edu:ノーベル賞受賞者は塾が嫌い
野依氏は「塾はできない子が行くためには必要だが、普通以上の子供は塾禁止にすべきだ。公教育を再生させる代わりに塾禁止とする」と再三にわたって強調。「昔できたことがなぜ今できないのか。我々は塾に行かずにやってきた。塾の商業政策に乗っているのではないか」と訴えた。
議事録ではこの場面が発見できなかったので、正確なところは分からないが、塾の機能・役割は各学校の入試のあり方に依存しているので、塾に行く必要のないできる子が正当に評価される入学試験のあり方を考え出さないと、塾を禁止するというのはピントはずれに思われる。
それにしても、座長であれ誰であれ、自由な発想の人々を集めて会議させておきながら、それらは全部無視して官僚が思いつくことしかとりまとめ案に書かないというなら、初めから官僚が自分で考えれば良かろうに。
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コメント
町村さま。現在、政府の教育審議会は二つあります。常設の中央教育審議会、安部内閣の儲けた臨時諮問機関教育再生会議です。野依は両方に委員として名前を連ねています。
どちらも人選にかなり問題があるのですが(教育の素人か、遙か昔に一線を引退した人ばかり)、中教審は歴史があるだけあって、それなりに地道な成果を上げています。継続は力なり・・・と。
しかし、教育再生会議は安部内閣と命運を供にする機関ですので、来年7月の参院選で敗北したらそれでお役ご免で、安部内閣の景気づけ以上の役割は期待されていません。何を言おうが報道されようが、諮問や提言が実現する見込みはないのです。
小泉内閣なみの強力で長期的な政権であるという見通しが立たないことには、この諮問機関も「言いっぱなし」で終わることになるでしょう。
野依良治に限らず、教育再生会議の発言は、相手にせず、聞き流しておくのがよろしかろうと思います。小中学校や塾を視察したこともない人間が思いつきを適当にしゃべって井戸端会議してるだけですので。
投稿: Inoue | 2006/12/24 03:40
>官僚が思いつくことしかとりまとめ案に書かないというなら、
政府の審議会はほとんどそれに近く、委員は名前を貸しているだけで、答申は官僚が作文するというのは結構有名な話ですが、それなら作文をした官僚の名前を答申に明記すべきであり、名目的な委員の名前だけが記載するのはおかしいでしょう。無責任体制につながります。
政府の審議会である以上、関係省庁から事務方が出てきてサポートするのは当然なのですが、明らかな事実誤認や誤字誤植を修正するならともかく(それでも勝手に修正することは許されない。最終的な認証を与えるのは委員の合議体であるべき)、事務方がほとんど書いてしまうのでは何のための審議会なんでしょうねえ。
いっそ、事務方が名前を連ねて審議会と称して好きなような答申や報告書を作ればいいのに。
投稿: Inoue | 2006/12/24 07:20
政府の審議会の類が大体そのような官僚代弁機関になっているというのは、定説のようになってますが、昨今は結構そうでもない審議会が存在しますよ。
事務局原案がひっくり返ることなどは結構見聞きしますし、それは何も審議会委員の先生たちが実質的議論をしているからだけではなくて、政治的な様々な力学が働いて、ということですがね。
ただ、教育再生会議に関しては、コイズミ道路改革とならんで全くの提灯機関のようで、しかもその使い手の腰の据わり方は全く違うみたいだから、おっしゃるとおり「安部内閣の景気づけ以上の役割は期待されていません。何を言おうが報道されようが、諮問や提言が実現する見込みはない」と私も思います。
でも、じゃあそれで納得、ごもっともかというと、そうでもないです。
投稿: 町村 | 2006/12/24 10:41
うーん、官僚が思いついた事、だとは全然思ってません。最近の審議会は政治家の思いつきの代弁が仕事ですよね?政治家に書く能力がないから審議会に言わせて官僚に書かせるってプロセスだと思ってます。
首相には中学時代から家庭教師がついていたそうですので、側近が削らせたのでは?
もっとも、野依氏が「昔できた事が何故今できない」と聞くだけで、実現方法考えてから発言したのでないのなら、単に「昔はよかった」と思いつきの感想を述べているだけなので、委員の発言として議事録に載せる必要のない言葉だと思います。
投稿: kumakuma1967 | 2006/12/24 11:42
「見てきたような受験塾叩き」のおかげで大変な思いをしている人が,このブログの回りには沢山いらっしゃるような気がしますが(笑)。
投稿: h | 2006/12/24 16:15
「見てきたような司法試験予備校たたき」とかね。
投稿: 増田尚 | 2006/12/24 16:27
学生がハイデッガーを知らなかったことを怨嗟のエネルギーにして,ここまできたんだから,それはそれですごい執念だとは思いますがね(笑)。
投稿: h | 2006/12/24 18:20
昔から一流の学者先生の中には塾が嫌いな方が多いですね。
某著名な先生は研究室のメンバーに塾講師と家庭教師を禁止されていらっしゃいました(私の恩師ではありません)。
旧通産省と旧文部省が塾業界の所管を争っていた時代でしたが。
ただ、補習塾で小中学校の学校教育の不足分を補完するのは国民経済上もいいことだと思うのですが、頭のいい学者先生の中には、それすらも理解できない方がいらしたようです。できない生徒・学生の能力限界とか教育環境や学習環境とかが最後まで理解できないようです。
投稿: ハスカップ | 2006/12/24 23:09
中学生の頃、クラスメートの殆どが東大、早稲田、慶應、上智といった一流の大学に進学するような私塾に通っていました。
アタシは落ちこぼれでしたが、クラスメートの殆どは、学校の勉強では物足りないというような人ばかりでした。
そういった環境に身をおいた経験から言うと、塾は自分のスピードでやりたいことをどんどんと学ぶ場でもあると思うのですが。。。
投稿: koneko04 | 2006/12/26 06:21