constitution:憲法記念日
不磨の大典は1890年に施行され、1947年に失効した。不磨の存続期間は57年。
現憲法はもう59年で、60年目に突入している。
昭和は60年少々で終わった。
憲法も60年間、無改正で続くのは長過ぎる。
もちろん変な風に改正されるのはご免だが、何をもって「変」とするのかが人それぞれだけに、微妙だ。
今日の日経朝刊で五十嵐敬喜教授がドイツ憲法裁判所裁判官の話を紹介していた。
「憲法裁判所は国民に基礎を置くわけではなく、民主主義の正当性に欠ける。それでも神の摂理、憲法の基本的価値に基づいて裁かなければならない」
ユダヤ人排斥を国民投票で採用したら、それを押しとどめる役割が憲法裁判所だということなのだが、戦前のドイツに憲法裁判所があったら、押しとどめられたというのであろうか?
憲法記念日ということで、一月くらい前に買ってあった小林直樹の『日本人のための憲法原論』という本をパラパラと読んでみたが、ドイツの第一次大戦後について権威が失われたアノミー社会であって、それは戦後ニッポンと同様だという。「痛快!憲法学」の時から立ち読みはしていたが、改めて読んでみて、どうもこれは怪しげな雰囲気が漂っている気がする。
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コメント
ドイツ国民の大半が、1930年代初頭において、
「ベルサイユ体制が現在の経済的苦境の原因だから、それを打ち破らねばならない」
と考えてしまった以上は、遅かれ速かれヴァイマル共和国は滅亡することになったでしょう。
ただし、歴史の教訓は人々の脳裏に残っていますから、同じ過ちを二度、三度と繰り返さないことを願っています。
だからこそ、歴史教育は必要なのですが。
投稿: Inoue | 2006/05/03 12:36