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2006/07/30

jugement:医療事故の責任を認めなかった例

千葉地判平成18年6月26日(PDF判決文)
小児もやもや病の治療のため頭蓋内外血管間接吻合術を受けた患者が手術後に脳梗塞を生じ死亡したことについて,手術後の看護師による神経症状や血圧測定を含む観察内容及び観察頻度は不十分であったが,担当医師らが術後の合併症についての観察等を尽くしたとしても,患者の救命が可能であった高度の蓋然性も相当程度の可能性も認められないとして,担当医師らの損害賠償義務が否定された事例

ここでも、看護スタッフの経過観察の不適切が過失と認定されているが、損害との因果関係が否定されている。

結論的には、期待権侵害を認めた事例と異なるので、どの辺が異なった原因か、事実関係に立ち入りすぎるきらいもあるが、整理してみるとよいかもしれない。

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コメント

期待権の内容の違いにあるのではないかと考えます。

どちらも「健康被害を起こす事なく医療が行われてしかるべき」という期待には反しております。しかし、医療の限界というものは常にあって、医療過誤がなくても不幸な転機をとなることを0%にすることは出来ません。きちんと医療を行った上で避けられかった場合は、この期待に反しても賠償は認められるべきでないと考えます。

それに対して、「妥当な医療を受けられる事」の期待権に反していたどうかが、以前のスレッドと今回のスレッドの事案での大きく違うのではないかと考えます。

臍帯脱出で急速分娩を行って産まれた新生児が重度の仮死状態であった。蘇生処置を行い、外見上蘇生に成功したと判断出来る状態にあった。
しかし、この時点で「臍帯脱出による低酸素性虚血性脳症になっていたのか」、また「低酸素性虚血性脳症なっていたとしても重症度はどうなのか」という評価はどんな名医でも出来ません。
この時点で「高次施設に搬送して医療を受ける」ということは、「妥当な医療を受ける」という期待権に合致すると考えます。

しかし、このスレッドの事案では、手術後の経過中の変化についてここで受けた医療以外に「妥当な医療を受ける」事が期待出来たという選択肢が考えられません。
従ってこのスレッドの事案について「妥当な医療を受ける」期待権に反していないと自分は考えます。

投稿: 産科のない病院へ移った小児科医 | 2006/07/30 14:44

解説をありがとうございます。

投稿: 町村 | 2006/07/30 19:55

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