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2006/03/24

CreativeCommons判決の位置づけ

CNET Japanの翻訳記事を読んだ限りの印象なので間違っているかもしれないが、判決の位置づけについて考える好個の素材だ。

この記事によれば、Adam CurryがFlickrの写真共有サイトに掲載して共有した娘の写真をオランダの商業雑誌が無断掲載したことについて、著作権侵害に基づく提訴を行い、オランダの裁判所はこれを認めて再利用差し止めと罰金(ママ)を言い渡したという。その際、Curryは営利目的を禁じるCreative Commons Attribution-NonCommercial-ShareAlike 2.0ライセンスの適用を設定しており、裁判所はこれをもとに判断した。
そこで、この判決はCreative Commons のライセンスの拘束力を認めた初めての例として注目されているわけである。

しかしながら、この位置づけはおかしい。
少なくとも日本法の下では、写真にも著作権は当然に成立するし、共有サイトに掲載したからといって著作権放棄ということにはならない。もちろんフェアユースや権利濫用の適用により制約を受けるかもしれないが、商業誌に無断で掲載されれば、著作権侵害となることであろう。
デフォルトで著作権侵害が認められるのであるから、Creative Commons Attribution-NonCommercial-ShareAlike 2.0の適用をCurryが宣言したとして、それによってはじめて商業出版への無断掲載が禁止されるわけではないのである。
この判決は、営利目的での無断転載を禁じる条項に基づいて著作権侵害と判断したと位置づけられているが、このような条項がなくとも、そもそもデフォルトで禁じられているのであるから、そのような位置づけはやはりおかしい。
(もしオランダ法において、共有サイトに掲載した著作物は営利利用も自由になるというのがデフォルトルールだったとするなら、以上の考察は前提を異にするので撤回する。ご存じの方がおられれば教えて欲しい)

Creative Commons Attribution-NonCommercial-ShareAlike 2.0の拘束力を裁判所が真の意味で認めたと言えるのは、同ライセンス条項に則って無断利用したところ、著作権者から著作権侵害で提訴された人が、Creative Commons ライセンスに則ったことを抗弁として主張し、それが認められたときである。

そうした紛争類型での判断が認められた例があるかどうか、不勉強のため知らないが、そもそもそういう紛争は生じにくいのかもしれない。

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