m。

投稿: 増田尚 | 2007/02/01 10:51

おかしいな。
最高裁の呪いでしょうか?

追加しておきました。ご指摘ありがとうございます。

投稿: 町村 | 2007/02/01 10:59

 児童ポルノの裁判例でも、「法令適用」とか都合が悪いというか肝心なところが省略されていたりします。
 刑事判決もほとんど公開されていないし、公開される見込みもないし、頼めば見られないこともないし、足を運んで運んで調べれば、それなりに主張が通ることもあるので、この程度の公開でもいいかなと考えています。

投稿: 奥村(大阪弁護士会) | 2007/02/01 17:40

 それで得られた情報を著書の形で刊行していただければ、間接的に判例の公開ということになると思います。
 児童ポルノ法関連の解説書は、「法律の解説」でしかなく、それが実際はどう運用されていて、どこまでがセーフでどこからがアウトかがよくわからないんです。

投稿: Inoue | 2007/02/02 04:17

児童ポルノ・児童買春の裁判例の公開については、従来から保管検察官から警戒されているわけですが、今度はというか今回も伏兵弁護士会の登場です。
 最初の事件特定(判決日と事件番号)を弁護士法23条の2で得ているので、弁護士会からも裁判例の公開は目的外使用になると、釘を刺されています。受任事件の処理を越えて、研究の領域に入っておるということらしいですよん。こっちはその境地で事件処理をしてるんですけどね。
 調べてもいいけど、語る勿れということだそうです。
 もったいないけど、裁判所と検察官と被告人にしかお教えできません。
 

投稿: 奥村(大阪弁護士会) | 2007/02/04 22:28

ちなみに、奥村が例に挙げたのは、東京地裁平成14年03月14日
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=01&hanreiNo=5855&hanreiKbn=03
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/EDB21E51F5970A5C49256B97001E110B.pdf
  (法令の適用)
   略
になってるでしょ。法令適用にプライバシーも風俗もないはずなのに、非公開。
 裁判書を閲覧すると、ここは、判示第1~10を併合罪としていて、判例上包括一罪となる数回のわいせつ図画罪も併合罪になっている。当然児童ポルノ罪も併合罪。かすがいで一罪になるという東京高裁・大阪高裁とも違う処理。奇しくも奥村説(児童ポルノ犯にとっては処断刑期が一番広くなる)。
 東京地裁も、ちょっと、自信なかったんでしょうね。
 そういうのは、非公開。

投稿: 奥村(大阪弁護士会) | 2007/02/04 22:39

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