« onlineゲームに実名登録 | トップページ | France民訴法研究 »

2006/04/17

AERAコメントの意図

AERA「調停委員は何様なのか」では、裁判所が被害者の味方であって、ひどい扱いを受けたら裁判所に率直に伝えると、それなりの対応をしてくれるとコメントした。
ところがその前の部分で裁判所のコメントが困ったちゃんで、「不平不満は、多くの場合、自分の思い通りの結果にならない時に出ることが多い。」と突き放している。

これでは裁判所に善処を求めても相手にされないとしか読めないではないか。

実際には、裁判所のみなさんも、困った調停委員の存在を知らないほど世間知らずではなく、また当事者の不満は全く受け付けないという態度でオッケーと思っているわけではない。調停委員向けの研修を充実させなければならないとか、充実させ始めているといった発言は、家裁月報などにみられる文献で繰り返し出ていることからも、現状に問題があるという認識があることは明らかだ。

具体的にも、当事者からの苦情が多ければ、やはり問題ありという認識に至るし、困ったちゃんの調停委員を放置していてよいとは思わないので、実際にも交代させるとか、あるいは調停に調査官が同席して様子を見るとか、あるいは裁判官が事情を聞いてみるとか、各種の対応は期待できる。

ただし、当事者の方が問題のあるケースが多数存在することもまた否定できない事実だろう。

結局、調停のやり方に不満がある場合でも、その不満が正当な不満であることを裁判所にきちんと伝えないと相手にしてもらえないし、そのためには記録をきちんと取っておくとか、不満に思う内容を相手がもっともだと思ってくれるような形で伝えなければならない。
コミュニケーションの技法が必要なところだし、その思いを伝えることができなければ、その不利益は伝えることに失敗した者が負うしかないのだ。

たとえ調停でも、裁判所の利用はしんどい話である。

|

« onlineゲームに実名登録 | トップページ | France民訴法研究 »

法律・裁判」カテゴリの記事

コメント

釣りが勝負の雑誌としては、こういう問題の立て方をするのだと思いますが、実際には、以下のような状況なのではないかと思いますが、どうでしょう?

・かつての名士・名誉職が、「顔」で紛争解決するというスタイルそのものが通用しなくなっている
・そのような中で、良心的な調停委員の多くは薄給で、自主的な勉強・研鑽なども積み、良質な紛争解決サービスを提供している
・十分に研鑽をしていない調停委員は我流で取り組まざるを得ず、中には不適切な対応も残っている
・良心的な調停委員と、不適切な例の差が激しくなってきている
・本質的には、「顔」では紛争解決できない都市型社会における紛争解決サービスのシステムデザインを行い、人材育成機会を提供することが必要であるのに、予算手当てを含む制度的な対応が足りない状況である

投稿: いりえ | 2006/04/17 23:43

調停委員は、人材供給ルートが一番の問題だと私は思いますね。おっしゃるような名士が片手間でできるような仕事ではなく、事実上のボランティアに頼るのも限界があります。調停委員の皆さんが一生懸命やっているということを認めつつも、入江さんのご意見通りです。
もっというと、やはり裁判所は無責任の誹りを免れないでしょう。

投稿: 町村 | 2006/04/18 11:52

本日調停なるものに出ました(申立人です)
調停委員のひどさに憤りを禁じ得ません。

傾聴スキル、カウンセリングマインド他、トレーニングはしているのでしょうか?

私は被害者で、心身ともにストレスで病気になり、その診断書まで出しているのに、どうして、こんなに偉そうな態度で物を言われなければならないのでしょう?大変不愉快で、まとまるものもまとまらないくらい腹が立ちました。

投稿: 一般人です | 2006/08/15 00:03

一般人ですさん、こんにちは。
不愉快な目にあったこと、お気の毒です。

投稿: 町村 | 2006/08/17 16:05

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/31412/9635759

この記事へのトラックバック一覧です: AERAコメントの意図:

» アエラ [いち家裁調査官といろいろネットワーク]
今週の「アエラ」の特集に「調停委員」のことが取り上げられてますです。わたしは、荘司雅彦弁護士のブログ、そして、「ボツネタ」で知ったのですが、「調停委員」という言葉を「家裁調査官」に置き換えても、当てはまるんちゃうかぁ・・・と、舌禍事件が多いわたしなどは...... [続きを読む]

受信: 2006/04/18 22:00

« onlineゲームに実名登録 | トップページ | France民訴法研究 »