jugement:携帯メールで辞める意思を伝えたら、自主退職?
会社の上司であったAに対して携帯電話でのメールのやりとりを何回かしていたが,平成17年7月11日午前8時26分に交信された本件メール(その内容については争いがない。)では,当日は体調を崩して休むこととあわせて,「保険関係が解決する来月下旬までは会社においてください。解決したら退職しますので,もう少し我慢してください。よろしくお願いいたします。」との記述がある
その後、原告は9月に会社から解雇を言い渡された。
しかし、7月のメールで退職を申し出ていたとして、解雇予告手当を払わないといわれたので、原告が解雇予告手当の支払いを求めた事案である。
裁判所は、上記の携帯メールが退職届にならないとした。
労働契約解約告知となるべき退職届は、確定的な意思を示すもので、限定的な場合に限られるが、このメールは確定的な意思表示と見られないことがその理由だ。また合意退職の申し入れにもならないとした。
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コメント
以前勤めていた会社で、入社して2週間で退社した女性のことを思い出しました。
この職場は仕事の量が半端ではなく、アメリカの会社なのに忙しい時は夜中の12時までみんなが働くというような異常な環境でした。
どうしても会計事務所で監査の仕事をしたいと入ってきたのはいいけど、あまりの仕事の量と覚えなくてはいけないことの多さと、仕事場の環境の悪さなどに嫌気が差したのか、ある日電話で辞めることを伝えてきました。
その時の言い訳が、週末に愛犬のちわわを追いかけて路上で転んで足を折ったから、車を運転して会社に来ることができないから。。。という凝ったものでした。
足が治るまで迎えに行こうかと同僚が言ったら、そういうことをされると困ると断られたそうです。
携帯電話ではなく普通の電話で退職を伝えてきましたが、彼女の辞める理由を聞いた時はうそのつき方にもいろいろあるなと内心呆れてしまいました。
投稿: koneko04 | 2006/08/09 13:54
へ~、なんで会社はわざわざ解雇にしたのでしょうかねぇ?
話の流れでは、そのまま欠勤となりそうだし、欠勤しなければ「メールは冗談」のようなことだろうし?
会社の士気に関わるとかなら解雇予告手当を支払えばよいわけだし。
どういう判断で運営(経営にあらず)している会社だろう?
投稿: 酔うぞ | 2006/08/09 14:39
この会社は店じまいする予定であったのですね。で、従業員は全員解雇だけど、自ら辞めると言っていた原告には解雇予告手当を払う必要がなかろうと、ケチを決め込んだのではないかと思います。
投稿: 町村 | 2006/08/09 18:35
携帯メールで暴行の教唆(やっちまえ、というような)をしたら、教唆犯で起訴された事例がありましたので、携帯だからといって軽々しくメールを打つものではないと思います。
携帯メールで教え子に「好きだ」というようなメールを100回以上も送りつけて処分された小学校教師もいました。
電話も記録が残りますが、あくまでも通話記録であって、中身は記録されませんが、メールは記録が残りますし、しかも携帯メールは非固定IPのPCと違って、発信人を偽造できませんから、証拠能力は十分あるでしょう。
投稿: Inoue | 2006/08/10 11:41
町村先生
>この会社は店じまいする予定であったのですね。
な~るほど・・・・。
ま、賭に負けた、ってところですか。
投稿: 酔うぞ | 2006/08/10 12:58
そういうことでしょう。
少額訴訟だし、本来の想定内的な使い方かもしれない。
投稿: 町村 | 2006/08/11 13:48