sympo:公法と私法の<協働>
法社会学会の企画委員会による全体シンポジウムは「公法と私法の<協働>」というテーマであった。
なかなか難しい、壮大なテーマだが、話の筋は規制緩和の関連、すなわち行政サービスの民間委託という方向の問題と、逆の筋、民間の権利・利益調整における行政の役割という方向の問題とが混在している印象を受けた。
また素朴にいって、労働法、経済法などの公法と私法とが混淆した法分野があるので、その蓄積にほとんど言及がないし、パネリストにも一人もいなかったところに疑問を禁じ得ない。
もうひとつ、司法と行政・立法の役割、つまり司法機能の拡大という話が田中成明先生も登場して、大きく取り上げられていたが、公法と私法との関係論と司法機能論とは同じではない。その点が見えないまま、パネリストの話の中では区別が当然の前提となっていたように見受けられる人と、もっぱら司法機能の話をしている人とが混在していて、聞いている方はどこに焦点を合わせて聞いていいか分からなくなるという落とし穴があった。
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