news:人質司法に抗し、釈放される
毎日新聞サイトより
事故は昨年6月27日午前2時50分ごろ発生。世田谷区用賀1の国道交差点でパトカーに追跡された乗用車が原付バイクと接触、新聞販売店の従業員(26)が重傷を負った。榎本容疑者が運転し、菅野容疑者が同乗していたが逃走。玉川署は両容疑者の供述などから、運転していたのは塗装工の男性だったとして、危険運転致傷容疑で昨年8月に逮捕した。
この塗装工の男性は、乗ってもいない車に運転していたと真のひき逃げ犯やその仲間から名指しされ、それで逮捕起訴され、以後10ヶ月、保釈もされることなく拘留され続けていたわけである。
公判は既に8回開かれていたというが、その間塗装工の男性は否認を貫いたようで、上記榎本らが別の窃盗で逮捕され服役していて、そいつが白状したため、無実が認められたということだ。どこで白状したかは書かれていない。
ひょっとすると釈弁護人が法廷で榎本らを証人尋問し、「逃げる場所はありませんよ」とやったのではなかろうか?
それはともかく、ひき逃げ犯が「運転していたのは私じゃありません、あいつです」といって名指しされれば、乗ってもいない車を運転していただろうと決めつけられて、逮捕拘留され、無実をいくら叫んでも、真犯人が白状するまで保釈もされずに閉じこめられるというのが現実である。
記事からは明らかでないが、塗装工の男性と真犯人が全く無関係というわけでもなさそうだし、例えばひき逃げ車両をかつて運転したことがあって指紋等の痕跡が残っていたとか、そういったこともあるのかもしれない。
そうだとしても、人質司法の罠にはまるのは、明日は我が身かもしれないとつくづく思う。
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コメント
動画で見れますよ。。。
http://www.dai2ntv.jp/common/misc/kochi2/realtime/streaming/index.html
投稿: さわ | 2006/06/29 21:09
マスコミ報道によると仲間が十数人口裏を合わせて犯人隠避の共謀共同&実行共同分担したみたいです。
これなら優秀な検事さんも騙される(騙される検事w)?
投稿: ハスカップ | 2006/06/30 00:16
警察と検察が,本当に心から「申し訳なかった」と思っているのなら,口裏合わせをした連中を一人も漏らさずに徹底的に追いつめてケジメをつけさせることですね。「人質司法システム」を今後も変えないというのであれば,なおさら。
そうじゃなきゃ,ふんぞりかえって「おわび」という文字並べてるだけで本心は切り捨て御免ということでしょう。「風雪に耐える捜査」という言葉がむなしく響きます>伊藤次席。
投稿: h | 2006/06/30 01:22
友人たちのお手柄だそうですが、
弁護人は何してたんだという気もしますね。
投稿: 弁護士奥村徹(大阪弁護士会) | 2006/06/30 05:46