LS1期既修の96%が無事卒業
朝日.comの記事によれば、
今春卒業した既修者一期生がいたのは58校で、入学者計2349人のうち約93%にあたる2176人が修了認定をうけた。
全員修了は24校で、司法試験合格のため退学した学生がいるところをあわせると32校になる。
全員が修了した大学として久留米大学、愛知大学が挙げられているが、南山大学もここに含められる。
他方、2年間では卒業できなかった学生が全国で173人いる計算になるが、そのうち現行合格は92人なので、81人はそれ以外の理由で修了に至らなかった。
東大は202人中24人(現行合格組を除くと12人)が修了に至らず、東北大は54人中7人が進級できなかったとされている。
これらの数字には、色々な評価があろう。法科大学院は責任を果たさなかったという厳しい評価も当然出てくるだろうし、他方でスクリーニング機能を果たせるところはきちんと果たしているという評価もあるだろう。
法科大学院制度が始まって最初の卒業生だけに、この数字をとらえて云々されるのはやむを得ないところである。
とはいえ、結論を出すのは尚早で、今年の第1回新司法試験の成績も、来年以降の動向も、法科大学院制度にとっては重要である。
既に1期未修生の間ではかなりの割合の留年が出ているところもあるし、完成年度を迎えて教員の再移動やカリキュラムの再編、入試制度の再検討などが急ピッチで進められているところであろうことは、想像に難くない。
その上で制度自体の再検討や改革も必要となってくるだろう。
法科大学院の教育と司法試験等との連携等に関する法律
附則第二条
政府は、この法律の施行後十年(引用者注--2013年)を経過した場合において、法科大学院における教育、司法試験及び司法修習生の修習の実施状況等を勘案し、法曹の養成に関する制度について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
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コメント
必須科目落としたら即留年という基準を
定めているところが卒業率が低いのだと考えられます。
このあたりは
標準化しようと思えばでき、しないと相対的に単位認定の甘いところにこれから流れるような気がします。
いわずもがな、これはロースクールの設立趣旨に反することになります。
勿論問題は~したら即留年の是非ではなく
合理的に均一化された卒業認定等の基準を定めることです。
投稿: 東馬 | 2006/04/04 21:20