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2006/02/04

liberte de pressムハンマド風刺問題

西欧の新聞メディアとイスラム教徒コミュニティとが、ムハンマド風刺画掲載をめぐって揺れている件について、おきまりの表現の自由と他の人権との衝突ということなのだが、文明の衝突の文脈にも関係し、問題は根深い。

ニュースと画像はmatimulog2afp参照

神、信仰の対象物、聖人など、人々が大切にしているものを馬鹿にしたり攻撃すれば、反発が起きるのは当然である。イスラム教徒だけがこのような反応をするのではなく、キリスト教徒も同様だ。宗教そのものかどうかは微妙だが、日本だって天皇や神道が風刺の対象となればひどく怒る人がたくさんいる。このような形での反発が表に出ないだけ余計に強固なタブーとなっているといってもよい。

日本の問題は別としても、とにかく風刺に反発が返ってくるのは当然なのだが、そのことは風刺も含めた表現の自由を否定するものではない。反発する側が見解を表明し、批判・非難することもまた、表現の自由により保障された表現行為である。国旗を燃やすという形での抗議行動やデモも、表現形態の一つとして保護される。

そう考えると、問題は発生して当然であり、無くなることはおよそ期待できない。ただ、成熟してくれば、他社に対する寛容と尊重が問題発生を緩和することが期待できるだけである。

これに対して解決が必要な問題は、テロだ。イスラム教徒側のみならず、アメリカやイスラエルの行為も含め、暴力による言論の弾圧は解決されるべき問題である。しかし、その解決には結局、力の行使が必要という悲しい現実もある。その力の行使の過程で、いかにして法的正当性を確保するか、実体的正義か手続的正義か、内容もアプローチも今なお問題である。
これは、私人による力の行使に共通する問題でもあるのだ。

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コメント

 いつものことながら古い話。「悪魔の詩」を日本語に翻訳し、出版に協力した筑波大学教授が日本で殺された事件がありましたね。犯人は今もって不明で迷宮入りです。
 あのとき、本気で恐怖を感じました。イスラム教徒が無視できない数存在するEU圏内ならともかく、日本でイスラム教がらみの殺人(と思われる)事件がおこるとは。

投稿: Inoue | 2006/02/04 13:03

この辺りのぶつかり合いはどっちもどっちなために最低限法やらなんやらのルールくらいは守ってねと言いたいところなんですが、そういったものにすら反発する立場の人がいるわけで本当にややこし…。

投稿: サスケット | 2006/02/05 00:01

 どのような宗教でも、宗教に悩みや惑いから命さえも救われた方も少なくないと思います。
 ですが、宗教が犯罪や殺人までもたらすとなると。_| ̄|○

投稿: それは? | 2006/02/05 01:17

宗教が絡むと非寛容になるのは、神様の命令だからいかんともしがたいのでしょう。
人間同士の問題と違って、神の命令には妥協の余地がない。
かくて神の名の下に大量の殺戮が繰り返されることに。
聖書の記述においても、エリコに住むすべての生きるものが神の名のもとに殺された。乳幼児も含む大虐殺が神の名の下には正当化されるというのは恐ろしい,と思えるのは自分が日本人だからなんでしょうね。
日本でも信長以前には宗派の争いで殺し合いをしていたのが常識の時代があったのだから、信長、秀吉、家康の対宗教の政策の遺産はありがたいものだと、こういうニュースを見ると思い出します。

投稿: オダ | 2006/02/06 00:27

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Honourable Fellow Citizens of the Muslim World 【Jyllands-Postenの釈明へGO】 また、うんざりするような問題に発展しています。「心の問題」として中国と対立する小泉首相と同様、海外では「表現の自由」としてアラブ諸国の怒りを買った風刺画があります。これらを二つを同列視するのは、批判を招くに違いないが、共通点としては受け取る側が勝手に怒って、過激な抗議を始めてしまう点です。すでに問題風刺画を掲載したデンマーク紙「ユラ... [続きを読む]

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