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2006/06/22

accord:暴力団事務所の使用差し止めが和解

原告側が建物買い取り 組事務所訴訟で和解
中日新聞ニュースからだが、以下のように報じられている。
「岐阜市九重町の住民らが、指定暴力団山口組系正木一家の組長夫婦を相手に、町内にある建物の組事務所としての使用差し止めを求めた訴訟の和解が21日、岐阜地裁(筏津順子裁判長)で成立した。県など出資の「県暴力追放推進センター」が夫婦から土地と建物を買い取ることで交渉が成立。売却額は2500万円前後とみられる。」

暴力団組事務所を立ち退かせたことは、住民にとって大きな勝利で、喜ぶのも分かる。
しかし、これでは巨額の「みかじめ料」を支払ったも同然ではないか。
公序良俗違反の例として、必ず習うのが、「違法行為の見返りを支払う契約は無効、そして違法行為をしないことの見返りを払う契約も無効」ということである。
暴力団が暴力団として認識される行為は、すべて犯罪行為であり、違法行為だ。そのような行為の拠点として土地建物を使用することもまた、違法行為の一部であり、だからこそ使用差止めが認められる(乱暴にまとめると、だが)。

#念のため付け加えておくと、暴力団として認識される行為を一切しないのであれば、別に違法ではないし、そういう人はそもそも定義上暴力団ではない。

形式的は不動産の買い取りであって違法行為をしないことの見返りではないが、実質的には暴力団に金を払って出ていってもらうわけで、少なくとも報道されていることの限りでは、公序良俗違反の和解ではないかという疑念を禁じ得ない。
それに2500万円をせしめた暴力団が、それを元手に何をするのか、そのことについても「県暴力追放推進センター」は監視する責任がある。

#安全なところに身を置いている外野が勝手なことを言っているという非難は甘受するが。

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コメント

2500万円のでごとろが記事からはわかりませんねえ。

組事務所として使用しないことについて間接強制、その金員が2500万円こえたからそれで和解、ということであれば特に問題はないと思いますが、そういうわけかどうかは確認できてません。

投稿: 岡本哲 | 2006/06/25 00:35

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