arret:参院定数不均衡大法廷判決
参議院の議員定数が最大で1:5.13の格差が生じている状態での通常選挙について、平成16年大法廷判決で是正の必要が指摘されていたが、その後当該選挙までは約6ヶ月しかなく、その後に定数是正の改正がなされたことを理由の一つにして、裁量権の限界を超えたものと判断することはできないとした。
定数についての裁量権の範囲を超えたかどうかに当たり、選挙後の事情も考慮に入れるという点で、興味深いものがある。
なお、この判決でも以下のような警告文が多数意見に付されている。
「上記の改正は評価すべきものであるが,投票価値の平等の重要性を考慮すると,今後も,国会においては,人口の偏在傾向が続く中で,これまでの制度の枠組みの見直しをも含め,選挙区間における選挙人の投票価値の較差をより縮小するための検討を継続することが,憲法の趣旨にそうものというべきである。」
司法のしゃべりすぎと批判する元判事が食いつきそうな点だが、いわゆる一つの傍論である。
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