LS:内田貴教授の法科大学院論
法科大学院は何をもたらすのか または 法知識の分布モデルについて
2006年4月10日 - 13:46
内田貴
ボツネタ経由で知ったこの小論文は、従来の法学部教育について、法的素養のある人材を幅広く社会に輩出していたと評価し、規制する官僚にも規制される企業にも法的リテラシーの高い人材が多く含まれていることを前提とした社会運営であったが、これが法科大学院制度により変容すると論じ、単純な事後救済型社会の追求に疑問を呈している。
内田先生は、少なくとも法学部による法学教育が法科大学院により相当程度縮小することを前提に論じておられる。このことは注目に値するだろう。将来的にはこの法科大学院と法学部との二重構造が解消するという認識である。
韓国の場合、法科大学院を作ったところは法学部を廃止し、作らないところは法学部を残したと聞いているが、日本ではなかなか難しいのではないか>法学部廃止。
今後、公務員試験の受験者が法律関係では法科大学院修了者で占められるようになっていけば、あるいは法学部の役割が縮小するかもしれないが、東大の法科大学院のように学部と既修者コースの6年という発想が残っていれば、学部の法学教育はむしろ必要不可欠なはずである。
ということで、内田先生のお考えは、この記事の限りではよく分からない。
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コメント
確か学部とLSの兼担が許容されるのも期限付きではなかったでしょうか。
投稿: h | 2006/04/12 00:17
たしか10年間に限るということだと思います。
もう少し短かったかな?
投稿: 町村 | 2006/04/12 08:06