楽天証券の不利益記述がWikipediaから削除される
現在(2006.8.30 15:57)、Wikipediaで楽天証券を見ると、「このページ「楽天証券」は、保護の方針に基づき編集保護されているか、あるいは保護依頼中です。現在の記述内容が正しいとは限りません。編集を中断し、ノートで合意を形成した後に保護の解除を依頼してください。」とある。
その原因は、「ネット証券Blog2で指摘され、テクノバーン社の記事でもそのことをが取沙汰されたが、楽天証券に割り当てられているIPアドレスからの投稿により、楽天証券に都合の悪い箇所が改変されているとの指摘があった。指摘されているのは、楽天証券とマーケットスピードの二つの記事である。」に関することのようである。
楽天証券に割り当てられているIPアドレスからアクセスした誰かが、Wikipedia上の楽天証券に不利益な記述を削除したというのだから、格好悪いことこの上ない。もちろん楽天証券の会社自体がそういうことをしたとは限らないのだが。
Technobahnという株式関連ニュースによれば、次のような次第らしい。
「今回、楽天証券が削除していたのは2005年11月16日に金融庁から行政処分が下されたと いう記述。2006年1月9日に加筆されたこの記述が、2006年7月6日になってから楽天証券 のIPアドレスから削除。この記述は7月30日になってから再び復活したが、8月8日にな ってから再び、楽天証券のIPアドレスから削除されていた。」
せっかく注目させてくれたのだから、その行政処分とは何だったか探してみようと、金融庁のサイトに行くと、楽天証券株式会社に対する行政処分についてというのがあった。
楽天証券IPアドレスを使える人物は、金融庁のサイトに侵入して削除することまではできなかったらしい。
ちなみにこの事実を明らかにしたらしいネット証券Brog2というサイトは、アクセスが集中したのか、それとも他になんか事情があるのか、Service Temporarily Unavailableとなっている。気の毒なことである。
Wikipediaは信頼に値するメディアかというと、もちろん一つ一つの記事について信頼できる保証はないのだが、相互に利害関係のない多数人が記述に関わっているという点から、全体として信頼レベルが高くなっているのである。
今回のような、自己に不利な記述を削除するというな挙に出ることも可能だが、それが他の人の目にさらされて顕在化するし、それをめぐる調整の議論もまたノートという形で明らかになる。その上で一定の方向性が打ち出されていくのであるから、たとえ立場を異にする人であっても批判は可能である。いわば、反証可能性が保証された世界ということができよう。
ただ、これもWikipediaに寄与する人々の質によるわけで、そのバランスは決して盤石ではない。大勢の人が興味を持つホットイシューは荒れて麻痺するかもしれないし、ロングテールの端の方のようにあまり人が集まらないテーマだと、多数人の目にさらされることによる不当排除効果が期待できないかもしれない。
追記:
その後、楽天証券は社内の人がやったことを認めて謝罪した。
楽天証券、ウィキペディアの削除について謝罪
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