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2006/09/18

cinemaブッシュ大統領暗殺

映画の話である。誤解無きよう。
Meine Sacheというブログで紹介されていた「大統領の死」という映画は、本物のブッシュの映像をCG加工して暗殺現場フィルムを作っているそうだ。
デイリーメールの記事で、クリップが見られる。

イギリスのch4政策だが、トロントで上映され、アメリカ国内でも配給が決まっているということである。
こういうのを見ると、アメリカという国の懐の深さが改めて感じられる。ブッシュ側の逆宣伝かと勘ぐる向きもありそうなくらいだ。映画自体の中身は見られないので、その面の評価はできないが、その上での感想。
北朝鮮は論外として、中国の反体制狩りも天安門事件から最近のネット閉鎖までを思い起こせば、正統性のない権力という他はない。そのことを十分分かっているからこそ、自国民に剣を振るうのであろう。少し単純化しすぎているかもしれないが。

さて、わが日本。この手の映画が作れるほど自由な社会か? 例えば天皇暗殺映画とかを作ったらどうなるか? あるいは、例えば男性皇族が全員不慮の事故で死んで、愛子天皇となった時代のシミュレーション映画なんてのを作ったらどうなるか?
法的には、表現の自由が保障され、作りたければ勝手に作ってよい、作ったところで刑罰は受けない。
しかし実際には、どこかのバカが銃弾を送りつけたりするのは序の口で、上映する場を奪われたり、公権力の露骨な妨害があったり、実家に放火されたり、人知れず行方不明になるということもないとはいえないだろう。
そして海外でその手の映画が作られても、日本国内ではほとんど視聴の機会がないだろう。マスコミもほとんど黙殺するだろう。たまに文化欄で少しだけ紹介されても、それだけ。要するにタブーであり、このタブーは公権力の力によって維持されているよりももっと始末の悪い強制力を持っている。
内容についての批判以前に、タブーを破るような映画を作ること自体、見せること自体、いかがなものかというわけである。

そう言えば、ロシアで作られた昭和天皇の苦悩を描く映画というのが最近あるはずだが、日本国内では上映されても報道されないのだろうなぁ。確か、イッセイ尾形ではなかったかな? 上のシミュレーション映画よりぐっとおとなしい内容だが。
これもYahoo! Moviesでは出てくるが、Yahoo! Japanでイッセイ尾形を引いてみても出てこない。
ちなみに、Yahoo! Moviesではイタリア映画とあるが、Wikipediaではロシア映画とある。日本の配給元のサイトには、ロシア・イタリア・フランス・合作とある。

専用サイト太陽によれば、順次公開館が拡大しているようだ。

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コメント

>タブーを破るような映画を作ること自体、見せること自体、いかがなものかというわけである。
その様な目的の映画だと実験映画に類する作品になりましょうから
一般大衆向けの娯楽映画みたいな公開形態は元より難しいでしょうねぇ。

実験映画なら一昔(二昔?)前のATG作品群みたいな感じでしょうか?
ミニシアター系か、昨今ならネット配信などで公開が限度かと。
あとはDVDなどで発売できれば御の字か?

>ロシアで作られた昭和天皇の苦悩を描く映画
イッセー尾形ですね。
これ、ぜひ個人的には観てみたいと思っております。
地方都市では劇場公開など望むべくも無いので
DVDなどでの発売に期待するしか無いかなぁ。

投稿: 失礼します | 2006/09/18 12:34

アメリカだって、「ないとはいえない」よ。

投稿: あのなー | 2006/09/18 13:08

上記のリンクをみると、地方の方がたくさん上映されているみたいですね。>SUN

アメリカだってないとはいえない<ご指摘の通りです。

投稿: 町村 | 2006/09/18 16:34

>上記のリンクをみると、地方の方がたくさん
ある意味、錯覚というか騙し絵というか上手い例えが思いつきませんが>上映館リスト
ミニシアター系公開映画の多くは概ね似た様な感じですけども、全く上映予定のない県も・・・

投稿: 失礼します | 2006/09/18 22:21

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