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2006/03/24

LSでノートパソコン持ち込み禁止

アメリカのお話である。
「授業中のノートPC使用禁止」--米大学教授の判断にブログ界は賛否両論(CNET Japan)
メンフィス大学のある教授が、自分の講義に出席する学生にノートPCの使用を禁止したことが、ブログ界で大きな話題となっている。この教授の講義には法学部の1年生が出席しているが、彼らはこの指示に憤慨して撤回を求める嘆願書を作成し、American Bar Associationにまで苦情を申し立てた。だがこの申し立ては、すぐに却下されたという。

アメリカのロースクールはいくつか見学したが、半数以上の学生がノートパソコン持ち込みでノートを取っている。
後ろから見ていると、中にはソリティアやっている学生もいたし、ネットに繋げられるので、何を見ているか分かったものではないのだが、それは漫画本を持ち込むようなものであり、論外だ。

問題となるのは、授業を受けるのに、あるいは授業中の討論に参加するのに、ノートパソコンは妨げとなるかどうかである。
確かに、教授と学生が双方向のやりとりを繰り広げるタイプの授業では、ノートパソコンに入力をすることと討論に積極参加することとは相容れない。同時にはしにくい。
また、依頼者面接でもノートパソコンでノートを取りながら面接をすると依頼者が片手間に扱われているような気がして不快感を覚えると言うこともよく言われているので、学生がノートパソコン画面を凝視していると教授は無視されたような気分になるのかも知れない。

しかし、学生には様々なタイプがある。討論を通じて理解を深めていく学生もいれば、討論では理解が深まらないという学生、口頭では質問できないけどネットならできるという学生、口頭で自分の考えをまとめるのは苦手でもレポートは優れているという学生など、様々である。そのような学生達に、ネットにつながったノートパソコンは、かなり使いでのある有用な資源であって、それを利用しない勉強法だけしか教室では認めないとなると、勉強方法の幅が狭くなるのではないか。

日本のロースクールでは、まだまだノートパソコンではなく紙のノートを取っている人の方が多いかもしれない。最初はノートパソコンを使っていたけれども、紙に戻ったという学生もいて、それはそれで主体的に学習方法を選択したのだから良いことだ。しかし教室にコンセントが少ないとか、無線LANがないとか、そういう理由でノートパソコンの利用価値が下がっているのだとしたら、それは大学側の責任である。

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コメント

訴訟事件の書面作成のために依頼者からの聞き取りをするときには,承諾を得てノートパソコンを持ち込んでいます。話を伺いながら,どんどん入力をしていって,ある程度まとまったところでプリントアウトして読み合わせをしたり,読み聞け(笑)をして,内容を固めていきます。

前はざーっと聞いてメモをとって文章を作って,また来て貰って確認したりしていましたが,このやり方にしてから,1回の打ち合わせは若干長くなるものの,1回で固められるし(もちろん,依頼者から「帰宅後に思い出したことがあるので直してほしい」というリクエストがくることもあり,それにも対応できます),「こうやって書面が出来ていくんですか」って,結構好感を持ってくれます。

このやり方の場合,頭の中で「練る」「寝かせる」過程がなく,出てきたものがそのまま文章になるので,法律論の要素が多い書面にはあまりなじみません。陳述書やそれに類する事実説明型の書面だと良いみたいです。


教室でのPC使用は,所詮は道具ですから,教員が「使うな」と注文をつけるのはなんか変な感じがします。昔「シャープペンシルは贅沢品だから持ってきてはいけません。」とか「鉛筆は50円以下のものにしろ」とか言ってた先生みたい(ちょっと趣旨が違うか)。

投稿: h | 2006/03/29 15:45

>「鉛筆は50円以下のものにしろ」

おやつは300円までとかも?(もっと違うか)


憲法の教授の自由の考え方が使えるかも。

投稿: 東馬 | 2006/03/29 18:51

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