jugement:破産企業の商標無償譲渡と公序良俗違反
倒産した企業の使用していた商標「カクタス」を、従業員の一部雇用引受を条件にして無償で譲り受けた取引先(被告)に対し、倒産企業(後破産)の当時の代表取締役(原告)が、無償譲渡は公序良俗に反し無効であるとして、また詐欺であるとして、損害賠償を求めた事例。
この理由で元代表取締役に当事者適格があるのかどうか、疑問ではある。
なお、破産会社の管財人も同じ被告に対し、破産会社の在庫商品の廉価買い入れについて否認訴訟を提起していたが、和解で終了している。
破産直前の企業とその取引先が、破産企業の持つ販路を保存するべく、従業員の一部と従前の商標を継続使用することで破産企業と合意したというのであり、破産企業の代表取締役とは後に破産に至る経過の中でトラブルとなって本件訴訟に至った。
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