不可代余人のishihara4からカルティエ展問題
石原都知事の4男の絵
きっこのブログに投稿されたメール経由で知ったページである。
ちなみに同所で紹介されているチンパンジー・アイちゃんの絵はこちらで見られる。
それはともかくとして、上記のきっこのブログ・エントリに記載されている都知事のスピーチは、破天荒なものだったようだ。都立の美術館で一種の引っ越し展をやるというオープニングセレモニーで、受け入れ側の都の首長が「見るべきものはない」というような趣旨の発言をする、それが石原流というわけである。
リベラシオンに紹介されているという、原文はこちらだが、もはやただでは見せんと書いてある。
その邦訳とされるテキストを見ることはできる。
都知事の記者会見でも「非常に進んだ外国の知見ってものを吸収しようと思ったら、一番いいのはちゃんとした翻訳で読むことでしょ?」といっているらしいので、上記ページで十分であろう。
きっこさんはニポンの恥とかき立てるわけだが、そしてそのページだけ読むと、まさしく恥ずかしくなってくるわけだが、他方でドイツ人と覚しき方のブログKafka goes Tokyo(日本語有り)やオープニングに参加された日本人のブログ「紺洲堂の文化的生活」などを読むと、多少は中和されてくる。
C-Net Japanブログも参照。
また、〜Aufzeichnungen aus dem Reich〜 帝国見聞録、こちらも石原という存在の一面の真理「人間五月人形」を紹介していて面白い。
なんか、色々素材を組み合わせていくうちに、よく分からないエントリとなったが、要するに思うことは一つ。
石原都知事の4男の「芸術」も、説明されないとさっぱり分からん(説明されてもどうか不明)という存在なのだが、カルティエ財団が買ってくれるレベルのものなのかどうか、日本を代表するアートとして海外に輸出されるレベルのものなのかどうか、よく考えてみよう。
| 固定リンク
「文化・芸術」カテゴリの記事
- 国立西洋美術館-内藤コレクションで教会法大全の写本を見る(2024.08.05)
- The Welkin(2022.07.08)
- 最近買った本:江戸時代の罪と罰(2021.11.15)
- 最近買った本:スポーツと法(2021.10.12)
- フランスで流れている東京五輪予告ビデオ(2021.05.22)
コメント
石原慎太郎は昔から嫌いでしたが、きっこさんのブログを読み、更に嫌いになりました。
投稿: koneko04 | 2006/12/25 03:53
市場価値が低い美術品を高く引き取るってのは利益供与の表に出にくい形です。ひょっとするとその意味で余人に替えがたいのかも。
投稿: kumakuma1967 | 2006/12/25 06:13
この度は、私のブログを取り上げていただいて、有難うございました!「紺洲堂の文化的生活」を書いております紺洲堂でございます。
ここ数日、ブログへのアクセスが急に増えておりまして訝しんでいたところ、町村先生のトラックバックによって事態を知ることができ、ようやく氷解した次第です。有難うございます。この問題が再燃するとは思ってもみませんでしたが・・・。
カルティエ財団が買ってくれるぐらいのレベルなのか、は私個人が実際に作品を見ていないので、作品の質については何とも言えません。ただ、世間的な評価からすれば、日本を代表する画家とは言い難いのではないでしょうか(もっともカルティエは世間的に無名な若手アーティストの作品も積極的に買っているので、有名=カルティエが買う、というわけでもなさそうですが)。
とは言いつつも、出張云々については芸術家としての氏の評価とは別モノであることには留意すべきではないか、と個人的には思います。
つまり、ここでは都税を使って出張しただけの「価値」を出したか否かが問題でありましょう。画家としてはイマイチでも交渉役としては適任という可能性もありますし。もし「使えない人間を送って、現地では遊び呆られ、手ぶらで帰ってきたのに経費を支給」ということであれば、そこを批判すべきであると思います・・・。
また、業績を上げてきたとしても「ノーギャラ、交通費支給、経緯を知り交渉役としてベストな人材」という条件で本当に4男氏?という点も明らかにしなければなりません。もっと成果を上げられたかもしれない人材を選ばなかった可能性もありますし。
出張の前後のプロセスがエコヒイキ、出張先での仕事の価値が低いということであれば分かりますが、「身内の無名画家」というだけでの批判には、あまり説得力を感じません・・・。仕事の評価がどうだったのか、ちょっと気になりますけれども。
投稿: 紺洲堂主人 | 2006/12/25 18:44
あ、どうも。
アクセス数は私も参照したきっこのブログ経由のせいでしょう。
出張云々の話は、おっしゃるとおり画家としての実力とは関係ない話だと思うのですが、どうも石原慎太郎はそう割り切るわけでもないような印象を受けています。
投稿: 町村 | 2006/12/25 20:42
TBいただき、またお褒めいただきありがとうございました。
確かに石原慎太郎って、異質なモノゴトどうしを連関させて考えられるタイプの才人だと思うのですが、その「才」を活かすというか見せつけようとする「欲」の深さの方がよりホンモノであるがゆえに、こういったもめごとを引き起こすのかなー、と思います。
石原くん本人よりも、その取り巻きに卑しい人間が多そうですね。なんとなく。
投稿: 桜樹ルイ16世 | 2006/12/25 23:34
いらっしゃいませ。
>彼の過激な精神性は「甘え」の一種として欧米側から解釈されている
という一文に深くうなずいてしまいました。こういった解釈は欧米側に限ったものではないし、往々にしてワザと乱暴な物言いをしてバンカラを気取る人々に共通して当てはまると思いました。
投稿: 町村 | 2006/12/26 00:26